例年恒例にしているサビキとタイラバのセット釣り。アジとカマスの南蛮漬けが食べたいと、三重県志摩市和具の遊漁船に7月19日に単独釣行した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・伊藤明洋)
志摩沖でサビキ&タイラバ釣行
大王崎漁協の製氷機に立ち寄ると、常連仲間の牟田さんと合流。集合は午前4時半。待合所に集まったのは牟田さんを始め、佐藤さん、坂田さんら常連ばかりの5人。
サビキは安乗沖。毎年漁師船が数隻出て、太いカマスを専門に狙っている。ポイントに到着すると1隻しかいない。あれっと思いながら、サビキを開始した。

40cmのマダイをキャッチ
船長は魚探で魚影を探すが、なかなか映らない。それらしき影が映ったところで始めてくださいと声がかかった。しかし、反応はなく、時折カタクチイワシが釣れるだけ。
数投繰り返しているとやっと小アジが2匹釣れた。ミヨシでは佐藤さんと牟田さんがカタクチイワシを泳がせ、40cmほどのマダイを釣り上げた。
予報が外れて、雨雲が頭上にさしかかるとスコールだ。薄いカッパから雨が染みてきたので、キャビンに退散。

タイラバで連発劇
全く釣れない状況に船長は7時すぎ、タイラバへの変更を告げた。船は大王沖のポイントで水深は40m程度だ。開始早々ミヨシから2番目の佐藤さんにヒット。本命マダイを釣り上げた。それも佐藤さんは連チャンでヒットさせるのだ。
これに続いたのは牟田さん。マダイを着実にヒットさせていく。トモの私と坂田さんには全く反応がない。私は敦賀沖で実績を出しているネクタイを次々に試してみたが、アタリを出せない状況が続く。
黒いショートカーリーの効果
後に判明するが、主たる原因はネクタイではなかった。佐藤さんの使っているネクタイはラメ入り黒のショートカーリー1本もの。見たことのないネクタイだ。
「佐藤さん!こんなおかしなネクタイ持ってないよ」と声をかけると、「秘密だけど特別に教えてあげるよ。
正直私のネクタイ選定のカテゴリーの中に、黒色は入ってない。ただ、ショート1本ものはスイッチを使うようになってから、持参していた。
赤ネクタイで本命ヒット
早速未使用だった濃い赤色のネクタイで再開すると、着底と同時にティップを激しくたたきだした。この引きは本命だ。上がってきたのは50cmには届かぬものの、まずまずの本命が釣れてきた。
この後、私はこのショートで良型オオモンハタをヒットさせるのだが、マダイは全く釣れず、佐藤さんだけがマダイを次々ヒットさせた。
「ヘッドを軽くしていれば釣れると思い違いしていないか。今日はライン角度と巻きスピードがカギ。佐藤さんは120gのヘッドを使っているので皆も合わせて!」と船長から声がかかった。

ヘッド交換で周囲にヒット連発
私もヘッドを120gに交換。すると同船者は次々マダイをヒットさせ始めた。一方私はオオモンハタやホウボウ、サバにウッカリカサゴとおいしい魚が釣れてくるが、肝心のマダイがこない。
正午すぎ、見かねた佐藤さんから「巻きスピードをもっと速く」と声がかかった。
タイラバの核心に気づいた一日
タイラバの釣り方の理屈は自分なりには理解しているつもりだったが、本当の意味で実戦していなかったのだ。
「今日は着底後かなり速巻きすることで、素早く動くネクタイのリアクションで食わせていたんだ」と佐藤さん。私のタイラバ技術の中に、リアクションバイトはなかった。

<週刊つりニュース中部版 APC・伊藤明洋/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2025年7月31日号に掲載された記事を再編集したものになります。
