3歳牝馬クラシックの第1弾、GI桜花賞(阪神・芝1600m)が4月13日に行なわれる。

 今年の3歳牝馬戦線は有力馬が目まぐるしく変わって、ずば抜けた存在がいない状況と言える。

そんななかにあって、最有力候補と目されているのは、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(12月8日/京都・芝1600m)を制して、2歳女王となったアルマヴェローチェ(牝3歳)。スポーツ報知の水納愛美記者もこう語る。

「桜花賞は過去5年で、阪神JFからの直行組が3勝、5連対しています。昨年の勝ち馬ステレンボッシュ、2着アスコリピチェーノも直行組。今年も阪神JFを勝って、そこからの直行ローテで挑むアルマヴェローチェが中心的な存在になると見ています。

 阪神コースは未経験ですが、陣営はデビュー前から操作性の高さを絶賛。舞台替わりがマイナスになるとは思えません。また、当日の天気は下り坂の予報。アルマヴェローチェはハービンジャー産駒で、洋芝での実績もあるため、馬場が渋っても苦にしないでしょう。やはり、同馬の信頼度は高いです」

 ただし、水納記者は他にも有力候補がいると言う。

「GIIIフェアリーS(1月12日/中山・芝1600m)の覇者エリカエクスプレス(牝3歳)と、GIIIクイーンC(2月15日/東京・芝1600m)を快勝したエンブロイダリー(牝3歳)です。

 前者はフェアリーSの勝ち方が圧巻でした。

軽く促しただけでラクに後続を突き放して、3馬身差をつけて完勝しました。後者もクイーンCにおいて、2番手追走から長く脚を使って、お手本のような競馬を見せて勝利。2歳時と比べて、スタートが改善されている点も評価できます。

 桜花賞では、アルマヴェローチェに、この2頭を加えた3頭が上位争いを演じるのではないか、と考えています」

 しかし、クラシック戦線において「3強」が並び立つことは決して多くない。過去10年の結果を振り返ってみても、上位人気3頭で決まったのは一度だけ。伏兵の台頭も頻繁に見られ、3連単では好配当がしばしば生まれている。

 水納記者もそうした状況を鑑みて、有力3頭に割って入る可能性がある穴馬候補を2頭、ピックアップした。1頭目は阪神JFで1番人気に推されながら、16着と大きく人気を裏切ったブラウンラチェット(牝3歳)だ。

【競馬予想】桜花賞は「3強」で決まるのか!? 実績ある伏兵2...の画像はこちら >>

「ブラウンラチェットは、昨秋のGIIIアルテミスS(10月26日/東京・芝1600m)を勝って、当初この世代の有力候補に挙げられた馬。阪神JFではまさかの16着という結果に終わりましたが、この大敗で人気を落とすようなら、狙う価値は十分にあります。

 阪神JFでの一番の敗因は、馬体減であることが明らか。もともと小柄な馬だけに、マイナス12kgでの出走はさすがに堪えました。

中間からカイバの食いがよくなかったようで、初めての長距離輸送も影響したのでしょう。

 さらにレース中も、向正面や3コーナーで他馬に囲まれてエキサイト。終始折り合いを欠いていた印象でしたから、それで結果を求めるのは酷かもしれません。

 しかし今回は、2週前から栗東に滞在。直前の輸送が短くなるよう、対策を講じています。1週前の追い切りでも、スムーズに走ることができていた、と現場取材班からの情報も入っています。アルテミスSで見せた瞬発力を発揮できれば、勝ち負けを期待していいと思います」

 水納記者が目をつけたもう1頭は、リステッド競走のエルフィンS(2月10日/京都・芝1600m)で勝利を飾ったレヴー(牝3歳)だ。

「出世レースのエルフィンSを含めて、ここまで3勝を挙げているヴーレヴー。ですが、デビューから一度も1番人気に支持されたことがなく、今回も馬券的な妙味がありそうです。

 エルフィンSでは、序盤から力みが見られましたが、次第に落ちついて直線を迎えると、反応よくスパート。残り1ハロンから力強い伸び脚を見せました。

 昨秋のGIIIファンタジーS(4着。

11月2日/京都・芝1400m)からおよそ3カ月ぶりの実戦でしたが、馬体重がプラス18kgと成長。間隔を空けたローテーションが功を奏しました。そして今回も、2カ月の間隔を空けている点に好感が持てます。

 函館の芝1200m戦でデビューしましたが、レースを重ねるごとに距離延長にも対応。エルフィンSの勝ち馬は、昨年のライトバックが7番人気で3着に食い込んでいますし、5年前にはデアリングタクトが勝利。三冠馬に輝きました。桜花賞との相性のよさからしても、期待が膨らみます」

 いよいよ開幕するクラシック。今年はどんなドラマが生まれるのか。まずは、若き乙女たちが熾烈な争いを見せる桜花賞に注目である。

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