春の古馬中距離王決定戦となるGI大阪杯(阪神・芝2000m)が4月5日に行なわれる。

 例年であれば、同じ時期に開催されるドバイワールドカップデーに参戦する馬が数多くいるが、今年は中東不安を受けて遠征回避馬が続出。

一線級の面々が何頭か大阪杯に目標を変えてきたこともあって、見応えのある顔ぶれとなった。2017年にGIへ昇格してから10回目となる今回、節目の年にふさわしいハイレベルな戦いが繰り広げられそうだ。

 過去のレースを振り返ってみると、GI昇格直後は1番人気が2連勝しているが、以降は7連敗中。馬券圏外に沈むことも頻繁に見られ、波乱の多い一戦と言える。

 そんなレースにあって、デイリー馬三郎の吉田順一記者は「今年は馬場状態と展開面が勝敗のポイントになる」と言う。

「今週は週を通して雨模様ですが、舞台は路盤がしっかりしている阪神競馬場。芝の凸凹はできにくいはずで、多少含水率が上がっても芝のコンディションが一気に悪くなることはないと見ています。展開や流れによって紛れが生じやすい内回りの2000m戦ですが、基本的には、前に行ける馬と内枠発走からロスなく運べる馬が優位と考えていいと思います。

 そうなると、レースのカギを握るのは、先手を奪って主導権をとるメイショウタバル(牡5歳)で間違いありません。昨年のGI宝塚記念(6月15日/阪神・芝2200m)もハナを切って完勝。2歳時の未勝利戦(芝2000m)、3歳時のGⅢ毎日杯(芝1800m)を含めて阪神では3戦3勝ですから、自信を持って運んでいくでしょう。

 鞍上の武豊騎手も阪神の中距離戦で主導権を握れる際には、よどみのない流れをうまく演出して結果を出しています。

本質的には少し時計や上がりがかかるほうがベターゆえ、渋化が残れば、かなり優位にレースを進めていくのではないでしょうか。

 ただ、今回に関しては人気を集めるクロワデュノール(牡4歳)をはじめ、しぶとさが売りのエコロディノス(牡4歳)など、適度に上がりがかかる競馬が向く馬が何頭かいます。それらは早めに動いて長くいい脚が使えるため、勝負どころからメイショウタバルへのプレッシャーがきつくなる見立て。ショウヘイ(牡4歳)あたりもペースに乗じて動ける部類ですから、メイショウタバルが易々と逃げられるとは思えません」

 では、そうした状況にあって、好走が見込めるのはどのようなタイプになるのか。吉田記者はこんな見解を示す。

「メイショウタバルがつくる締まった流れと時計の速い芝を考慮すれば、人気薄の台頭は考えづらいです。相当うまく乗ったとしても3着が精一杯。その確率もかなり低いと見ています」

 そこで、吉田記者が有力視するのは、GI2勝のダノンデサイル(牡5歳)だ。

【競馬予想】メイショウタバルが主導権を握る大阪杯で人気薄の台...の画像はこちら >>
「とにかく圧巻だったのが、1週前の追い切り。今までにないほどの、文句なしの動きを披露しました。前に行かせた2頭を追走し、騎乗した安田翔伍調教師が軽く仕掛けると、いいハミの取り方で鋭い伸び脚を発揮。ストライドが大きく持続力のあるイメージでしたが、今回は仕掛けてからの反応が鋭く、非常にインパクトのある走りでした。

 1週前のフォトパドックもボリュームがありながら、あばらを見せて筋肉質の馬体を誇示。前走のGI有馬記念(3着。12月28日/中山・芝2500m)以上の状態にあるのは明らかです」

 吉田記者はもう1頭、気になる馬がいるという。好メンバーがそろったことでやや人気を落としている実力馬、レーベンスティール(牡6歳)だ。

「レーベンスティールは広いコースの芝1800m戦が得意なイメージがありましたが、前走ではトリッキーな舞台のGⅡ中山記念(3月1日/中山・芝1800m)を快勝。好位の内から、狭いところを割って抜け出してきたレースぶりが光っていました。跳びが大きく、ギアチェンジは段階を踏まないとよくない馬と判断していたので、スムーズにトップギアに入った走りには驚かされました。

 1週前の攻め気配もよく、体全体を上手に使ってリズミカルな走りを見せていました。栗東に早めに入厩して調整された効果もあり、ここに来ての充実ぶりには目を見張るものがあります。

 時計の速い舞台も何ら問題なく、前走のような競馬ができれば、今回もしっかりと動ける算段。ダノンデサイルと同じような位置で、有力馬を射程圏に入れて競馬ができれば、初のGIタイトルを手にしても不思議はありません。今年のGI2戦でいずれも勝利を飾っているクリストフ・ルメール騎手が手綱をとることも心強い限りです」

 楽しみなメンバーが集った一戦を制するのはどの馬か。

熾烈な争いから目が離せない。

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