この記事をまとめると
■珍しい走行モードが設定されているクルマを5つ紹介



■サーキット専用や悪路専用といったクルマの個性を生かしているケースが多い



■いつ使うかわからないようなユニークな機能を備えている例もある



調べると奥が深い「走行モード」の世界

最近のクルマは、誰が運転してもある程度うまく走れる、なんて話がよく聞かれるようになりました。やはり電子制御技術の進化がそういわれる所以となっていますが、象徴的なもののひとつが「走行モード」ではないでしょうか。



スイッチを押したり、ダイヤルで切り替えるだけで、1台のクルマがまるで別のクルマのように、まったく異なる走り方をするようになります。

「エコモード」なら勝手に燃費よく走ってくれたり、「スポーツモード」ならアクセルの反応が俊敏になったり、高回転を保って走ってくれたり。「スノーモード」では穏やかな発進加速をサポートしてくれるので、安心して運転することができます。



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それだけではありません。なかにはちょっとびっくりするようなモードや、普通の人は「いつ使うの?」と首を傾げてしまうようなモードがあるクルマも。今回はそんな、珍しい走行モードがあるモデルをピックアップしてみました。



1台目は、とうとう最後のモデルとなることが発表された、ルノーのスポーツモデルであるメガーヌR.S.(ルノー・スポール)トロフィー。

F1をはじめとするモータースポーツへの挑戦を続けてきた、ルノーのエキスパートエンジニアで構成された特別チームが開発した1.8リッターターボエンジンを搭載し、量産モデルでありながらモータースポーツの最新技術が惜しみなく注がれ、サーキット走行にも対応するハッチバックモデルです。



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ルノー・メガーヌR.S.トロフィー(4代目)



ホンダ・シビックタイプRと、常にニュルブルクリンクサーキットでFF最速モデルをかけた戦いを繰り広げているクルマとしても、知られていますね。



そんなメガーヌR.S.には、本気を出すときに押す「レースモード」があるんです。トランスミッションのギヤシフトプログラムとシフト時間、アクセルペダルとエンジン回転数に関する制御プログラムが変更され、ESC(横滑り防止装置)はキャンセル。パワステの制御モードも連動して変化します。さらに、停止状態から最大の加速力で発進するためのローンチコントロールも使用可能。



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ルノー・メガーヌR.S.トロフィーのレースモード



ブレーキペダルを踏んだまま、アクセルを床いっぱいまで踏み込むと、エンジン回転数が3000rpmに保持されます。そこからブレーキペダルを放し、最高のロケットダッシュが叶うというものです。



2台目は、エンジンを発電専用に搭載し、100%モーター走行をする「e-POWER」を採用した日産のモデルのなかで、最速モデルと言われているノートオーラNISMO。ニスモといえば、GT-Rをはじめとして日産のモータースポーツ活動を担ってきたレーシング集団ですが、なんとこのノートオーラNISMOの開発にも、GT-R NISMOの開発メンバーが入っていたというから、その本気度が伝わってきます。



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日産ノートオーラNISMO



それは走行モードにも表れていて、通常のノートオーラではスポーツモード、ノーマルモード、エコモードとなっていたところが、スポーツモードの代わりにNISMOモードがあるではないですか。しかも、ノーマルでもエコでもノートオーラNISMO専用チューニングになっていて、エコモードにしてみてもまったく抑えられている感覚がないほど。



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日産ノートオーラNISMOの「NISMOモード」



NISMOモードでは、量産コンパクトカーとは思えないほど、ガツンと鋭い加速力を見せ、最大加速に達したあとも伸びていく感覚が爽快です。スポーツモードよりも、アクセルオフ時の減速力を弱くしているため、ブレーキペダルの操作を駆使したスポーティな走り方ができるようになっているのも、走る楽しさをわかっているなと感じるところです。



オーバースペックなところにロマンあり!

3台目は、テスラのモデルXやモデル3などに搭載されている、「対生物兵器モード」。なにやら物々しいイメージの名前ですが、テスラにとって安全と同じくらいオーナーの健康を守ることが大事、という考え方のもとで開発されたものだそう。



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テスラモデルX



病院やクリーンルーム、宇宙産業で使われている空気濾過システムに着想を得て、花粉やバクテリア、汚染物がキャビンに侵入するのを防ぎ、完全に除去することが可能なHEPAフィルトレーションシステムを開発。外でなにが起こっていようとも、ドライバーや同乗者に清潔な空気を提供できるようにしています。



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テスラのHEPAフィルター



テスラによる実験では、軍事レベルの生物兵器による攻撃からも、乗員を守ることが可能とのこと。花粉症の人がこのモードを使うと、ものの数分でくしゃみや鼻水が止まるというのも納得です。



4台目は、スタイリッシュに生まれ変わっても、さらに悪路走破性を高めてきたことでツウを唸らせた、ランドローバー・ディフェンダーの渡河モード、ウェイドプログラム。



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ディフェンダー90



世界で初めて、パワートレイン、ステアリング、ディファレンシャル、トラクションコントロールを個別に設定できるようになった、テレインレスポンスという走行モードシステムが搭載されており、そのなかのウェイドプログラムを起動すると、電子制御エアサスペンションで車高が上昇。最大で標準からプラス145mmまで高くなるのですが、3Dサウンドカメラとドアミラーの超音波センサーによって、水深900mmまで渡ることが可能だというから驚きです。



ランクルやジープでも700mm台なので、圧倒的なタフさを見せつけてくれます。



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ランドローバー・ディフェンダー(2代目)ウェイドプログラム



5台目は、EVとなって復活したハマーに搭載されている、クラブウォークモード。ボディは相変わらず大きく、バッテリーの重さで車両重量はなんと4トンにもなる一方で、0-100km/h加速は3.2秒というスーパーカー級の速さを実現しています。



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GMCハマー



大きなボディゆえ、取りまわしに苦労する場面も多いはずですが、EVになったハマーには秘策がありました。それがクラブウォークモードで、クラブとは踊る方のクラブではなく、「カニ」のクラブ。最大10度という後輪舵角が与えられたことで、低速時に斜め方向へカニが歩くように移動することができるのです。



これがあれば、狭い曲がり角で切り返しをせずにすり抜けることができたり、斜面を横方向に走るキャンバー走行の際に姿勢を安定させることができるようです。



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GMCハマーのクラブウォークモード



ということで、普段から役に立ちそうなものもあれば、一生使わないかもしれないものまで、さまざまな走行モードをご紹介しました。今度はどんなユニークなモードが出てくるのか、楽しみですね。