【注目の1頭は「競馬センス」を感じる4歳馬】

 2月9日(日)、東京競馬場で4歳以上馬によるGⅢ東京新聞杯(芝1600m)が行なわれる。

 このレースは、6月に行なわれるGⅠ安田記念と同条件。2019年の勝ち馬インディチャンプは東京新聞杯で重賞初制覇を飾り、2走後の安田記念でアエロリット、アーモンドアイらを破ってGⅠ初制覇を飾っているように、のちの大舞台に繋がる一戦となっている。

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 レースを血統的視点から占っていこう。今回、筆者が血統的に魅力を感じる存在はオールナット(牡4歳、栗東・高野友和厩舎)だ。同馬は、2015年のGⅠジャパンC(東京・芝2400m)を勝ったショウナンパンドラの半弟。3勝クラスの嵯峨野S(京都・芝1800m)を勝っての参戦となる。

 これまでの4勝は、1800m戦が2勝、2000mが1勝、2600mが1勝と中長距離寄りで、今回が初の1600m戦なので距離に不安がないとは言えない。だが、前走の嵯峨野Sは行きっぷりよく好位3番手を追走し、追い出されてからは反応よく伸び、上がり3Fがメンバー中2位の33秒4という瞬発力を見せて差し切り。幅広い距離に対応できそうな競馬センスを感じさせる走りだった。

 父サトノダイヤモンドはGⅠ菊花賞(京都・芝3000m)、GⅠ有馬記念(中山・芝2500m)などを勝ったステイヤー。産駒も、GⅡ神戸新聞杯(阪神・芝2400m)を制したサトノグランツ、GⅢ新潟記念(新潟・芝2000m)を制したシンリョクカなど中距離タイプが多い。

 ただ、シンリョクカはGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)で2着に入っている。さらに、GⅡ京王杯スプリングC(東京・芝1400m)で3着、GⅢCBC賞(中京・芝1200m)で2着に入ったスズハロームなど、短距離重賞で好走する馬もいるためマイル戦でも問題ないだろう。

 牝系は、ショウナンパンドラのほかにも活躍馬を多く輩出している名門。

GⅠ香港ヴァーズ(シャティン・芝2400m)勝ち馬のステイゴールド、GⅠマイルチャンピオンシップ(京都・芝1600m)勝ち馬のサッカーボーイなどが出ている。

 さらに、GⅡマイラーズC(阪神・芝1600m)勝ち馬のケイデンスコール(父ロードカナロア)、GⅢダービー卿CT(中山・芝1600m)勝ち馬のインダストリア(父リオンディーズ)、GⅢ新潟2歳S(新潟・芝1600m)勝ち馬のフロンティア(父ダイワメジャー)に加え、2021年に東京新聞杯を勝ったカラテ(父トゥザグローリー)と計4頭のマイル重賞勝ち馬が出ており、カラテとは母の父がフレンチデピュティで共通している。近年はマイル前後の活躍馬が続いているのも心強い。

【もう1頭はコース適正、調子が上向きの5歳馬】

 もう1頭はゴートゥファースト(牡5歳、栗東・新谷功一厩舎)を推す。同馬も前走で3勝クラスを勝った上がり馬。その2024ファイナルS(中山・芝1600m)は10番人気だったが、4角12番手から差し切った破壊力はなかなかで、「ハマれば」と期待させる。

 父ルーラーシップの産駒は、昨年のGⅠマイルチャンピオンシップを勝ったソウルラッシュ、GⅡ阪神牝馬S(阪神・芝1600m)を勝ったマスクトディーヴァ、GⅢアーリントンC(阪神・芝1600m)を勝ったディスペランツァなど、近年はマイル重賞での活躍が目立つ。

 さらに、いとこにはGⅠNHKマイルC(東京・芝1600m)、GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)と、マイルGⅠを2勝したメジャーエンブレムがいる血統だ。ゴートゥファースト自身もこの東京・芝1600mでは、昨年5月の2勝クラスのテレ玉杯を、1分32秒8の好タイム&1馬身半差で完勝している。コース適性、上昇度ともに申し分ない。

 以上、今年の東京新聞杯は、サトノダイヤモンド産駒オールナット、ルーラーシップ産駒ゴートゥファーストの2頭に期待する。

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