この記事をまとめると
■基本的に人気がなくなった車種は廃止される■しかし伝統を守るためなどの理由で、売れていないのに残されるクルマもある
■今回はそんな“後に引けなくなったモデル”を紹介
多くの車種にHVが用意されるとプリウスの人気が低迷
売れ行きが下がり、もはや廃止か? と思われた車種が、フルモデルチェンジで存続することもある。直近ではトヨタ・プリウスだ。
2009年に登場した3代目プリウスは、2010年に1カ月平均で約2万6000台を登録した(2代目の継続生産型も含む)。
ここまでプリウスが減った一番の理由は、トヨタの大半の車種にハイブリッドが行き渡ったからだ。3代目プリウスが発売された2009年頃は、トヨタのハイブリッドは、SAI/エスティマ/ハリアー/クラウンハイブリッド程度であった。
ところがその後、5ナンバーサイズのハイブリッド専用車としてアクアが加わり、そのほかにもコンパクトカーのヤリス(旧ヴィッツ)、ミニバンならノア&ヴォクシーやシエンタ、SUVのヤリスクロスやカローラクロス、ワゴンのカローラツーリングなど、いろいろな売れ筋のトヨタ車にハイブリッドが設定された。
そうなると、もはやプリウスを選ぶ必要性は薄れた。運転しやすいハイブリッドが欲しいならアクアやヤリス、快適な居住性や広い荷室を求めるならノア&ヴォクシーやカローラクロスを選べば良い。プリウスの機能はほかの車種で補える。
しかし初代プリウスは世界初の量産ハイブリッド車として1997年に発売され、25年を経過した今では、伝統あるハイブリッドとして認知度を高めた。廃止するのは惜しい。
伝統のあるクルマを残そうとする努力が見られる
そこで開発されたのが新型プリウスだ。
ハイブリッドも進化して、排気量は従来と同じ1.8リッター、動力性能に余裕のある2リッター、2リッター+PHEV(充電可能なプラグインハイブリッド)を設定する。PHEVには今年度で55万円の補助金が交付され、相対的に2リッターのハイブリッドは割高になる。従って新型車の売れ筋グレードは、1.8リッターとPHEVだ。
クラウンをクロスオーバーに発展させた背景にも、プリウスに似た事情がある。2022年11月26日に掲載した「失速したクラウンを復活させる壮大な計画! 4車種投入と登場順序に隠れた巧妙な狙いとは」でも述べたとおり、クラウンの2021年の登録台数は1990年の10分の1だ。マークXなどと同じく廃止する方法もあった。
しかしクラウンは伝統ある車種だから残す判断が下され、国内で販売するセダンから、海外にも投入できるSUVに発展した。しかも1~2車種では販売が低迷する可能性があるから、合計4車種を用意する。クラウンもあとに引けないクルマだ。
このほかトヨタにはセンチュリーもある。
そのためにセンチュリーは販売しにくく、2022年の1カ月平均登録台数は、約14台ときわめて少ない。しかし初代モデルを1967年に発売した歴史のある最上級セダンで、皇室御用達という側面もあるから引っ込められない。そこで現行センチュリーは、先代レクサスLS600h Lのプラットフォームとハイブリッドシステムを使って開発コストを抑え、価格は2008万円まで高めたが、採算をとるのは厳しい。
今は日本で売られる小型/普通車の半数以上をトヨタ車が占めるが、必ずしもオイシイ商売をしているわけではない。やめるにやめられない、引っ込みの付かなくなった車種もあるのだ。

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