この記事をまとめると
■降雪の際、クルマのワイパーを立てる人をよく見かける



■サイドブレーキを下ろした状態で駐車するという人も



■これらの行為にはどんな意味があるのだろうか?



ワイパーを立てるのは張り付きを防ぐため

今季の冬は、各地で大雪に見舞われ、生活、交通に大きな被害を与えている。まだ雪が降っていない都会でも、いつ、大雪に見舞われるかわからない。そこで、とくに降雪になれていない自動車ユーザーが、雪予報が出た時点で、なにをすべきかを解説したい。

あくまで、降雪に慣れていない地域のユーザー向けである。



まずは、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンの準備ができていないなら、クルマでの外出は厳禁だ。ちょっとそこまで、家のまわりにはそれほど雪が積もっていない……という場面でも、雪道をなめてはいけない。サマータイヤのままであれば、ちょっとした積雪でもスリップする可能性大。危ない、危ない……。



で、降雪予報前の準備として、昔からよく言われているのが、「ワイパーを立てろ」である。が、今どきのクルマはワイパーが立てられない構造になっている車種も少なくない。「ワイパーを立てろ」というのは、ワイパーブレードとウインドウガラスの凍結による張り付きを防ぐためだが、立てられればそうするべきだが、立てられないワイパーだったらどうする? べストアンサーは、カー用品店や通販で1000~3000円程度で手に入るフロントウインドウカバー(霜除け、凍結防止カバーなどとして売られている)を使うこと (大きさを愛車のフロントウインドウに合わせて購入すること)。それだけでも、フロントウインドウへの直接の積雪が防げ、スクレーパーや解氷剤を使うことなく、カバーを外すだけでフロントウインドウの視界が確保できるというわけだ(JAFユーザーテストでも実証済み)。



周りのクルマがやってるから……なんとなくでやってない? 「ワ...の画像はこちら >>



その入手が間に合わなければ、なんらかの撥水性のあるシートにひもをつけて、ドアミラーにくくるなどして、フロントウインドウをしっかりと覆っておけばいい。それもない!! というなら、ウインドウ撥水剤が代案策となる。あらかじめ撥水剤を塗布しておけば、ある程度、凍結を防ぐことができるのだ(完全に、ではないが、スクレーパーなどで除去しやすくなる)。



もちろん、サイドウインドウやリヤウインドウの除雪用に、スクレーパーなどを”車外に”用意しておくことに越したことはない(クルマに乗ったら車内に)。



「サイドブレーキをかけずに駐車」は正しい!

具体的には、JAFのユーザーテスト(https://www.youtube.com/watch?v=RKngbFXQ000&t=166s)で、なんの対策もしていないクルマのフロントウインドウを零下、積雪のなか一晩放置した場合、翌朝スノーブラシやスクレーパーを使っても、フロントウインドウの凍結を除去はなかなか困難だった。ボックス型ミニバンなど、フロントウインドウが極端に大きいクルマだと、寒さのなか凍結除去に苦労するはずだ。一方、撥水剤を塗布しておいたフロントウインドウは、スノーブラシなどで雪を下ろしたあとの凍結の除去は、スクレーパーによってそれほど苦労せずに行えている。



そして、専用サイズのカバーをかけておいたフロントウインドウは、カバーを外せば雪の付着、凍結ともにほぼなし。すぐに走り出せる状態だったのである。対策のベストな方法は、間違いなくこれである。もちろん、ワイパーはそのままでOKだ(そもそもカバーをしているので立てられない。ワイパーが立てられないクルマもこの対策に尽きる)。



周りのクルマがやってるから……なんとなくでやってない? 「ワイパー立て」「サイドブレーキ下ろし」雪の日にやる行動の意味とは



つぎに、寒冷地で駐車する際、「サイドブレーキはかけるな」という話。これはまったくもって正しい。JAFでも「寒冷地での駐車はなるべく平たんな場所を選び、パーキングブレーキは凍結してしまうことがあるため、使わないように」と説明している。

そう、低温によってパーキングブレーキのワイヤーが凍結し、かけたサイドブレーキが戻らなくなってしまう可能性があるのである。



よって、サイドブレーキをかけずに、自宅の平たんな屋外駐車場であれば、AT車ならシフトをPレンジに。MT車なら1速ギヤに入れておけば安心だ(万一、下り坂になっているならR=リバースに)。



周りのクルマがやってるから……なんとなくでやってない? 「ワイパー立て」「サイドブレーキ下ろし」雪の日にやる行動の意味とは



が、最近のクルマのサイドブレーキは、レバー式や足踏み式ではなく、いわゆる電子パーキングブレーキの採用例が多い。ならば、モーターでかける電子パーキングブレーキならかけたままでもいいのか? と言えば、そうでもない。レバー式や足踏み式同様に、電子パーキングブレーキの構成部品が凍結する可能性がある。AT車でシフトをPレンジに入れると自動的に電子パーキングブレーキがかかる車種の場合は、スイッチで電子パーキングブレーキを解除(OFF)しておくことだ。



ちなみにJAFでは、寒冷地、または積雪地で、パーキングブレーキをかけずに駐車する際は、「輪留めを対角線上に位置する2カ所に設置」するようにと、説明している。



また、降雪のなかクルマを走らせると、フロントウインドウの汚れも気になる。で、ワイパーとウォッシャー液を併用すれば視界をクリアにできるのだが、そのウォッシャー液が凍結していたら、使えない。氷点下でも凍らないウォッシャー液(濃度)が不可欠となる。今、入っているウォッシャー液が氷点下対応かどうか、早目に確認しておくといいだろう。



いずれにしても、今年の冬は、早目のクルマの降雪、雪道対策に加え、天気予報のチェックが欠かせない!!

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