この記事をまとめると
■三菱が新型トライトンを発表



■フレーム、エンジンなどを新開発としている



■2024年の初めごろに日本への導入も予定されている



待望の新型ピックアップトラックをついに発表!

国内メーカーにおいて、4WDがメーカーの代名詞的扱いになっているのが三菱だろう。実際に、S-AWCといった最先端の4WDはフラッグシップのアウトランダーPHEVをはじめ、エクリプスクロスPHEVなどにも搭載され、業界からも高い評価を得ている。



また、唯一無二の個性を持つミニバン、デリカD:5や、先日販売がスタートして話題となったデリカミニなど、個性豊かなクルマもラインアップする。



そんな三菱は、ここ1年ほど日本国内で「トライトンが出るのでは?」とずっと噂されていた。トライトンとは、タイなどのアジア圏などで大人気なピックアップトラックである。最近は、復活した名門ワークス「ラリーアート」が、トライトンを使ってラリーに挑戦し、優勝したニュースも話題となった。



そのトライトンが、ついにフルモデルチェンジを敢行、新型が発表された。同時に、なんと日本への導入も正式に決まったのだ。ちなみに、トライトンはかつて日本で販売されていたので、日本市場へは約12年ぶりの再導入だ。では、どんなクルマなのか詳しく見ていこう。



噂されていた新型ピアックアップトラックがついに日本にも導入さ...の画像はこちら >>



今回のトライトンは約9年ぶりのフルモデルチェンジで6代目となる。「Power for Adventure」という商品コンセプトのもとで開発が進められており、内外装デザインからシャシー、ラダーフレーム、エンジンなどを一新している。しかし、ただのビジネスユースメインなピックアップトラックではなく、日常使いも便利にこなせるよう工夫されているとのこと。この新開発のラダーフレームは、従来型から断面積を65%増やし、曲げ剛性60%、ねじり剛性40%の強化がされている。



ボディタイプはSUVの快適性とトラックの実用性を兼ね備えた2列シートのダブルキャブ、1列シートのベーシックなシングルキャブ、そしてフロントシート後ろに荷室スペースを設けることでリクライニングも可能なクラブキャブと、用途に応じた3タイプのボディを設定。

ライフスタイルに合わせた選択が可能だ。日本国内で展開されているピックアップトラック「トヨタ・ハイラックス」「ジープ・グラディエーター」といったモデルは、ボディタイプを複数用意していないので、ここは大きな強みになるはずだ。



噂されていた新型ピアックアップトラックがついに日本にも導入される! 三菱がタイで新型トライトンを発表
三菱新型トライトン



エンジンは、新開発の2.4リッタークリーンディーゼルターボエンジンを採用。この4N16型クリーンディーゼルエンジンは、用途に応じた3種類の出力の異なる仕様を用意。高出力仕様のエンジンには新型ターボチャージャーと新燃焼システムを採用し、150kWの最高出力と470 N・mの最大トルクを約1500rpmからフラットに発生し、実用域での応答性に優れたトルクフルな走行が可能だという。標準仕様では最高出力135kW/最大トルク430N・mと、最高出力110 kW /最大トルク330N・mの2仕様のエンジンを設定し、いずれもタービン容量を可変制御するVGターボチャージャーを採用しているのが特徴だ。



噂されていた新型ピアックアップトラックがついに日本にも導入される! 三菱がタイで新型トライトンを発表
三菱新型トライトンエンジン



ミッションは、スポーツモード付き6速オートマチックトランスミッションと、シフトレバーをワイヤー式とすることでエンジンから直接伝わる振動を低減して快適性を向上したという6速マニュアルトランスミッションを設定する。



使い勝手のよさと高いパフォーマンスを両立

ラダーフレーム、サスペンションなど、主要コンポーネントは今回独自で新開発し、スーパーセレクト4WD-IIシステムには、看板技術でもある電子制御のアクティブヨーコントロール「AYC」を組み合わせ、ドライブモードをアップデートするなど、走行性能を大幅に強化。また、いまの時代には欠かせないレーダークルーズコントロールシステム「ACC」をはじめとする最新の安全装備や、コネクティッド技術を用いたエマージェンシーサービスなども投入。ハード面だけでなくソフト面でも安全性、快適性を大幅に向上し、商用車感丸出しなピックアップトラックとは思えない装備としている。



噂されていた新型ピアックアップトラックがついに日本にも導入される! 三菱がタイで新型トライトンを発表
三菱新型トライトンフレーム



先述の4WDシステムは、走行中にダイヤル式のセレクターで簡単に4WDモードを変更することができるのが特徴で、前40%、後60%に駆動力を配分し、トラクション性能とコーナリング性能を両立するトルク感応式LSDを備えた三菱自動車独自のスーパーセレクト4WD-IIと、イージーセレクト4WDを引き続き採用。



この「スーパーセレクト4WD-Ⅱ」は、後輪駆動の「2H」、フルタイム4WDの「4H」、センターディファレンシャル直結の「4HLc」、さらによりローギヤの「4LLc」の4種類が選択可能となっている。

