鷲見玲奈連載:『Talk Garden』第2回
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局アナ時代に、スポーツ番組に携わっていた鷲見玲奈さんによる対談企画がスタート! 第2回目は、前回から引き続き、斎藤和巳さんとのプロ野球対談。今回のテーマは、パ・リーグ。
序盤戦を終えたプロ野球のパ・リーグについて語りあった
鷲見 セ・リーグにつづき、パ・リーグですけど、斉藤さんの古巣であるソフトバンクが、相変わらず安定した戦いをしています。
斉藤 安定かなあ......?(笑)。まあ、ようやくリリーフ陣が固まってきて、2020年型の勝ちパターンができあがりつつありますね。ホークスというチームは、基本的に先手必勝なんですよ。
鷲見 どういうことですか?
斉藤 6回までにある程度試合の流れをつくって、7回以降はリリーフで逃げ切る。
鷲見 ようやくその戦いができるようになって、チームも機能し始めたと。
斉藤 はい。ただ、あとは打線ですよね。まだうまくつながっていない。
鷲見 ヤクルトから移籍し、期待されていたバレンティン選手は調子が上がらず、苦しんでいます。
斉藤 じつは、バレンティンに関してはある程度予想ができたことでもあるんですよね。
鷲見 それはやっぱりセ・リーグとパ・リーグの投手力の違いですか?
斉藤 そうですね。パ・リーグの投手はセ・リーグに比べると、インコースにバンバンと攻めてくるんです。バレンティンの様子を見ていると、それをすごく嫌がっている。相手チームからすれば、インコースを過剰に反応してくれるだけでもOK。だから、シーズン前からバレンティンは苦しむだろうなという感じはしていました。
鷲見 なるほど。
斉藤 まだまだです。キューバからデスパイネとグラシアルが戻ってきましたが、はたして彼らが昨年と同様の活躍ができるのか。向こうでどんな調整をしていたのかわかりませんし、こればかりは未知数ですよね。
鷲見 そうなると、気になるのが楽天ですね。オフにしっかり戦力を補強して、チームとしての勢いを感じます。
斉藤 素直にいいチームです。昨年も今年も、順位予想では2位ぐらいですから。7月後半に抑えの森原(康平)が登録抹消されるなど、チームも波に乗っていけなかったのですが、打線は元気ですし、まだまだこれからでしょうね。
鷲見 ロッテから移籍した涌井秀章投手の調子がいいですね。
斉藤 涌井は本当に大きな補強でした。ほかに則本(昂大)もいるし、岸(孝之)も控えている。
鷲見 ソフトバンクもうかうかできない。
斉藤 いや、もう戦力的に見たら、現時点では楽天の方が揃っていると思いますよ。
鷲見 ほかに気になるチームはありますか。
斉藤 うーん、そうですね。
斉藤 毎年のことなんですけど、いい選手は揃っているんですよ。評論家の間でもオリックスは評価が高い。ピッチャーもいろんなタイプがいる。なのに......。
鷲見 なにが問題なんですか?
斉藤 うーん、あらゆることが噛み合っていない。なんかもったいないですよね。
鷲見 私も僭越ながら今季の順位予想をさせていただいて、オリックスは上位に入れました。
斉藤 上位に入れたくなるんですよ、あの戦力は。だけど、ふと我に返ると違うって思う(笑)。いや、これは勘違いやと......。だから僕は、最下位にしました。
鷲見 戦力を生かしきれていないということですか?
斉藤 もちろん首脳陣の手腕というのもあるのでしょうが、どんな采配で、どんな起用をされても、そこで結果を出すのがプロですからね。選手がどんな状況であっても結果を出さなければ組織としては強くなれない。逆にオリックスがガンガン勝つようになれば、パ・リーグは絶対面白くなるはずなんですよ。
鷲見 絶対に盛り上がりますよね。ハラハラ、ドキドキする試合をもっと見たいです。
斉藤 僕はOBだから、どうしてもホークスを贔屓目で見てしまうところがあるけど、コロナ禍があって開幕が遅れたシーズンでもあるし、ファンのためにもエキサイティングな試合をぜひ各チームにはしてもらいですよね。
鷲見 ここまで開幕前の予想とくらべて異なる点はありますか?
