木村和久の「新・お気楽ゴルフ」
連載◆第30回

 最近、ゴルフが楽しくてしんどくないのは、年齢を重ねるうちに"ゴルフ体質"になったからではないか――そんなことをふと、思った次第です。

 では、"ゴルフ体質"とは何か? それは、何から何までまるっとゴルフがしやすい生活スタイルと体の作りになったことを言います。

 それって、いったいどんなものなのか。具体的に説明していきましょう。

(1)起床時間
 昔は"夜遊び体質"だったので、家に帰るのはいつも夜中の12時ぐらいでした。それでも、ゴルフをする日は早起きしなければいけませんよね。だから、しんどかったです。

 だいたい午前1時ぐらいにベッドに入りつつも、「明日はゴルフだから」と興奮して寝つけないことがしばしば。

午前2時すぎになって、やっと眠りにつく感じでしょうか。

 そうして、朝5時には目覚まし時計を3個はかけて、無理やり起床。わずか3時間ほどの睡眠で、車を運転してコースに向かいます。そりゃ、寝不足で疲れますよ。ラウンドを終えて、運転して帰ったら、もうグッタリ......。

 ところが、今ではすっかりシニア生活となって、夜な夜な遊ぶこともなくなりました。

毎朝6時に目覚ましをセットするのですが、ここのところ目覚ましの音を聞いていません。つまり、朝5時から5時半ぐらいの間に勝手に起きてしまうのです。

早起きも苦にしない、ラウンドしても疲れない「ゴルフ体質」にな...の画像はこちら >>
 ということは、日常がゴルフに行く日の起床時間と一緒。おかげで、以前よりもラウンド後の疲れはありません。まさに"ゴルフ体質"になったと言えますね。

 ちなみに、現在の就寝時間は夜10時半から11時ぐらいで、夜中に起きることもほとんどありません。

それは、寝る前に散歩をして体を疲れさせ、散歩中に仕事の案件やプラン、悩み事を整理し、頭のなかのモヤモヤを極力減らすように努めているからです。よって、ぐっすり眠れるのです。

(2)練習も大事
 ゴルフの腕前を維持するのは、ラウンドはもちろんですが、練習も大事です。今年の5月ぐらいまではスランプに陥っていて、週に2~3回は練習場に通って、そのつどスイングチェックをしながら100球ぐらい打っていました。

 そんな時期を経て、現在はスランプから脱出。ハンデも15になり、練習も通常運転に戻りました。

練習場に行くのは週に1回程度で、50球ぐらい打つ感じでしょうか。

 今さら新しい打ち方を試すことはないですから、練習場では8~9割の力で打って、いつものショットができているな、と確認するだけです。ひと月の練習代はおよそ5000円。誠に経済的です。

(3)テレビはゴルフ番組中心
 テレビで何も見るものがない時は、ゴルフ番組を見ます。ゴルフ番組はBSや関東ローカルなどでよくやっているし、そこでもやっていなければ、ネットTVで過去のトーナメント中継を見たりしています。

 ゴルフ番組はラウンドのイメージが湧きやすいので、つい見てしまうんですよね。とりわけ、アマチュア参加型や女子ゴルファーが出演している番組だと、身近に感じることができていいです。

 要は、飛距離や腕前が近いと感情移入しやすいのです。「そこは転がしだろ」とか、「カラーからはパターだよ」とか。テレビ画面に向かって、勝手に突っ込みを入れて盛り上がっています。そのうち、知らぬ間にコースマネジメントが上達したりして......。

(4)理想的なスタート時間 
 私の場合、ゴルフのスタート時間は9時すぎ、10時前後を理想としています。ですから、朝早い8時スタートみたいなラウンドは敬遠させていただいています。

 遅いスタートは何がいいのか? それは、準備が"整う"からです。

 朝起きてジュースを飲み、シリアルを軽く食べ、車や電車に乗ってゴルフ場に行く途中にサンドウィッチを頬張る。そうすると、コースに着く8時すぎにはトイレに行って、しっかり出すものを出せるというわけです。

 それが、コースで7時ぐらいに朝食をとって8時頃にスタートということになると、2番ホールあたりでお腹がゴロゴロと鳴り出して、大変なことになるんですな。そうなったら、もはやゴルフどころじゃありません。

 従って、ゴルフに誘われた時に行くかどうかを決めるのは、コースではなく、スタート時間で決めたりします。あまり興味がそそられないコースで、しかもスタート時間が早いとなったら、パスさせてもらおうかな、と。

(5)移動は電車か友人の車に便乗
 車を運転するのをやめて10年ぐらい経ちますか。昔は自ら車を運転して、ひとりでどこでも行ったものですが、それは経済的にものすごく無駄だとわかりました。

 ある日、車の調子が悪くなって修理に出すや、結構な費用がかかることにあ然。だったら、しばらく車ナシでやってみようとなり、現在に至っています。

 電車移動はJRの在来線や私鉄であれば、普通列車のグリーン車(1000円以下)か、あるいは特急列車を利用します。トイレ完備だし、食事もできるし、すこぶるコンフォータブル。それでも、車の維持費、交通費、さらには購入費まで計算に入れたら、電車賃のほうがはるかに安いです。

 それに、なるべくクラブバスがあるコースを選んでラウンドしているので、アクセスに困ることはありません。

(6)健康的な体作り
 最近ダイエットに成功し、体のキレがよくなりました。お腹の調子もよく、下痢なんて皆無。人って、変わるもんですね。毎日1万歩以上歩いていると、乗用カートのゴルフなんてへっちゃら。楽勝です。

 昔はゴルフをやった日はものすごく疲れて、眠りについたとしても、疲れすぎていてすぐに起きてしまったりして大変でした。それは結局、体が興奮していたり、精神的にも緊張していたりするからでしょう。夏場となれば、日焼けして体が熱いし、余計に寝つけなかったりするんですよね。

 疲労が如実にわかるのは、プレー翌日です。以前は疲れが相当残っていて、午前中は使いものになりませんでした。それが今では"ゴルフ体質"になり、朝から気分すっきり! 仕事も捗(はかど)ります。

(7)疲れないラウンドを心がける
 まず、コンディションの悪い状況でゴルフはしません。今は天気予報も正確なので、翌日雨予報ならキャンセルします。あえて雨の日にゴルフをする必要はないですから。

 そして、乗用カートの利用はマストです。自分のメンバーコースである扶桑カントリー倶楽部は、乗用カートのフェアウェー乗り入れが可能。小雨程度なら、おおよそ大丈夫です。一度、フェアウェー乗り入れ可能のラウンドをすると、あまりの快適さにやみつきです。

 近頃は歩きラウンドが基本の名門コースでも、老いたメンバーのリクエストで乗用カートを認める動きになっています。さすがに寄る年波には勝てないのでしょう。結果、歩きのみのコースというのは減ってきています。

 昭和の頃とは気象条件もだいぶ変わってきていますので、乗用カートを利用し、体力を温存してプレーしたほうがラクかと。今後、どこぞのメンバーになる予定のある人は、乗用カートでフェアウェー乗り入れ可能のコースがオススメです。

 そのほうが、シニアになっても楽しくラウンドできますよ。