各社から発売されているルアーやエギには、さまざまなカラーが存在する。よく釣れるカラー、釣れないカラーなんてあるのか・・・。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・賀川正志)
絶対的に釣れるカラーは存在する?
ルアーフィッシングにおいて、「効果的なルアーのカラーは?」と良く聞かれるが、その時々により選択はかわってくると思っているし、自然相手なので「これが良いです」とは言い切れない。
「そんなの分かれば漁師になります」と冗談気味に答えている。ただ、自分の中では、ある程度のセレクトがあり、今までの経験から来るチョイス方法もある。
ルアーといっても、いろいろな物があり、狙う魚種、水深、水の透明度、日中、夜間などそれぞれの状況に応じて使うカラーの傾向はかわってくる。それも絶対ではなく、「そうではないか・・・」と思う、私の考え方である。
アオリ狙いのエギング場合
今回は私の好きなエギ、タイラバをテーマにカラーの選択基準を解説してみたい。ただし、市販されているだけで既成品のカラーの成否を問うものではなく、あくまで個人の考え方としてとらえていただきたい。
さて、皆さんはエギを購入する時、何を基準に決めているだろうか?10数年前の私は、背にはオレンジ、ピンク、茶色にテープは赤、金、マーブルなどを好んで使っていた。
日中の釣行で何十色と現場に持っていっては試すことで、釣れ具合から反応が良い物と悪い物があることが分かった(もちろん、天候、水温、季節などにより、その釣行時に合ってなかったのかは定かではないが・・・ )。その後、パターンに合わせて、いろいろなカラーを使う機会が増えてきた。
アオリイカは色の視覚を欠くとされているが、一方で濃淡やコントラスト、青緑色は認識しているとも言われている。でもそれだけか?
アオリイカは、濃淡やコントラスト、青緑色以外にも、夜間では下地の色の違い、グローもボヤッとした発光、その上ニオイにも興味を示す。それは新月、満月、常夜灯などにより若干の違いはあるものの、興味を示す度合いは、どれも大してかわらないと思っている。
釣れないカラーを探せ
日中のボートでのキャスティングでは、カラーの違いが感じられた。機動力のあるボートでの釣りは、反応がなければ移動の繰り返し。いつもサラ場を攻めるのが基本だ。反応が良い個体を釣り、移動で数を稼ぐのが持ち前である。
これでは見せたもの勝ちで、同じぐらいの力量の釣り人が数人で釣りをすれば余り差が付かない。これで差が出るのは風上か風下かで誘いやすい、釣りやすいの差だろう。
ベイト付きのアオリの大群に何度か遭遇した。数がキープできれば釣れないカラーを探しはじめた。
そこで見えてきたのは、今まで反応が悪いのは、カラーの違いが大きいと言う点だ。なぜこの色がいいのか?同じ色なのに、このエギには反応が薄いのか?と、思っていた時に、ふとワームの色を思いだした。釣れていたエギは蛍光色または、白の布はボヤ~ッとした発光カラーが多かったからだ。
蛍光色の有無に注目
グローの蓄光の強弱である。製造過程で出る微妙な配合。ブラックライトで各カラーを検証すると同じ製品でも光り方が違えば、人の目に映る色もかわってくる。

製造過程での塗料に含まれる蛍光色、布が光るのは漂白発光剤だそう。今では、私の中では、蛍光色が重要なカラーになっている。
タイラバのネクタイの場合
これに似たのがタイラバのネクタイ。いつもお世話になっている船長が「赤のネクタイがいいですよ」と言ったので、用意していくが釣れない。船長は釣れるのに・・・。楕円形のカーリーだと言うので真似をするが、やはりダメ。
これには、何人もの釣友もクビを傾げる。なぜ?どうしてダメなのか帰りに一つ頂き、持ち帰って検証。結果は、船長の使っていた「よく釣れるネクタイ」もブラックライトに強く反応する蛍光色が入っていた。イカと同じか!?

紫外線の量に左右される?
これを突き詰めていくと どちらも良く釣れる条件が分かってきた。それは紫外線に反応する蛍光色成分の濃さである。特に太陽光が強い時と澄み潮。そう、紫外線の量がかわってくるのだ。

人間には、違いが分かりにくいが、水の中でアオリイカや魚にはアピール力が高いのだろう。雨だと釣果が落ちるというのは曇りも同じ。要するに日中のローライトな状況が原因だ。これがはっきりしたのは太陽が出て光が差し込むとアタリが出だすところ。ただし、有効な水深は40m前後までのようだ。
太陽の角度も関係しているのか、夕暮れなど太陽光と水面に角度がつきだすと、光(紫外線)がはじかれるからか、波長が長いとされている赤色が良くなる。それは蛍光色の濃淡の違いなのかはさだかではない。
新しい発見は引き出しを増やす。
そうして私の経験として生かされている知識は、人の目で見た色に惑わされない事。同じ赤やオレンジに見えても、実は紫外線が当たった時に反応の強弱がある。状況によって、強い反応色が良い時と悪い時があるのだが、あくまでも通常の明かりの下で人が見ても違いが分からないという事。

こんな、経験から蛍光色の濃淡の違いなど、仲間内で様々な色を検証しながら釣行している。色に対してはどれか正解かは、明確には分からないが、同じ時間、同じ製品の各カラーを個別に使って弾きだした答えである。新たな状況があれば、自分の傾向に上書きでき、さらに引き出しを増やす事になる。
<賀川正志/TSURINEWS・WEBライター>