斉藤 結構、当たっていると思いますよ。ホークスが1位で、2位は楽天。で、オリックスが6位。ただ、3~5位の予想は難しかった。結局3位は日ハムにしているんですけど、5位でもよかった。なぜ3位にしたかというと、評論家になって7年目になるのですが、過去の傾向から、日本ハムの予想は逆になることが大きかった。
鷲見 つまり過去の経験から、日本ハムを3位にしたということですか(笑)。
斉藤 そういうこと(笑)。あとは5位に西武。
鷲見 ほとんど予想どおり。さすがですね。
斉藤 まあ、予想なんて当たらなくていいんですよ。逆に当たったら予定調和の状況になってしまって面白くないでしょ。オリックスを最下位にする評論家が多いけど、これを覆したら面白くなるじゃないですか。たとえば今年のセ・リーグは、ヤクルトを最下位にする人がほとんどだったと思うのですが、いま頑張っていますよね。
鷲見 ヤクルトの頑張りが、セ・リーグを面白くしているというのはありますね。話をパ・リーグに戻すと、今年は同一カード6連戦が続きますが、この影響と今後の展望についてはいかがですか。
斉藤 同じチームと6連戦なんて、これまで日本シリーズぐらいしかなかったんですよ。だから、すごく難しいと思うんです。負けが込むと引きずる可能性もあるし、事実、いきなりオリックスが敵地でロッテに6連敗しましたからね。
鷲見 もしかしたらあるんじゃないかと思っていたら......ほんとにいきなり起きて驚きました。
斉藤 開幕当初は無観客ということもあり、やりにくさはあったと思います。選手はもちろん監督やコーチも経験したことない状況ですから。ただ、シーズンも進み、ファンも球場に戻ってきたので各チーム徐々にやり方がわかってきたような感じはありますね。
鷲見 月曜日は基本的に移動でしょうし、選手は大変でしょうね。
斉藤 まあでも、大変なんて言っている場合ではないですからね。試合は待ったなしでほぼ毎日あるわけですし、たしかに選手やベンチの様子を見ていてもきついのは理解できるんだけど、ここを切り抜けていかないと優勝することはできない。
鷲見 条件はどのチーム一緒ですからね。これからの戦いが重要になってきます。
斉藤 注目しているのはリーグ3連覇を目指す西武です。ここまで打線が奮いませんが、普段の調子を取り戻せば順位を上げてくる可能性は高い。ここ数年、投手力が西武のウィークポイントでしたが、今は8、9回がしっかりしているから、終盤までにリードを奪っていればかなりの確率で勝てると思います。とくに8回を任されているギャレットはやばい。他球団に狙われないようにしないと(笑)。
鷲見 あとロッテも面白いチームになってきたと思いますね。3年目の安田尚憲選手を4番に抜擢したり、井口(資仁)監督の思い切った起用が目を引きます。
斉藤 ほんと、若い安田がどこまで頑張ることができるか......。安田が一本立ちしてくれれば、井上晴哉を下位で使えることができる。井上クラスの選手が下位にいると、かなり怖い打線になると思います。ピッチャーも若い選手が台頭してきましたからね。
鷲見 ズバリ優勝争いをするのは?
斉藤 ホークスと楽天になると思いますよ。あー、でも絡んできたら面白いのになあ、オリックス......。
鷲見 選手はいいんですから、波に乗ればあるかもしれませんよ! がんばろう神戸ですね!
鷲見玲奈(すみ・れいな)
1990年5月12日生まれ、岐阜県出身。血液型:B型。
趣味:サッカー、動物と触れ合うこと、愛鳥を愛でる
特技:ハンドスプリング、詩吟
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鬼頭恵美●ヘア&メイク hair&make-up by Kitou emi
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鷲見玲奈連載 おまけ企画 『Verusu Reina』