この記事をまとめると
■ダッシュボードなどの内装は紫外線や熱(暑さ)によって劣化しやすい



■市販のケミカル類を使ったり塗装や社外パーツを使うと手軽にリメイクできる



■新品パーツが出るようなクルマであればいっそのこと交換してしまうのもオススメだ



ボロくなった内装はどうすればリメイクできる?

長く同じクルマに乗っていると、いろんな場所にヤレが見え始めてきます。たとえばヘッドライトの曇り、たとえばルーフの日焼けや色あせ、黒い樹脂やゴムの部品にツヤが無くなって白っぽくなったりもしますね。



そして、ヤレが出始めてくるのは内装も同じです。

ダッシュボードの上面が日焼けで色あせていたり、ツヤがなくなってきたり、ひどい場合は硬化してひび割れたりする場合もあります。あるいはよく触れる場所が摩耗してシボが消え、ツルツルになってしまうこともあるでしょう。



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乗り替えられればいちばんラクですが、愛着があってまだまだ乗りたいという場合は補修してキレイにリフレッシュしてあげたくなります。



ここでは、部品交換という大がかりな作業をなるべくしないで、できるだけヤレが目立たないようにリフレッシュできる方法を探ってみたいと思います。週末にDIYで愛車の整備を考えている人は、いっしょに作業プランを検討してみてください。



■その1:つや出しケミカルを使ってみる

内装パネルがヤレてきたなと感じるいちばんの要素は、色が褪せてツヤがなくなってきた状態です。



この色あせやツヤがなくなる原因は樹脂の劣化でしょう。樹脂はサビたり腐食したりはしませんが、紫外線に長時間当たり続けると表面から劣化が始まりますし、真夏の強烈な日差しによって室内が高温になると、樹脂の組成が緩んで劣化を招きやすい状態になってしまいます。



こういった紫外線や熱などの刺激を長い間受けていると、樹脂の表面から劣化が始まり、その結果ツヤが無くなったり色が褪せたりしてしまうのです。



気がつけばクルマの室内がみすぼらしい! 外観は再塗装にワックスにコーティングと色々あるけど内装のボロさはどう修復すればいい?
ダッシュボード



人間でたとえると、歳を取って皮膚のうるおいが減っていき、冬場などの乾燥する時期に表面がカサカサになってしまうのと似ています。皮膚ならハンドクリームや化粧水などでうるおいを補充してあげればある程度は元のうるおいのある状態に戻せます。



それと同じことをクルマの部品で行えるのが「光沢復活剤」などと呼ばれるケミカルです。



じつはこの方法はけっこう昔からありました。

「アーマーオール」という名前に馴染みがあるという人は50代以上でしょうか。樹脂や合成皮革の色あせに、シュッと吹いて拭き取ればツヤが復活するということで、昭和の時代はクルマに1本おいている人をけっこう見かけました。



いまではさまざまなメーカーから同様の製品が販売されているようで、製品によってその成分は異なりいろいろあるようですが、基本的な仕組みは、樹脂表面の劣化してカサカサになった部分に、シリコンや油分などの“うるおい”成分を浸透させることで、樹脂の表面のカサカサに毛羽立った状態を平滑に均してつるつるな状態にしてくれるというものです。皮膚に付けるハンドクリームとやっていることは同じと言えますね。



施工の手間としては、表面のほこりや汚れをサッと落としてから溶液を塗り込むだけとカンタンですので、気になったときにすぐ作業できますし、時間的にも1カ所30分もかからないでしょう。



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ドアトリムの手入れ



ちなみに、樹脂部分専用のケミカルのほか、タイヤ用のつや出しケミカルも同様の効果があるという話もありますので、もしタイヤのつや出し剤が余っているなら試してみるのもアリですね。



