この記事をまとめると
■2023年10月の登録車/軽自動車の新車販売台数が発表された■トヨタは新システム導入により納期遅延の解消が進みつつある
■ダイハツ全体の売り上げは好調だが、前年比でみると100%に到達していない
新車の売り上げが昨年の同時期よりも好調に!
毎年10月はその前月となる9月が事業年度(4月から翌年3月)締めでの上半期末決算セールのため、その煽りを食う形で新車販売実績はあまり良くないのが一般的。半期決算の実績に計上するために、かなり9月に無理して販売促進活動を行うあまり、10月受注予定分を食ってしまうことも多くなってしまうのである。
そんなことを考えながら、自販連(日本自動車販売協会連合会)にて登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)にて軽自動車、それぞれの2023年10月単月の新車販売台数をみると、登録乗用車が21万4683台(前年比115.3%)、軽四輪乗用車が11万9802台(前年比109.3%)となった。
登録車では、普通乗用車が前年比130.7%と際立った伸びを見せている。2022年10月は、半導体不足などによる納期遅延がまだ深刻な時期だっただけに、そこから比べると明らかに回復基調にあることを統計からも見ることができるだろう。とくにトヨタ以外のメーカーでの復調傾向が目立っているのだが、それでもトヨタであっても2022年に比べれば明らかに状況は改善されている。
トヨタは生産状況の改善が進み、いままで貯めたバックオーダーを消化するスピードが速まってきた。新たな管理システムの導入も進んでおり、「いつになったらクルマがくるのかわからない」という状況は脱しつつあるようだ。
ダイハツがブランド別販売台数で圧勝! しかし……
軽自動車ではダイハツがブランド別販売台数で2位のスズキに8000台弱差をつけ圧勝パターンでトップになっている。軽四輪乗用車では1700台ほどの差でダイハツがトップとなっており、軽四輪貨物車では6000台弱ほど大差をつけてダイハツがトップとなっている状況だ。つまり、軽四輪貨物車での大差が軽四輪車総台数でダイハツをトップへ導いているということになる。

ダイハツは不正問題もあり、登録車では量販車のロッキーの販売がほとんど止まっていたなか、10月中旬にはeスマートモデルのバックオーダー分(eスマートは新規受注停止中だった)についての受注取り消し、そしてガソリン車も新規受注停止となり、事実上現行車は終売になるのではないかといわれている。

そのため、軽自動車販売にさらに主力を置かなければならないのだが、ブランド別販売台数では圧勝と言いながらも、前年比でみると100%に到達していない。
前年比でみると、ダイハツは総台数でも軽四輪乗用車、軽四輪貨物でも100%超えはしていないのだ。2022年10月の販売統計をみると、ダイハツは2021年10月比185.5%という群を抜いた回復を見せていた。
やはり軽四輪乗用車では不正問題が販売に影響を与えているというのは否定できない。軽四輪貨物車もまったく影響がないわけでもないだろうが、乗用車ほど影響はないので、気合いを入れて販売したようである。
ただ、今回の不正問題もあり、ムーヴのモデルチェンジがいつまで延期になるのかと言う不安の声も聞かれるようになっている。

ダイハツの軽自動車が売れているとはいえ、届け出済み未使用軽中古車店にはダイハツ軽自動車が溢れている。
不安要素を多く抱えながらダイハツは2023年も暦年締めブランド別年間販売台数トップを確実なものにしようと動き出しているようにも見えるが、頼みの綱は自社届け出(ディーラー名義などでナンバープレートだけつけること)による販売台数の積み増しになるものと考えられる。当分届け出済み未使用軽中古車では、ダイハツ車が目立つことになりそうだ。