連日のように酷暑が続くなか、それでもカヤックフィッシングに行かずにはいられないホビーカヤック乗り3人で、ちょっぴり遠征してきました。舞台は静岡県の西伊豆。

ロックフィッシュをメインに青物やマダイにも期待しつつ、キレイな海で楽しんだグループ釣行の模様をお届けします。

【あなたの釣りライフが変わる!『カヤックフィッシング特集』を読む】

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・福永正博)

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西伊豆に向けて深夜出発

7月下旬のある夜、仕事を終えて帰宅した後、いつもの晩酌を我慢してそそくさと家を出発します。普段はマイペースな単独釣行が多い筆者ですが、今夜ばかりは寝坊できません。なにしろ、明日は職場の釣り好き3人組でのカヤックフィッシングなのです。

足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
おだやかな西伊豆の朝(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

ホビーカヤック3艇

待ち合わせ場所のパーキングエリアには深夜2時集合。日の出とともに出艇して、朝マヅメを逃さず、なるべく暑くない時間帯に釣りをしたいがためのハードスケジュールです。

パスポートに乗るO君は厚木、アウトバックに乗る筆者は横浜、コンパスに乗るHさんは新宿からのプチ遠征。3艇とも元祖足漕ぎカヤックの『ホビー(HOBIE)』です。多少の遅れはあったものの、合流した東名高速のパーキングエリアからさらに2時間ほど車を走らせ、無事に早朝5時ごろ西伊豆の海岸に到着しました。

グループなら準備も楽しい!

1人ならストイックにさっさと準備を済ませて漕ぎ出していくのが常なのですが、今日は3人でワイワイと世間話などをしながらのんびりモード。それもまたグループ釣行の楽しいところ。全員がホビーカヤック乗りなので、艤装のことや車載方法など話が尽きません。

足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
ホビーカヤック3艇で西伊豆の海へ(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

日の出と共に出艇

とはいえ、さすがに真夏の太陽が顔をのぞかせてきたので、「そろそろ行こうか」と、おもむろに沖へと向かって漕ぎ出しました。場所によっては、早朝から大きな声を出すと近隣住民の方のご迷惑となってしまい、釣り・カヤック禁止になる可能性があるので配慮しましょう。

筆者のタックル&ルアー

筆者が使用したこの日のタックルは、本気仕様とエンジョイ仕様の2本立て。ご参考までにご紹介しましょう。

本気仕様

メインタックルは、ティップ部分だけを交換してソリッドとチューブラーを使い分けることができるシマノ・クロスミッションXR B66Mと、ジギングリールにも関わらず遠心ブレーキ付きのグラップラー300HGの組み合わせ。非常に応用がきくので、カヤックフィッシングに欠かせない一軍タックルになっています。

エンジョイ仕様

もう1つは、最近発売されたダイソーの「ルアーロッド120cm」に、大昔のレブロス2000番の組み合わせ。折れないという意味での強さは抜群ですが、全体的に柔らかいのでヒット後に根に潜られることが多く、ロックフィッシュ向きではなかったですね。

とはいえ、グラスソリッドのショートロッドは魚がかかると非常におもしろいので、ついついカヤックに積んでしまいます。

足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
ダイソールアーロッド120cm(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

西伊豆の海に感動

普段は東京湾や相模湾でカヤックフィッシングをしている3人にとって、西伊豆の海は大自然を感じさせる壮大な風景が広がる非日常的な空間です。切り立ったガケには大小の洞窟が口を開け、水の透明度もケタ違い。

水深10m以上でも海底が見えてビックリです。「海は全部つながっているのに、なぜこんなにも水質が違うのか」、「毎週ここでカヤックフィッシングができたら最高なのになぁ」と、子どものような疑問や妄想が頭をかすめていきます。

足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
西伊豆の海岸線の洞窟(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

魚探の反応はイマイチ

水深60mあたりのエリアを目指して進みますが、魚探への反応はいまいち……。残念ながら青物の回遊はあまり期待できない状況のよう。となれば、水深20~30mのエリアに移動してロックフィッシュとマダイに狙いをチェンジです。

40cm超えオオモンハタ登場!

