この記事をまとめると
■多くのクルマのフロントウインドウにはルームミラー付近に黒いドットが配されている



■黒いドットはルームミラーに目をやったときに太陽光が入ってきて眩しくないようにするためのもの



■黒い部分の素材はセラミックでフロントウインドウガラスに焼き付けられている



ルームミラーを見るときに太陽光が目に入るのを防ぐ

すべてのクルマというわけではありませんが、けっこう多くのクルマにおいて、ルームミラー付近のガラスエリアに黒いドットが配されていることがあります。



せっかく愛車のガラスをきれいに拭きあげたのに、なんだか汚れのような黒いドットがあるのは気になるという方もいるかもしれません。



しかし、この黒い粒々は単なる飾りでもなければ、製造工程で生まれてしまったバグのようなものでもありません。

立派な役割を担っている機能部位です。



その機能とは、後方確認しようとルームミラーに目をやったときに、すき間部分から太陽光が入ってきて眩しくないようにするというものです。そのため、黒いドット部分には「センターバイザー」という名称が与えられていることもあります。



クルマのフロントガラスの「黒いつぶつぶ」って単なる模様? じ...の画像はこちら >>



それだけ大事な機能部位ですから耐久性についても考慮されています。



黒い部分の素材はセラミックで、フロントウィンドウガラスにおいて焼き付けられているのです。そのため経年劣化で剝がれてしまうようなことはありません。



クルマのフロントガラスの「黒いつぶつぶ」って単なる模様? じつは重要な役割の「ドット柄」の正体とは
自動車のフロントウィンドウにある黒いドット



ただし、後付けセンターバイザーとして黒ドットを模したデカールなどが販売されていたこともありました。そうしたデカールについては古くなってくると徐々に剥がれてしまうこともあるようです。



フロントウィンドウの黒枠は接着剤の劣化を防ぐ

また、フロントウィンドウのガラスを外から見ると黒い縁取りがあることが確認できます。これも、黒いドットと同じく製造工程においてガラスに焼き付けられたセラミックです。



クルマのフロントガラスの「黒いつぶつぶ」って単なる模様? じつは重要な役割の「ドット柄」の正体とは
クルマのフロントウィンドウにある黒ドットは防眩のための重要な機能装備だった



こちらはガラスを取り付ける接着材を直射日光から守ることが目的です。日光に含まれる紫外線などによって接着剤が劣化するのを防ぐ、立派な機能を与えられた部位なのです。



黒い色のセラミックを使っているということで、自動車業界の関係者には黒い縁どりやセンターバイザーのことを「黒セラ」と呼んでいる人もいます。



ただし、文脈によってセンターバイザーを指しているのか、縁どり部分を指しているか、はたまたすべてをまとめて「黒セラ」と呼んでいるのか判断するのは難しいですから、我々アマチュアが通ぶって「黒セラ」という言葉を使うのはやめておいたほうが賢明でしょう。



クルマのフロントガラスの「黒いつぶつぶ」って単なる模様? じつは重要な役割の「ドット柄」の正体とは
自動車のフロントウィンドウガラス



なお、最近は見かけなくなりましたが、かつてはセンターバイザー付近に車検シールを貼る目安となるようシールのサイズでドットのないエリアを用意している場合もありました。



ご存じのように車検シールを貼る位置は、ルームミラーの裏側あたりから、「運転者席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置(前方かつ運転者席から見やすい位置)」へ変更されています(2023年7月3日より)。



クルマのフロントガラスの「黒いつぶつぶ」って単なる模様? じつは重要な役割の「ドット柄」の正体とは
自動車の車検シールがフロントウィンドウガラスの端に貼られている写真



そうしたクルマでは、センターバイザー部分に車検シールサイズの空白エリアが生まれてしまい、ちょっと間抜けな感じになってしまうかもしれませんね。

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