デーブ・ニルソン監督インタビュー

 2023年の第5回ワールド・ベースボール・クラシックWBC)で韓国を破り、日本と共に準々決勝トーナメントに進出するなど、着実に力をつけてきたオーストラリア代表。チームを率いるデーブ・ニルソン監督は、かつて中日でプレーした経験があり、侍ジャパンの指揮を執る井端弘和監督とも旧知の仲である。

ニルソン監督にWBCの意気込みと、井端監督との思い出について語ってもらった。

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【韓国、台湾戦が山場になる】

── 日本での国際大会において、東京・府中市で事前キャンプを行なうことについて、どのように感じていますか。

ニルソン(以下同) 府中市で事前キャンプを行なうのは、今回で6度目になります。府中市民球場も改修され、立派な施設になりました。府中市はとても素敵な場所ですし、高野律雄市長をはじめ、街で出会う市民の皆さんが温かく声をかけてくださる。今では、もうホームグラウンドのような雰囲気を感じています。

── ニルソン監督は中日時代のチームメイトで、現在、侍ジャパンの監督を務めている井端弘和さんに対してどのような印象を持っていますか。

 当時の井端監督はまだ若く、私がヒットを打つと、よく代走に出てくれました。それに代打や守備固めなど、どんな場面でも試合に出られるよう、常に「準備」をしていた姿が印象に残っています。私は彼をとても尊敬していますし、ナショナルチームの監督同士として戦えることを誇りに思います。

── 2023年のWBCでは、日本に1対7で敗れたものの、韓国を8対7で破って準々決勝トーナメントに進出。準々決勝でキューバに敗れましたが、3対4と善戦しました。

 日本戦では初回、大谷翔平選手(当時・エンゼルス/現・ドジャース)に3ランを打たれました。

もちろん、今回のWBCも厳しい戦いになると思います。プールCには日本のほか、韓国、台湾、チェコがいます。我々としては、韓国、台湾戦が山場になります。なかでも初戦の台湾は、2024年のプレミア12で優勝を飾っています。とても難しい相手ですし、簡単に勝てる相手ではありません。今はその一戦に向けて、準備を進めているところです。

── 台湾は投手陣が充実しています。日本ハムの古林睿煬(グーリン・ルェヤン)、孫易磊(スン・イーレイ)、今季からソフトバンクでプレーする徐若熙(シュー・ルオシー)、さらにプレミア12決勝で先発した左腕・林??(リン・ユーミン)と、若くてイキのいい投手が多くいます。

 現時点ではチームづくりに集中している段階で、特定の投手に対する対策のロードマップはまだありません。これから、1試合1試合に向けて準備を進めていきたいと思っています。

【新しい歴史をつくりたい】

── チェコ戦のあとに日本戦があります。日本とは、2024年にも強化試合を2試合行ないました。

今回、台湾戦での先発が予想される菅野智之投手は、スライダー、フォーク、そして抜群のコントロールを持っています。

 菅野投手が先発する可能性があるという情報は把握しています。ただ、台湾戦とチェコ戦のあとに休養日が1日あります。その日本戦前日の休養日に、菅野投手をはじめ、日本戦の最終的な対策を練ろうと考えています。

── 日本戦のあとには韓国戦が待っています。韓国はベテラン左腕の柳賢振(リュ・ヒョンジン)、2025年の日韓戦で大勢投手から本塁打を放った金周元(キム・ジュウォン)、元中日の李鐘範の息子で中軸を打つ李政厚(イ・ジョンフ)などがいます。

 韓国は、前回大会で7対8と敗れたオーストラリア戦でリベンジを狙ってくるはずです。ただ、先ほども申し上げたとおり、まず自分たちのコンディションを上げていくことに集中しています。

── 2023年WBCのオーストラリアについて、ネルソン監督は「パワフルな打線に目がいきがちだが、投手陣と守備力が中心のチーム」と語っていました。今回のチームはいかがですか。

 前回と同じく、投手力と守備力がチームの軸になると思います。ただ、今回は内野にオールラウンドな選手がいますので、前回よりも柔軟性のあるチームになっていると思います。

【WBC 2026】オーストラリアのニルソン監督が振り返る井端弘和 「私がヒットを打つと、よく代走に出てくれた」
2024年のMLBドラフト1巡目(全体1位)でクリーブランド・ガーディアンズから指名されたトラビス・バザーナ photo by Getty Images
── 投手ではジャック・オラフリン、ウェルズ兄弟(アレックス・ウェルズ、ラクラン・ウェルズ)、ジョシュ・ヘンドリクソン。打者では、前回大会の韓国戦で逆転3ランを放ったロビー・グレンディニング、2024年MLBドラフト全体1位のトラビス・バザーナ(ガーディアンズ傘下)、さらにシカゴ・ホワイトソックスでプレーするカーティス・ミードなど、注目選手が揃っています。

 彼らはほんとに能力が高くて、すばらしい選手です。ただ、私はいつもチーム全体で力を発揮することに集中しています。ぜひ全員に注目してほしいですね。

── 今大会の目標は?

 私の人生の目標は、オーストラリア野球の新しい歴史をつくることです。前回大会はベスト8でした。今回も一つひとつ勝ち上がり、しっかり戦っていきたい。プールCを勝ち上がれば、準々決勝ではドミニカ共和国やベネズエラといった強敵との対戦が予想されますが、とにかく全力を尽くすだけです。

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