TGベイトを落としていき、ボトム付近でのフォールとただ巻きを繰り返して探っていると、ロッドを引き込む強いアタリが!ガンッとロッドがカヤックのフチに当たって焦ると同時に、大物の予感が漂います。

足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
透き通った伊豆の海からオオモンハタ登場(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

根に潜ろうとする強い引きにゴリ巻きで対抗し、ようやく上がってきたのはオオモンハタ。

よく引いた割にはサイズが小さいかなと感じましたが、40cmオーバーなので良型と呼んで良いでしょう。

足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
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ジグにヒットした良型オオモンハタ(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

全員でアカハタ狙いへ

青物やマダイを狙っていたパスポートのO君と、コンパスのHさんに声をかけると、やはり魚の反応はいまひとつとのこと。そこで、もっと岩がゴツゴツしている水深10m付近でのアカハタ狙いを提案しました。

アカハタが連発!

10gのジグヘッドにワームをセットし、ヒョイっとキャスト。カーブフォールさせていくと、着底する前からアタリが連続します。

1度キャストすれば必ず反応がある状況が続き、最大37cmの良型も含めて短時間で15匹ほどのアカハタをキャッチできました。言ってしまえば、ワームでもジグでも「落とせば釣れる」イージーモードです。

足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
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ジグヘッドワームにヒットしたアカハタ(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

アタリ遠のき納竿

日が高くなるにつれてハタ達のアタリも段々と遠のき、暑さも厳しくなってきたので午前中で納竿とします。寝不足と帰り道の長さを考えると、無理をするのはあまり得策ではありません。後ろ髪を引かれる思いで、西伊豆の海とはしばしのお別れです。

「また絶対来よう!」と誓って、ホビーカヤック3人組の短い夏休みは完結。釣果にも満足でしたが、浮いているだけで幸せな気分になれる西伊豆の海が大好きになってしまいました!

ヒットルアー

この日のルアーは、水深ごとに使い分けました。浅場ではジグヘッドワーム、深場ではフォールが速いTGベイトを使用。

ジグヘッドとワームはダイソー製ですが、「安いから根掛かりしてもいいや」という考えではなく、単純に使いやすくて釣れるので使っています。筆者の場合、海底にゴミを残すことへの罪悪感が強いので、ルアーの値段に関わらずボトムを狙う時はかなり慎重に攻めています。

足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
ダイソージグヘッドワームとTGベイト60g(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

エア抜きツール

カヤックでロックフィッシュを狙う際は、魚のエア抜きツールが必須アイテム。水深10mほどから上げてきた魚でも、浮袋が膨らんでお腹を上にして浮かんでしまい、リリースしても自力で潜れなくなることがあるからです。

ハタ類やカサゴなどのロックフィッシュは成長に時間がかかる魚種が多いので、必要以上に持ち帰らずなるべくリリースしてあげるのが大切です。

DIY好きの筆者は自作でいろいろと試していますが、もちろん市販品もたくさんありますよ。

足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
自作のエア抜きツール(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

グループカヤック釣行の魅力

カヤックフィッシングに複数人で行くデメリットといえば、寝坊やドタキャンで信頼関係にヒビが入る可能性くらいでしょうか。その一方、カヤックフィッシングに複数人で行くメリットは釣果面・安全面で数多くありますのでご紹介しましょう。

足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
神奈川の三浦海岸にて(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

出艇困難な場所から出艇できる

駐車場やトイレがあってカヤックフィッシングもOKなのに、急な斜面や階段などがあり出艇が大変な場所は数多くあります。そのような、1人では出艇をあきらめてしまうような場所でも、3人もいればたいていの障害は乗り越えることができます。

足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
出艇困難な土手や階段(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

