この記事をまとめると
■アルファードのエグゼクティブラウンジはリセールバリューが良くないと言われていた■しかしいま人気が高まっているという
■理由のひとつにレクサスLM風カスタマイズの流行があるようだ
リセールバリューに期待できないグレードと言われることも
現行トヨタ・アルファードは来春ともいわれるフルモデルチェンジを控え、すでに新規受注を終了しているのはご存じのとおり。そうはいっても、現行型のバックオーダーはまだ相当数残っており、自販連(日本自動車販売協会連合会)統計による、2022年10月単月の登録車のみでの車名(通称名)別新車販売ランキングでは4664台で12位に入っている。
新車販売事情通いわく「新型が登場するまでに生産が間に合わないほどバックオーダーをまだ抱えているようですが、これには“ウラ”があるようです。
アルファードは、そもそも価格設定が全体的に高めなのだが、買い得ともいえる、2.5リッター直4エンジンを搭載する、SCパッケージもしくは特別仕様車“S TYPE GOLDⅢ”でも十分リセールバリューが高いとされている(ただし、外装色がパールホワイトもしくは黒系に限る)。V6やハイブリッド(アルファードは4WDしかないので高い)を購入しても、2.5リッター直4エンジン車より価格アップしたぶんが、目立ってリセールバリューに影響することはないようだ。ましてや、最上級グレードともいえるエグゼクティブラウンジは、かえってリセールバリューでは、“シリーズ中もっとも期待できないグレード”ともいわれている。

とくに2列目席がファミリー向けでもないということで、中古車市場ではほかのアルファードより歓迎されないようなのである。
しかし、ここにきて変化があり、その存在が目立ってきているのも確かなようだ。その理由とは……。
アルファードのレクサスLM風カスタムが流行の兆し
エグゼクティブラウンジもここのところ新車では人気がある、というよりはよく売れているというのだが、これはカスタマイズなどを行う業者がよく買っているのではないかとの話を聞く。じつは、すでにタイや中国など一部海外市場でアルファードのレクサス版となる、レクサスLMが販売されているが、アルファードのエグゼクティブラウンジをベースに、レクサスLM風にカスタマイズしたモデルが日本国内で人気を博しているのである。
ある中古車検索サイトで“LM仕様”と検索したら、16台出てきた。

ちなみにタイでのレクサスLMの価格は550万バーツ(約1940万円)。日本国内にて海外からレクサスLMを個人輸入して販売している業者もあるようだが、日本国内での販売価格は2500万円ぐらいとのことである。仮にすでに購入を前提とした現行型の新規発注はできないものの、現行アルファード エグゼクティブラウンジのメーカー希望小売価格は726.9万円であり、これを300万円でLM化させると、単純計算で1026.9万円になるので、レクサスLMを完コピできないとしても、予算的にも満足度は高いかもしれない。もちろん、ベースグレードをエグゼクティブラウンジ以下とすれば、トータル価格も抑え込むことができるだろう。
“猫も杓子も”というほど大ブレイクしているわけではないが、「トヨタもさすがに見過ごせないほどLM化の需要があるようで、トヨタが日本国内でのレクサスLMの正式発売を近々予定しているようだとの情報も飛び交っています」(事情通)。

新型が登場すれば全般的にタマ不足が続くとはいえ、さすがに平時ほどではないが下取りされた現行アルファードが中古車市場でも目立ってくるだろう。そうなると、中古車で現行型を購入した人の間でのLM化が進み、さらにLM化というムーブメントが広がりを見せていくかもしれない。