この記事をまとめると
■エクステリアのドレスアップはルールを守って楽しむべき■保安基準に引っかかりやすいドレスアップを紹介
■ボンネットピン、牽引フック、カナード、エアロミラーを挙げた
ドレスアップにまつわる保安基準をおさらい!
エクステリアのドレスアップは手頃で魅力的な反面、保安基準に引っかかりやすくなるので要注意。
今回は下記の4点について、保安基準のおさらいをしておこう。
ボンネットピン
カーボンやFRPなど樹脂製のボンネットを装着した際、走行中、風圧でボンネットが開くトラブルを防ぐためのボンネットピン。
実用面もさることながら、レーシングカーっぽくってカッコいいが、平成21年1月1日以降に製造された乗車定員10人未満の乗用車は要注意。
上記のクルマの場合、車体から5mm以上の突起物で先端の曲率半径が2.5mm未満のものは違法になる(高さ2mを超える部分、フロアラインより下方の部分、直径100mmの球体が接触しない部分は適用外)。
というわけで、平成21年1月1日以降に製造された乗用車に、古いピンタイプのボンピンをつけると、保安基準に抵触するが、フラットタイプのボンネットピンなら大丈夫。
平成21年1月より前に生産されたクルマは対象外になっているが、これからボンネットピンをつけるのなら、どのクルマも車検対応のフラットタイプを選んでおいた方がいいだろう。

牽引フック
サーキットでは、コースオフやクラッシュ、トラブルなどで動けなくなったとき、より短時間で救出できるように牽引フックの装着を義務づけている。
牽引フックはどのクルマにも標準装着されているが、社外品のものは色もカラフルで、レーシーな雰囲気が味わえる。

これら社外品の牽引フック取り付ける際に注意する点は二点。
ひとつは「前後のバンパーから3cm以上はみ出ないこと」。
細かくいえば、車検証のボディサイズに対し、「全長±3cm、全幅±2cm、全高±4cm」以内であれば保安基準をクリアできる。
したがって、可倒式の牽引フックを倒しておいたり、ベルト式の牽引フックを畳んでおく分には合法だ。
もう一点、「鋭い突起がないこと」も条件になる。
ちなみにJAFの公式競技に出る場合は、牽引フックにも細かい競技車両規定があるので、JAF戦に出る人はこちらもチェック。
購入の時点で保安基準適合品かどうかを確認するべき
カナード
カナードは、レーシングカー(ツーリングカー)などのフロントバンパーの両脇に装着されている小さな羽根のこと。タイヤハウス内の空気を引き抜くために考案されたエアロパーツで、タイヤハウス内の圧力を下げることで、フロントまわりのダウンフォースを増加するのが目的のパーツ。
ストリートカーに装着するのなら、
・車検証のボディ寸法を超えないこと
・危険な突起物とみなされないこと
が条件となる。

後者については、基本的に板状のカナードはかなり厳しい。
TRDやSTIから、車検対応のゴム製カナードも市販されているので、装着するのなら、保安基準適合品を選ぶこと。
なお、このエアロパーツは、装着することで空気抵抗が増える可能性も大いにある。
エアロミラー
2006年に国際連合欧州経済委員会の安全規則(UNECE R46)が見直され、ミラーによる間接的な後方視界を広くとることが求められるようになり、乗用車のドアミラーは一昔前よりかなり大型化してきている。
後ろがよく見えるのはけっこうだが、やはり大きなドアミラーはかっこ悪いな~と思う人も……。

そこで空気抵抗の小さいエアロミラーの出番となるわけだが、ドアミラーの保安基準は下記の通り。
・走行中の振動でその機能が損なわれないように取り付けられていること
・運転席から左右の外側線上後方50メートルまでが見えること
・方向の調節が簡単で一定方向を保持できること
・サイドミラーなど車外のものは歩行者と接触した場合、衝突の衝撃が緩和できる構造であること
・鏡面に著しいひずみや曇り、ひび割れが無いこと
(保安基準第44条)
さらに車体から250mm以上はみ出していないことが条件になる。
したがって、社外のエアロミラーに交換するときは、車体から250mm以内に収まっていて、人と接触したときに衝撃が緩和できる可倒式であれば合法。
これも購入する際に、あらかじめ保安基準適合品かどうかを確認してから選ぶようにしよう。