写真や動画を撮ってもらえる

魚釣りにおける楽しみの1つが、記念や証明としての写真や動画の撮影です。ですが、単独のカヤックフィッシングでは、どうしてもワンパターンな一人称のアングルになりがち。長いアームなどを利用しても限度がありますからね。

カヤック乗り同士で撮影しあうことができれば、1人では不可能な構図の素敵な写真や動画が撮れます。記録級のメモリアルフィッシュが釣れた際に、自分が魚を誇らしげに抱えている写真を残せたら最高ですよね。

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足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
仲間がいれば写真を撮ってもらえる(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

情報の共有やアドバイス

同じ場所から出艇しても、各人で狙うポイントや水深、ルアー・仕掛けは異なります。グループ釣行ならば、手分けして魚を釣るヒントを探し、情報を共有することで全員の釣果をアップさせることができます。

全員で固まってワイワイ釣るのも楽しいですが、釣果アップを狙うならある程度離れて釣るのも良策でしょう。「オレが釣った!」という魚も良いですが、チームワークで釣り上げた魚もきっと心に残りますよ。

足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
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各自の判断でヒットポイントを探る(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

もしもの時にも安心

万が一トラブルが起きた時のことを考えると、助けてくれる仲間がいた方が100倍安心です。足漕ぎカヤックの場合、ドライブ(駆動装置)が不具合を起こしてもパドルを使って帰還できますが、悪いことが重なって想定外の事態が発生することもあり得ますからね。

カヤックに乗る際には、長めのロープを1本積んでおくことを強く推奨します。たとえ100円のロープでも、人命救助に役立つことがありますよ。

体験の共有

「苦労も感動も共有でき、共通の思い出として記憶に残る」、これこそがグループ釣行のもっとも大きなメリットかもしれません。たとえ写真に残っていなくても、「あの時は〇〇だったよね」と振り返ることができる仲間がいるのは、とっても素敵なことです。

使用したホビーカヤック紹介

それでは最後に、今回使用したカヤック3艇をご紹介しておきます。

ホビーカヤック・パスポート10.5

筆者も以前乗っていたパスポート10.5ですが、現在はモデルチェンジしてパスポート10.5Rに進化しています。現行の「R」は、ほかのモデルと同様のロトモールド(回転成形)製法となり、上下単一カラーやカモフラージュカラーがラインナップされました。

また、キックアップフィンが標準装備になった点も大きな変更点で、よりアクティブな釣行を可能にしています。位置付けとしては、シンプルな装備と導入しやすい価格が魅力のエントリーモデルといえますね。

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ホビーカヤック・パスポート10.5(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

ホビーカヤック・コンパス

ホビーカヤックのラインナップ中では、パスポートシリーズと同様にエントリーモデルの位置付けのコンパスですが、その実力はあなどれません。

安定感抜群の幅広な船体に、キュッと絞られた細身のバウ(船首)の組み合わせで、釣りのしやすさと走破性を両立しています。

また、前進・後進ともに可能なミラージュドライブを標準装備しているのに加え、自分好みにカスタマイズする楽しみがあるので、ベテランアングラーにもおすすめできるモデルです。

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ホビーカヤック・コンパス(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

ホビーカヤック・アウトバック

筆者の愛艇です。パスポートやコンパスがシンプル装備のモデルとすれば、アウトバックは豪華装備のフィッシングカヤックといえます。

初場所であれやこれやとタックルを積んでいきたい時でも、積載スペースがたっぷりのアウトバックなら大丈夫です。大きなクーラーボックスを載せられるので、グループ釣行の際に仲間の魚を入れてあげることも可能ですよ。

足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
足漕ぎ「ホビーカヤック」3艇でのグループ釣行が楽しすぎた! オオモンハタにアカハタ連発!
ホビーカヤック・アウトバック(提供:TSURINEWSライター・福永正博)

<福永正博/TSURINEWSライター>

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