ドライブモードは従来車のオフロード4モードから、オンロードも含めた7モードに増加。すべての4WDモードに設定されている「NORMAL」モードをはじめ、2Hには経済性を重視した「ECO」、4Hに「GRAVEL(未舗装路)」と「SNOW(氷雪路)」、4HLcにトラクション性能を引き出す「MUD(泥濘)」と「SAND(砂地)」、4LLcには「ROCK(岩場)」モードが用意される。



噂されていた新型ピアックアップトラックがついに日本にも導入される! 三菱がタイで新型トライトンを発表
三菱新型トライトン4WDシステム



後者の「イージーセレクト4WD」搭載車の4WDモードは、後輪駆動の「2H」、センターディファレンシャル直結の「4H」、よりローギヤの「4L」が選べる。



サスペンションは、フロントにダブルウィッシュボーン式を踏襲。4WD及び2WDのハイライダーのアッパーアーム取り付け部を上方に移動し、ストロークを20mm増やして接地性・乗り心地を向上したハイマウントタイプとしている。リヤサスペンションは強度を維持しながら軽量化したリーフスプリング式を採用。ショックアブソーバーは大型化し、乗り心地にも優れる。



ちなみに、最小回転半径も極力抑える設計を取り入れているので取りまわしにも優れる。なお、高出力仕様エンジン搭載車には電動パワーステアリングを新たに採用する。



噂されていた新型ピアックアップトラックがついに日本にも導入される! 三菱がタイで新型トライトンを発表
三菱新型トライトン走り



新型トライトンのデザインコンセプトは「BEAST MODE(勇猛果敢)」とし、すかっりお馴染みとなったダイナミックシールドを採用しながら、3連のL字型LEDランプを配したデイタイムランニングランプは猛禽類を思わせる眼光鋭い造形とし、その下に立体的な3眼プロジェクター式のヘッドライトを組み合わせることで、圧倒的な存在感と逞しさを感じさせるデザインとしている。



また、大型化して握りやすく耐久性を高めたドアハンドルを採用しているほか、幅を広げて水はけを良くしたサイドステップなども採用。各所に機能的なデザインを採り入れつつ、実用性が大幅に向上している。



インテリアでは、走行時の車体姿勢の変化をつかみやすい水平基調で力強い造形の「HORIZONTAL AXIS(ホリゾンタル・アクシス)」コンセプトを進化させたインストルメントパネルを採用。プロフェッショナルユースを意識し、乗員を保護するためにソフトパットを要所に採用し、実用性の高さを確保しているのも特徴だ。



噂されていた新型ピアックアップトラックがついに日本にも導入される! 三菱がタイで新型トライトンを発表
三菱新型トライトンインパネ



モニターやメーター、コントラストをつけたスイッチ類は視認性にこだわり、セレクター、ダイヤル、スイッチ類は手袋をしたままでも確実に操作ができるよう程よい節度感を実現。ステアリングホイール、グリップ、ドアハンドル類は握り心地や逞しさを追求するなど、「MITSUBISHI TOUCH(三菱タッチ)」という考え方に基づいてデザインされている。



ユーティリティは、6AT車及び6MT車のフロアコンソールに大型カップがふたつ収まるカップホルダー、コンソールボックスには600mlのペットボトルが4本収納可能となっている。5MT車は形状を工夫し、カップホルダーとしてだけでなく、タブレットやファイルが置けるように工夫するなどプロユースを意識した作りを採用。グローブボックスやスマートフォンホルダーなどの小物入れは手袋をしたままでも操作しやすいよう余裕をもったサイズとし、電子機器の充電用としてインストルメントパネルとセンターコンソールにタイプAとタイプCのUSBを採用、インストルメントパネルセンター下部にはスマートフォンのワイヤレスチャージャーも装備されている。商用利用も想定しているピックアップトラックならではの工夫が満載だが、これらの機能は一般ユーザーにも大きな武器となることだろう。



噂されていた新型ピアックアップトラックがついに日本にも導入される! 三菱がタイで新型トライトンを発表
三菱新型トライトンシート



ピックアップトラックの代名詞であるカーゴベッドは大型化することで、ベッドライナー装着状態でもユーロパレット積載にも対応したほか、従来モデルに比べて荷台高を45mm低い820mmとし、さらにバンパーコーナー上面の面積を拡大。フレームで補強、足を乗せるスペースとして使用可能とするなど実用性を向上させている。



そのほか、メンテナンス性の向上を目的として、アンダーカバーの脱着なしにエンジンオイルの交換を行う事ができるようにドレーンボルトの位置を変更しているほか、アタッチメントなしでガレージジャッキが使用できるようサービスホールを拡大(4WD/2WDハイライダー)。また6MT車はギヤオイルの交換を不要にするなどメンテナンスフリー化も進めている。



何から何まで新しくなった新生トライトン。日本導入は2024年初頭とのことなので、タフなマシンを探していたユーザーは正式販売までもう少し待ってもいいかもしれない。

編集部おすすめ