テレビ朝日アナウンサー三谷紬インタビュー:前編

2022年からテレビ朝日で放送開始したサッカー番組『ラブ!!Jリーグ』。Jリーグに特化した情報バラエティ番組で、進行役は前身番組「チャント?Jリーグ」から引き続きテレビ朝日アナウンサーの三谷紬さんだ。

かねてから深すぎるサッカー知識と情熱が話題だったが、今回のインタビューでは想像以上の"サッカー愛"が炸裂。番組の見どころとJリーグ&サッカーに対する思いを気さくに、そして真摯に語ってくれた。

三谷紬アナウンサーがサッカー沼にハマったきっかけは? 推しは...の画像はこちら >>

【 "ツネ様"に魅了され、サッカー沼に】

――サッカー番組への出演は『やべっちFC?日本サッカー応援宣言?』から数えて3本目です。そもそもサッカーに興味を持ったのはいつごろなんですか?

 興味を持ったきっかけは2004年に開催されたアジア杯中国大会からですね。特に延長戦の末にPK戦へともつれ込んだ準々決勝のヨルダン戦。キャプテンの宮本恒靖選手がPKのサイドを変えてほしいと交渉する今も語り継がれる名シーンにやられました。当時、私は小学4年生だったんですけど、アウェーの地で堂々と審判に言い寄れる宮本選手が幼いながらにすごくカッコいいって思って。

試合後にJリーグのガンバ大阪に所属している選手なんだと知って、彼を見たいという思いだけでJリーグを観るようになりました(笑)。当時のガンバ大阪には、遠藤保仁選手や今野泰幸選手といった代表選手がたくさん所属していたので、選手を知っていく楽しみもありました。

――当時の宮本選手の人気はすさまじかったです。

 私も完全にそれに乗りました(笑)。ただそれ以降はあの物怖じしないキャプテンシーも魅力的だなと。元日本代表の中田浩二さんと『やべっちFC?日本サッカー応援宣言?』でご一緒したときに、「当時のチームは我が強くて、みんなをまとめるのが本当に大変だった」っておっしゃっていて。

そんなチームをキャプテンである宮本選手がちゃんとまとめて、チームをどうしたらいいのかを考えていたのかと想像するだけでカッコいいなって思います。今はもうJリーグどころかサッカー界を率いるような存在になっていますよね。

――番組内ではベテランの川島永嗣選手(ジュビロ磐田)へも言及されていました。
 
 川島永嗣選手も欠かせないですね。キャプテンシーという点でとても頼れる選手だと思っていて。GKはゴールを守っていればいいじゃんって思われちゃうかもしれないけどそうじゃない。

自分がいることでチームにどんなプラスを与えられるのかを常に考え、行動している姿を見て素敵だと思いました。

三谷紬アナウンサーがサッカー沼にハマったきっかけは? 推しは日本代表の名キャプテン
『ラブ!!Jリーグ』レギュラーの霜降り明星・せいやさん(左)とEXIT・りんたろーさん。(右)との抜群の掛け合いも見どころ photo by Takahiro Michinaka

【離れてしまった方にまた戻ってきてほしい】

――三谷アナにとって推しはその宮本選手と川島選手だと。

 そのおふたりはもちろん推しなんですが、最推しは宇佐美貴史選手です! 中学生の頃、オリンピックを観ていた時に宇佐美選手の独特なリズムのドリブル、ボール捌きで"すごっ!"って目を奪われました。ボールを持ってグンと抜くというよりはスルスルと相手選手を抜いていくその動きがとてもしなやかなんです。彼が独特なリズムでドリブルを仕掛けるので、相手のディフェンスはリズムが掴めないままゴール前まで持って行かれているんだろうな...と勝手に分析していました。

 ガンバ大阪から移籍して海外リーグで活躍していましたが、日本に、しかもガンバに帰ってきてくれた。もっと海外で活躍してほしい気持ちもありましたが、戻ってきてくれたのはすごく嬉しいです。


 
 同期に宇佐美選手、上司に宮本選手、川島選手がいたら最高の会社じゃないですか?(笑)。

――推しの川島選手も宇佐美選手も、現在はJリーグにいて一段と盛り上がりを見せていますが、『ラブ!!Jリーグ』ではどんな方に届けたいですか?

