牡馬クラシック第1弾のGI皐月賞(4月20日/中山・芝2000m)と同じ舞台で行なわれるトライアル、GII弥生賞ディープインパクト記念(以下、弥生賞)が3月9日に行なわれる。

 クラシックに向けて主要な前哨戦とあって、レースの冠名でもあるディープインパクトをはじめ、過去の勝ち馬にはそうそうたる顔ぶれが並ぶ。

ここ最近は、年末年始の重賞レースからクラシック本番へ直行する有力馬が増えているものの、一昨年はのちのダービー馬タスティエーラが勝利し、2022年にはのちの菊花賞馬アスクビクターモア、ダービー馬のドウデュースがワンツーフィニッシュを決めている。

 そういう意味では、比較的"固いレース"といった印象が強い。実際、過去10年を振り返ってみると、1番人気は2勝、2着4回、3着1回と比較的安定した成績を収め、馬券に絡む上位3頭が1~3番人気で決まったことが3回もある。

 しかしながら、伏兵の台頭もしばしば見られ、"荒れる"ことも珍しくない。昨年も6番人気のコスモキュランダが快勝し、2着に3番人気のシンエンペラー、3着に9番人気のシリウスコルトが入って、3連単は30万円超えの高配当となった。さらに、2019年には8番人気のメイショウテンゲンが1着、6番人気のシュヴァルツリーゼが2着、4番人気のブレイキングドーンが3着となって、3連単では45万円超えの高額配当が飛び出している。

 まだまだキャリアの浅い3歳春。各馬の実力比較においては未知数な部分が多いゆえ、時にそうした波乱が起こっているのだろう。

 ならば、穴狙いに徹するのも悪くない。ここでは、過去10年の結果を参考にして、今年のレースで高配当をもたらしてくれそうな馬をあぶり出してみたい。

 まず注目したいのは、GIホープフルS(中山・芝2000m)からの臨戦組だ。過去に馬券に絡んだ30頭のうち、最も多い10頭が同レースから臨んできた馬だからだ。

 そして今年も、前走がホープフルS(12月28日)だった馬が3頭出走する。同レース3着のファウストラーゼン(牡3歳)、5着のクラウディアイ(牡3歳)、6着のアスクシュタイン(牡3歳)である。

 いずれも思いのほか人気がなく、好配当の使者としてはどの馬もオススメだが、もう少し絞り込んでみたい。

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 前走がホープフルSで、弥生賞で馬券に絡んだ過去10頭の臨戦過程をあらためて見てみると、10頭中9頭が前々走でオープンか重賞で連対を果たしていた。そこで、今年の候補馬3頭の前々走を見ると、ファウストラーゼンが未勝利勝ち、クラウディアイがGIII京都2歳S(11月23日/京都・芝2000m)3着、アスクシュタインがGIII札幌2歳S(8月31日/札幌・芝1800m)で7着だった。

 3頭とも、オープン、もしくは重賞で連対してはいなかったが、クラウディアイは重賞で3着と馬券に絡んでいる。であれば、過去例の好走馬に最も近い存在として、同馬をここでは強く推奨したい。

 臨戦過程で言うと、もうひとつ気になるパターンがある。それは、前走が年明けの1勝クラス、中山・芝2000mの舞台で連対を遂げてきた馬である。

 なにしろ直近5年で、このタイプの馬が3勝も挙げているのだ。2020年に2番人気で勝利したサトノフラッグ、2022年に3番人気で勝ったアスクビクターモア、2024年に6番人気で快勝したコスモキュランダである。

 今年もまた1頭、同じ臨戦の馬がいる。

アロヒアリイ(牡3歳)だ。

 同馬も過去例の3頭と同じく、年明けの1勝クラス(1月6日/中山・芝2000m)を経ての参戦。同レースでは2着に終わったものの、昨年の勝ち馬コスモキュランダも2着だったことを思えば、十分にチャンスはある。

 はたして今年は、上位人気馬による固い決着となるのか、伏兵の激走によって高配当が生まれるのか。後者であれば、ここでピックアップした馬たちにも注目である。

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