この記事をまとめると
■ドレスアップやカスタムの手法で「インチアップ」は昔から広く行われている



■インチアップをすると迫力が増す一方でタイヤやホイールのコストが嵩む



■メーターに誤差が出たり乗り心地が悪化する場合もあるので注意が必要だ



インチアップってそもそも何?

インチアップとは純正ホイールよりも、そのホイールサイズをアップすること。ノーマルが17インチだったら18インチや19インチにするカスタムのことを指す。



そのメリットは何と言っても見た目がスタイリッシュになること。

ホイールが大きくなることで迫力が出る。そしてそのときに重要になるのがタイヤサイズ。ホイールが大きくなる分、タイヤサイズを変更しなければならない。



クルマイジリのド定番「インチアップ」! カッコイイけどじつは...の画像はこちら >>



基本的にタイヤは外径を純正と同じサイズに揃えなければいけない。理由はまず、タイヤの外径が変わるとスピードメーターの指す数値が変わってしまうから。スピードメーターはGPSではなく、ギヤ比などから計算して表示している。タイヤ外径が大きくなるとメーターの表示よりスピードが高くなってしまう傾向にあるからだ。逆にタイヤ外径が小さくなると速度は表示よりも低くなる。



メーターの表示よりも実際の速度が高くなると、知らぬうちに速度超過になってしまうことがある。実際60km/h出ているのに、それ以下の速度で表示されるといった方向へのメーター誤差はわずかしか許されない。逆のパターンの場合は許容範囲が広い。



クルマイジリのド定番「インチアップ」! カッコイイけどじつは「デメリット」がもの凄く多かった
スポーツカーのスピードメーターパネル



すなわち、タイヤ外径はほぼアップできないのだ。

それを踏まえてインチアップをしなければならないが、実際はそのあたりを無視して履いている人も多いのが現状だ。車検時に速度計の検査があるので不合格になってしまうことがあるのだ。



また、外径をアップするとタイヤとフェンダーやインナーカバー、ボディなどと接触がしやすくなる。とくに車高を下げると干渉しやすい。そういったデメリットもあるのでタイヤ外径にはとくに気をつけたい。



クルマイジリのド定番「インチアップ」! カッコイイけどじつは「デメリット」がもの凄く多かった
車高を下げたチューニングカー



インチアップ時はタイヤ選びも大事

外径を合わせるためには必然的に扁平率を落とすことになる。そうなるとタイヤのサイドウォールの高さが低くなる。すると当然乗り心地はハードな方向に行きがち。



サイドウォールが低くなることでハンドル操作に対してクルマの動きがシャープになるメリットもあるが、乗り心地的には基本的に厳しくなる。インチ数やサイズにもよるが、扁平率が40以下になってくるとややハードに感じやすいだろう。



そんな低扁平率の大径タイヤは往々にして高価だ。インチアップするとほぼ間違いなくタイヤの価格も高くなるのでランニングコストも高くなってしまう。



クルマイジリのド定番「インチアップ」! カッコイイけどじつは「デメリット」がもの凄く多かった
インチアップしたホイールを履いたクルマ



ホイールも大きくなるので、アルミであってもやはり重くなる傾向にある。そのデメリットも見逃せない。純正ホイールは重めなので、そこからインチアップして軽量アルミホイールにすればまだ良いが、ドレスアップ系のホイールだったり、スポーツ系ホイールからのインチアップだとホイールとタイヤの合計重量も重くなってしまうことが多い。



そうなるとバネ下重量の増加で足まわりの動きが悪くなる。さらに、タイヤとホイールがまわり出すとき、止めようとするときの回転慣性が増えるので加減速性能も悪化する。



クルマイジリのド定番「インチアップ」! カッコイイけどじつは「デメリット」がもの凄く多かった
社外ホイールを装着したカスタムカーの走行写真



ほかにも、インチアップしたせいでブレーキローターが小さくスカスカに見えてカッコ悪いとか、さまざまなデメリットはあるが、それでも大径ホイールだけが持つ雰囲気やスタイリングは魅力的。



タイヤ外径に気を配り、乗り心地の悪化はサスペンションセッティングやアライメント調整で合わせ込めば多少のデメリットは消すことができる。そういったトータルでの合わせ込みでインチアップを楽しんでもらいたい。

編集部おすすめ