欠点はそのツヤが戻った状態が長期間持続しないということです。この点も人間の皮膚と同じで、溶液が染みこんで留まっているときはツヤがキープされていますが、その溶液が蒸発したり、表面から深部に染みこんでしまったりすると、再びツヤが無いカサカサ状態に戻ってしまうんです。



まあ、それほど手間はかからないので、カサカサが気になってきたらまた溶液を塗り込んであげればいいのですが、そうこうしているうちに「ああ、劣化してしまうと完全には元に戻せないんだな……」という現実に気付かされてしまいます。



■その2:塗装してみる

この方法を行うのは少し面倒です。まわりに塗料が付着しないように、施工する部分を取り外すか、塗らない部分をマスキングして隠さないとなりません。なので、作業時間がそれなりにかかりますし、塗装するスペースの確保も必要になります。その代わり、いちど施工すれば表面は塗料で覆われて、ある意味新品の状態にできるので、その状態は長い期間持続できるという利点があります。



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内装の塗装イメージ



塗料は「染めQ」を代表とする樹脂および合成皮革専用のものがオススメです。ボディ用のスプレー塗料や汎用のラッカースプレーは手軽に入手できてコスパも良いですが、それらの塗料は硬い鉄板などに塗るためのものなので、塗料自体も硬くなる特性のものが多く、柔らかい樹脂部や合成皮革に塗ると、弾力でたわんだり曲がったりしたときにひび割れてしまうことがあります。



その点、専用の塗料は樹脂や合成皮革に定着しやすく、曲げにも強くできているので安心です。ものによってはシートに塗装してもひび割れたり剥がれたりせずに長期間キープできたという話も聞いたことがあります。



難点は、先に述べたように施工に手間がかかるということと、色があまり多くは選べないという点です。内装色で問題になるのはグレー系の色でしょう。グレーは中間色なので明るいものから暗いものまでけっこうバラ付きがあり、似たような色というレベルで選んだけど塗ってみたらけっこう違った、なんてことも大いにあり得ます。いっそのこと思い切って別系統の色に塗り替えてしまうのも手かもしれません。



素材ごと変えてしまうのも手!

■その3:パーツやラッピングフィルムで覆ってしまう

こちらもDIYのスキルがある程度ないと厳しいかもしれませんが、表面を新しいフィルムでカバーしてしまうので、見た感じは新品のようにリフレッシュできますし、塗装のようにバラして外したりマスキングしたりする必要がなく、やや手間が軽くて済みます。



そしていちばんのメリットは、いろんな素材が選べるという点でしょう。



無地のものではカッティングシートのようなソリッドカラーを基本に、金/銀などのメタリックカラーが選べるものもあります。また、いろんなマテリアルを模した表面処理のものもあります。

たとえばカーボン調などは人気の高いマテリアルですね。ほかにもヘアライン調や木目調、内装によく使われるシボ処理に似たものもあるようです。



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木目調パネル



そして、個人的にオススメしたいのはフェイクレザーのシートです。これは合成皮革のような素材感のシートで、新しく出たものは伸縮性があり、粘着付きのものもあるので、けっこう手軽に施工できると思います。



素材はツヤのある合成皮革っぽいものから、いえゆるスエード調という、しっとりとした手触りのバックスキンタイプもあり、高級感も出せるというのはポイント高いと思います。レザーに似た質感のため、内装の素材との相性が良いのもメリットでしょう。



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スウェード内装



難点としては価格が高いことが挙げられます。内装の主な箇所をカバーしようとするとけっこうな面積が必要になるので、シートの価格だけで数万円かかってしまう場合もあります。



お手軽なものから、手間や費用はかかるけど本格的なリフレッシュが味わえるものまで紹介してみましたが、いかがでしょうか?



実際にはもうひとつ、予算にもよりますしまだ部品が出る新しめの車種に限りますが、新品パーツと交換してしまうという方法も選ぶことができます。あとどれだけ乗るか、あるいは手間をかけてもリフレッシュしてあげたいかなどを検討して、お好みの方法を選んでください。

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