【NHKマイルCで注目の血は?】
5月11日(日)、東京競馬場で3歳馬によるGⅠNHKマイルC(芝1600m)が行なわれる。
今年は、昨年のGⅠ朝日杯フューチュリティS(京都・芝1600m)を勝ったアドマイヤズーム、GⅡニュージーランドT(中山・芝1600m)を勝ったイミグラントソング、GⅢチャーチルダウンズC(阪神・芝1600m)を勝ったランスオブカオス、GⅡ京王杯2歳S(東京・芝1400m)を勝ったパンジャタワーなど、重賞勝ち馬10頭が出走予定。このレースに10頭の重賞勝ち馬が出走するのは2016年以来と、豪華メンバーが揃った。
では、レースを血統的視点から占っていこう。NHKマイルCの血統的傾向で最近目立つのが、ミスタープロスペクター系の好成績だ。直近3年はダノンスコーピオン(父ロードカナロア)、シャンパンカラー(父ドゥラメンテ)、ジャンタルマンタル(父パレスマリス)と連勝している。
この3頭に共通するのが、「5代内にストームキャットの血を持つ」という点。ダノンスコーピオンは父の母の父に、シャンパンカラーは祖母の父テイルオブザキャットの父に、ジャンタルマンタルは祖母の父トゥモローズキャットの父にその血を持っている。
2、3着馬も見ると、2023年の2着馬ウンブライルもロードカナロア産駒で、同3着オオバンブルマイ(父ディスクリートキャット/USA)はストームキャットの直系の曽孫。さらに、2022年3着のカワキタレブリー(父ドレフォン)も、父系四代父がストームキャットだ。
この傾向から、今年のNHKマイルCもストームキャットの血を持つ馬から狙っていきたい。多くの該当馬がいるなかで、母系の血も踏まえて筆者が最も気になるのがチェルビアット(牝3歳、栗東・高野友和厩舎)だ。
同馬は父がロードカナロアで、半姉にGⅠ秋華賞(京都・芝2000m)、GⅠジャパンC(東京・芝2400m)を勝利したショウナンパンドラ(父ディープインパクト)がいる血統。牝系を遡ると、GⅠ香港ヴァーズ(芝2400m)勝ち馬ステイゴールド、GⅠマイルCS(京都・芝1600m)勝ち馬サッカーボーイ、GⅠスプリンターズS(新潟・芝1200m)勝ち馬スノードラゴンなど、多くの活躍馬が出ている名門だ。このNHKマイルCでは、2019年に同じロードカナロア産駒のケイデンスコールが14番人気で2着に入っている。
チェルビアットは今年2月に4戦目(小倉・芝1200m)で勝ち上がり、14番人気で出走したGⅡフィリーズレビュー(阪神・芝1400m)で2着に好走。前走のGⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)は6着に敗れたが、3角付近でゴチャついて後退したのが響いた。最後はいい伸びを見せていただけに、見直していいだろう。
【もう1頭はマイル戦に適性があるサートゥルナーリア産駒】
もう1頭はコートアリシアン(牝3歳、美浦・伊藤大士厩舎)を推す。父サートゥルナーリアはGⅠ皐月賞とGⅠホープフルS(ともには中山・芝2000m)の勝ち馬で、その父はチェルビアットと同じロードカナロア。母の父ハーツクライは前述のケイデンスコールと共通している。
さらに牝系を見ると、伯父がこの東京・芝1600mで行なわれたGⅠ安田記念の勝ち馬ストロングリターンで、伯母には桜花賞2着のレッドオーヴァルがいるなど、マイル適性は非常に高い。
コートアリシアン自身も、東京・芝1600mで行なわれた昨年6月の新馬戦を5馬身差で圧勝。その後は勝てないレースが続いているが、GⅢ新潟2歳S(新潟・芝1600m)で2着、前走のニュージーランドTで3着など牡馬相手の重賞でも好走を見せており、得意の舞台なら激走が可能だろう。
以上、今年のNHKマイルCはロードカナロア産駒チェルビアット、サートゥルナーリア産駒コートアリシアンの2頭に期待する。