この記事をまとめると
■富士24時間レースにてスバルが新型モデル「HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT」を公開■今後スバルはHIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPTでST-Qクラスに参戦する
■デビューは7月27~28日に開催の第3戦オートポリスを予定
スバルがニューマシンを富士24時間レースで発表
スーパー耐久シリーズ第2戦、富士24時間レースが5月24~26日、富士スピードウェイで開催。このレースウィークにおいて、さまざまなプレスカンファレンスが行われていたが、なかでも注目を集めていたのが、5月25日にスバルブースで発表された新型モデル「HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT」だ。
ご存じのとおり、スバルは2022年に社内チーム「Team SDA Engineering」を結成し、2ドアFRクーペのBRZをベースにカーボンニュートラル燃料(CNF)を利用したTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptでスーパー耐久のST-Qクラスに参戦してきたが、ついに主力モデルをスイッチ。
4ドアセダンがベースになっていることから、ファンの間では「WRX S4がベースになっているのでは?」と予想されていたが、会見に参加したTeam SDA Engineeringのチーム代表、本井雅人氏によれば、「WRXの皮を被った車両といったほうがいいですね」と語る。

その一方で、本井代表は「パフォーマンスXのXはWRXのXと同じだと思っています。“特別に期待できるもの”というような意味でのXです」とのこと。さらに、「ハイパフォーマンスについては、エンジンがハイパフォーマンスで、駆動系もハイパフォーマンス、さらに車両全体もハイパフォーマンス。それだけでなく、関わっているエンジニアやドライバーすべてが“ハイパフォーマンスな未来に向けて”という意味を込めて“フューチャー・コンセプト”と名付けています」とのことで、“次期WRX”に繋がる技術開発が行われることになりそうだ。
新型モデルの走りと動向に要注目
かつてTOYOTA GAZOO RACINGは2014~2015年のニュルブルクリンク24時間レースに「LFA code X」を投入。LFAをベースに次期モデルの技術開発を行っていたが、おそらくHIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPTもWRX S4をベースにしながら、次期モデルに繋がる技術開発が行われることになるのだろう。

同モデルのターゲットは引き続きST-Qクラスで、エンジンは2400ccのターボユニットを搭載。当然、使用燃料はCNFで「カーボンニュートラルへのチャレンジはNA(自然吸気)よりターボのほうが圧倒的にハードルは高い。それに環境規制や排ガス規制などでも難しい技術的課題がありますが、それを諦めずに“スバルといえばターボ”をお客さまにお届けしたい」と本井代表は語る。
ちなみに現在、全日本ラリー選手権のJN1クラスには新井敏弘選手がWRX S4で参戦しているが、スバルは全日本ラリーにもエンジニアを派遣して開発を行なっているようで、本井代表は「新井選手とじつは同じ年齢ということもあるんですけど、せっかく新井選手がラリー活動をやっているので、こちらでもエンジン開発を行っています」と語る。

駆動系に関しても「現在、世に出ている技術に近いもの」とのことで、ノーマルに近い仕様のようだが、今後はAWDの制御を含めて開発を行っていく予定で、「これからスバルが出していくZEV(電気自動車)についても、この定義が活きるような技術を開発していきたい」とのとこ。
このスバルの新型モデル、HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPTのデビュー戦は7月27~28日に開催される第3戦のオートポリスになる予定。ST-Qクラスはもちろんのこと、ST-2クラスの4WDターボ車両との比較も気になるポイントとなるだけに、新型モデルがどのような走りを見せるのか、その動向に注目したい。