F1第8戦オーストリアGPレビュー(前編)

 オーストリアGP予選を21位(フェルナンド・アロンソ)と22位(ランス・ストロール)の最下位、それもトップから104.261%(アロンソ)という今季最大の差で終えたアストンマーティン・ホンダだったが、予想に反してフェルナンド・アロンソはテレビカメラの前で笑顔を見せた。

「もちろん競争力はないし、まだすごくタフな状況だけど、今週末はいくつかポジティブな要素が見えたんだ。

結果は過去4戦と同じだけど、今日は今までのどの予選よりもハッピーな気持ちだよ」

【F1】アロンソが予選最下位でも笑顔を見せた理由「今年初めて...の画像はこちら >>
 ひとつ前のキャデラックとも1秒の差が開き、単独の最下位。

 ただ、その最下位という結果は同じでも、内容はまったく違ったとアロンソは言った。

「シーズン序盤はディプロイメント(電動アシスト)に一貫性がなくて、予選でもアタックごとにストレート車速が異なり、コーナーへのアプローチ車速も違う状態だった。

 でも、今週末はその改善にかなり力を入れて、3回のアタックすべてで同じエネルギーマネジメントで走ることができた。今年初めてのことだよ。

 そのおかげで、コーナーを限界まで攻めることができたんだ。FP1から予選までに果たすことができたステップは、とても大きな励みになったよ」

 2026年型のパワーユニットは、350kW(約475馬力)という強大な電動アシストを有する。だからこそ、それをどこで何秒間使うかによって、車速も違えばラップタイムも違ってくる。

 マシン状況、路面状況、ドライバーのドライビングの仕方によって、最適なエネルギーマネジメントは刻々と変わってくる。ラップタイムを速くするために変化するエネルギーマネジメントが、ドライバーにとっては予想外の挙動をもたらし、自信を持って限界まで攻められない事態を招く。

【ブレーキング時の挙動は大きく改善】

 折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネジャー兼チーフエンジニア(GM)はこう説明する。

「今年のパワーユニットには、エネルギーマネジメントをラップごとに学習していくプログラムが入っています。

我々としては(最適化するために)よかれと思って入れているわけです。

 ですが、ドライバーとしては、『ある周はこういうディプロイメントだったのに、学習した結果、あるコーナー手前でのディプロイメント時間が1秒延びることでコーナーに入る車速が速くなり、安定しないので攻められない』ということになります。

 学習しないと最適化には辿り着けないんですが、学習が強すぎるとドライバーとしてはラップごとの一貫性が乏しいと感じてしまう。なので、我々としても学習させるところとさせないところを探っています」

 一方、壁に囲まれたモナコで問題となったブレーキング時の挙動は、かなりの改善が果たされているようだ。

「これまでの課題は、『たとえばFP2はトルクが出すぎて押されるような状態だったのが、FP3ではトルクを抑えすぎて引っ張られるような形になるなど、セッションごとに傾向が変わるのでドライビングのアジャストができない』という状況でした。

 しかし今週は、そこが安定していた。自信を持って攻められたということを(ドライバーたちは)話していました」(折原GM)

◆つづく>>

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