静岡県静岡市清水区を流れる興津川は、山間部や茶畑を流れる渓相からフラットな河口付近など、小河川ながら多様な川相が楽しめる。最終的には駿河湾へ注ぐため、当然天然遡上も期待できる。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・新井智貴)
自然豊かで魅力的な渓相
今年の興津川のアユ釣りは5月20日に解禁。シーズンは長く、10月、11月までアユ釣りが楽しめる。
数年前には豪雨で川が壊滅的な被害を受けたが、地元漁協や関係者の努力により見事に回復している状況だと思う。

私は興津川へはおもに5月下旬の解禁初期と、盛期の8月下旬に釣行することが多い。解禁初期は当然ながら小型主体の釣りとなるが、盛期には天然の良型が楽しませてくれる。
アユ釣りが盛んな土地だけあってオトリ店も多い。釣り場の案内マップも詳細に作りこまれているため、初めての人でも安心だろう。
ポイント紹介
私のお気に入りのポイントは、上流域ではやまびこ橋、中流域では和田島橋付近。やまびこ橋には釣り人の像があるので、見たことのない方はぜひ見に行ってほしい。和田島橋付近は少し下流に真上を東名高速道路が走り、川沿いの道路からとっくりの形をした大きな建物が見えるので、すぐにわかる。

そのほかのポイントも魅力的な川相。いずれの場所も自然豊かで、釣っていてとても気持ちがいい。川は全体的に浅いので、初心者がトモ釣りの練習をするのにも向いている。
私は興津川では7.5~8mくらいの竿とフロロカーボンの水中イトを使用する。前述したとおりアユ釣りが盛んな土地だけに、手練れの釣り師が入れ代わり立ち代わり攻めるため、釣り荒れていることが多い。基本的なポイントを泳がせ釣りで攻めてみて反応がなければ短竿を駆使し竿抜けポイントを狙っていくというのがおおよそのパターン。
盛期には黒く大きな石に縄張りを持ったアユが活発に追い、小河川の釣りとは思えないパワフルな引きを楽しめる。
<週刊つりニュース関東版APC・新井智貴/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関東版』2025年5月30日号に掲載された記事を再編集したものになります。