いつもお世話になっている釣り船のホームページを見ると『タチウオ』という名前が見えた。今まで経験のない釣物に興奮がおさまらず、すぐに茨城県大洗港から出船している「藤富丸」に予約をいれ、海へと向かった。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・松浦)
藤富丸でエサ&ジギングタチウオ
今回、お世話になったのは茨城県大洗港から出船している「藤富丸」。夫婦船なので、仕掛けがオマツリした時などは女将さんが手伝ってくれる。
何度も利用しているが、女将さんや船長の言われた通りにやってボウズだったことが1度もない。方言で口調が強く聞こえるが怒っているわけではなく、とても頼りになる船だ。使用した仕掛けはジグとエサ釣り。仕掛けは乗船前に船で購入することもできる。
当日のタックル&仕掛け
当日使用したタックルは以下の通り。
サオ:グラップラー633
リール:オシアジガー1500HG
ミチイト:PEライン3号
リーダー:50lb
ジギングのルアー
港近くの釣具屋の店員によると、ジグの色についてはグロー系がいいらしい。だがタチウオは普段茨城県沖にはあまりいない魚なので、実績ベースでの判断がなかなか難しいようだ。つまり自分の直感と好みで選ぶのが正解だろう。

【使用ジグ】
ジグ:120g
エサ釣り仕掛け

【エサ釣り】
仕掛け:天秤仕掛け
オモリ:80号
ハリ:一本針8号
ハリス:フロロカーボンライン7号
エサはサバの切り身を使用した。エサは1パック分が料金に含まれているが、別のエサを試したい場合は事前に購入しておこう。タックルについては専用ロッドを持っていなかったのでジギングロッドを代用した。

朝イチはジギングに好反応
1月某日、5時半に港を出発した。当日は、風と波は弱く釣りやすい状況。30分ほどクルージングを楽しみ、ポイントに着くと朝イチはジグからスタート。
水深は30m程、ジグが底につきリールのハンドルを1巻きすると、ズンと重いアタリが手元に伝わってきた。いきなりの出来事に驚きながら巻き上げると、銀色のキラキラしたタチウオが水中から姿を現した。
この時間を逃すまいと2投目を投入すると、これもこれも落ちパク。左右のエサ釣りの人は釣れていないので、船長の言っていたパターンがハマったようだ。
痛恨のPEラインブレイク
3投目を投入した時にトラブルが起きた。隣の人が抜きあげたタチウオが筆者のPEラインに直撃し切れてしまったのだ。タチウオの腹側と背ビレにあるギザギザや鋭利な牙では、ラインなどひとたまりもない。
仕方なくリーダーを結び直し再度ジグを投入した。ジグが底に着き、しゃくり上げていると、また隣の人がタチウオを抜き上げ、私のPEラインを一刀両断。これで私のジギングタイムは終了となった。
タチウオを抜き上げるときは竿ではなくリーダーやハリスを手で掴んで取り込んでほしい。獲物を振り回して抜き上げると、周囲の人に迷惑になり、私のような被害者をだしてしまうので注意してほしい。
エサ釣りでもポツポツと本命追加
気持ちを切り替えてエサ釣りに変更した。ジギングと同様に底まで仕掛けを落とし、5回しゃくり上げる。食わせの間として少し待ち、アタリがなければまた5回しゃくり上げる。これを繰り返していると、ポツポツと釣果を伸ばすことができた。
周りを見回すと数十隻の船が集まりタチウオを狙っている。固まって釣っていた方がタチウオの活性が上がり、釣りやすくなるとのこと。ポイント変更時も船団で移動するため、その姿は圧巻だった。

最終釣果
今回の釣果はタチウオ10匹、外道でムシガレイ2匹だった。ちなみに船内トップは46匹。大型のタチウオが多く、とても楽しめた。いつまでタチウオがいるかはわからないが、ぜひ挑んでみて欲しい。
なお、茨城県沖でタチウオが大量発生したのは25年振りとのこと。何かの前触れかと思い25年前に起きたことを調べると、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件etcが…。何事も紐付ければ大事件の予兆と考えられてしまうものだが、自国開催のオリンピックを純粋に楽しめる1年になることを祈るばかりだ。
ライフジャケットは必須!
最後に、ポイントを移動してエサの準備をしている時の出来事を共有したい。エサの準備も終わり、まだかまだかと掛け声を待っていたが、なかなか投入の合図が出ないことがあった。
何かあったのかと思い、周りを見回してみると前方のプレジャーボートが沈んでいた。小型のモーターボートが波に煽られて転覆してしまったようだ。周りに船が多かったので、幸い乗員は周囲の船に助けられ、大事にはいたらなかったが、そうでなかった場合を考えるとゾッとする。明日は我が身と考え、必ずライフジャケットは身につけたい。
<松浦/TSURINEWS・WEBライター>
▼この釣り船について:藤富丸