 Jリーグ設立当初は観ていたけど今は離れちゃっている層にまた戻ってきてもらいたいですね。Jリーグも30年を超えたので、草創期に当時観ていた方たちもお子さんができたり、お孫さんがいる方もいらっしゃると思うので、みんなで一緒に観て「サッカーって楽しい。Jリーグって楽しいんだ」って改めて思ってもらえるような番組にしたいです。

 あと、代表戦や海外リーグは観るけど、Jリーグはわからないって人もたくさんいると思うんです。今の時代、多くの日本代表選手が海外リーグで活躍しているのもその理由のひとつだと感じますが、Jリーグを観ないのは本当にもったいない......! いまでは長友佑都選手(FC東京)など海外リーグで活躍していた日本の名選手たちがJリーグに戻ってきているので、もう一度Jリーグを見直すにはいい機会なんじゃないかと。

 共演者の霜降り明星のせいやさんとEXITのりんたろーさん。は本当にお話がお上手。ふたりがJリーグの魅力を面白く伝えてくださることで、肩肘張らずにJリーグへの扉を開けられるきっかけになればいいなとも思います。

三谷紬アナウンサーがサッカー沼にハマったきっかけは? 推しは日本代表の名キャプテン
毎回スポーティなエッセンスを取り入れている三谷紬アナウンサーのコーディネートにも注目 photo by Takahiro Michinaka

【まずは推しの選手を見つけてみて!】

――Jリーグ観戦に戻ってくる方たち、またはこれからJリーグを観戦する方へ、おすすめの楽しみ方はありますか?

 まずは推し選手を見つけてもらうのがいいと思います。宮本選手が推しになってサッカーにどっぷりハマった私のように、推しを見つけて追いかける過程で結果的にJリーグを観に行ってチームを見る、という風になるのかなって。

 地元のチームだから応援するっていう方もいらっしゃいますし、私みたいにこの選手が好きだから、一生この選手についていく!っていうのももちろんアリです。

私の知り合いに遠藤保仁選手(昨季に引退後、今季からG大阪コーチ)の大ファンがいるんですけど、その方は"ガンバ大阪の遠藤保仁"が好きなんじゃなくて、"遠藤保仁"が好き。だからジュビロ磐田に移籍したら、磐田まで応援に行っていた方もいるんです。新しいJリーグの応援の仕方として、推しを見つけるっていうのもひとつの入り口なのかなって思いますね。

――楽しみ方は自由なんですね。

 そうなんです。少し前から金曜日にナイターをやっているんですけど、それこそ夜ならではのペンライトを使った演出をやっていて。より高揚感のある状態で試合に没入できるので、新規の方も楽しめると思います。

 スタジアムといえば、Jリーグ始まりの地の国立競技場も開幕当初から変わりました。昔とは違った令和の国立でもやはり昔の空気感を思い起こさせますし、私も何度も取材をしていますが、国立競技場のマッチは特別だなって思います。サポーターも気合が入っていて、選手たちの目の色を見ても特別なんだなって感じます。

(後編:『「ストレス解消法はサッカー観戦」テレ朝・三谷紬アナウンサーが涙をこらえきれなかった試合とは?』>>)

【Profile】
三谷紬(みたに・つむぎ)
1994年4月4日、千葉県佐倉市生まれ。2017年、テレビ朝日にアナウンサーとして入社。過去には『やべっちFC~日本サッカー応援宣言~』や『チャント!! Jリーグ』などのサッカー番組に出演し、"趣味サッカー観戦"という筋金入りのサッカーファン。2020年にはテレビ朝日の公式YouTubeチャンネル「動画、はじめてみました」では10kgの減量企画に挑戦し、570万回を超える再生回数を叩き出し大きな反響を呼んだ。現在は『ラブ!! Jリーグ』、『新日ちゃんぴおん!』などへのレギュラー出演他、バラエティ番組でも大活躍。