高水温期に突入している。さすがに海水温25℃を超す日も続いてくると、だんだん潮通しの悪い大阪湾奥の魚も低活性になってきた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
チヌ狙いのライトゲーム
場所は泉大津。メバリングタックルを流用してチヌを狙っていく。ライトブリームゲームだ。思えば私はチヌという魚をバスタックルとメバリングタックル以外で釣ったことがない。つまり専門的な釣り方をしたことがない。
以前ボートシーバスでシーバスのゲストとして釣ったことがあるが、それとて本命としての狙いではないのだ。そんなに狙い澄まさなくても釣れてしまう魚、ということもできるだろうか。
ポイントに入ったのは夕マヅメだった。この時間帯から少し暑さが和らいで、体力を温存しながら釣りに集中することができる。ファーストチョイスはメタルジグだが、魚はチェイスしてくるものの掛けるところまでいかなかった。
ショートバイト散発
ワームにチェンジしてみるとアタリが増えた。ここでブレードがついたジグヘッドにチェンジしてみるが、かえって反応が鈍ってしまう。もう一度普通のジグ単に戻してみると、もう追ってこなくなった。

そこからはフローティングのプラグにする。ド表層を意識している魚に絞って、小さなクランクのようなルアーをトレースしていると、ショートバイトが連発した。じゃれつくような金属質なアタリ。これは典型的な小さなキビレのアタリである。高活性のときにはメバルみたいにバカみたいに食ってくるのだが、今日はなかなかそうもいかない。

ちょっとトレースする速度を緩めてやって、魚にあまーくルアーを見せてやるとやっと食い込んだ。20cmばかりのキビレだ。こんな魚でも貴重な一尾である。とりあえずボウズ逃れができた。
本命チヌは突然に
しかしここから苦しめられることになった。およそ1時間半あたりがなし。このポイントは東西に広大なので捜し歩いていると結構疲れてくる。足が棒になりそうだ。
よく考えてみると、私は別に運動好きというわけでもないのに、釣りをしている間はちょっと尋常でない時間を歩いていることになる。この日は最終的に12000歩も歩いていたのだからすごいものだ。
ルアーを何度も変えてみる。ダメだったルアーももう一度通してみる。あのカラーがあればな……と先日ロストしたルアーをあらためて後悔したりもする。しかし、何もかもスカスカ。これは高水温きっついな……と呟いた。

よし!本チヌだ。サイズを上げてみたら大したことはなかったが、このチヌ、えらい引いた。そうだ、夏のチヌってそうなのだ。小型でもやたらと引く。一度年無しの取り込みには30分かかったこともあったっけ。すごいルアーの飲み込み方をしている。取り外しには時間がかかった。
夏の夜はそろそろ厳しいか
この日は釣った時間のわりに2尾と物足りない釣果にはなった。さすがに湾奥の水域ではそろそろどんな魚も厳しいかな。ボトムを狙ってもみたが、カサゴもつついてこなかったし。今夏は1か月くらい前倒しで異常な暑さが訪れるという近年の「平常」がまたきているので、まあこんなものだろうと思うしかない。
それにしても釣り人というのは気候に左右される人種である。ここまで魚に鈍られると辛い。
だが待っていれば泉南でそろそろタチウオが始まったり、エギングの時期がきたりと、ちょっと忙しくなってくる。筆者は今年はめったにやってこなかったエギングにも挑戦してみるつもりだ。頑張るぞ!
<井上海生/TSURINEWSライター>
