この記事をまとめると
■レクサスのフラッグシップSUVであるLXがマイナーチェンジ■基本素性の向上によりレクサスならではの走り味をさらに追求
■LX史上初のハイブリッドモデル「LX700h」を新設定
「世界中のどんな道でも楽に・上質に」がコンセプト
レクサスLXは、世界50カ国以上で愛され、日本でも大人気を誇るレクサスのフラッグシップSUVである。国内ではその人気のあまり現行モデルが発売された瞬間に受注が殺到し、一時は納車まで4年待ちと囁かれたほど。そんなLXがマイナーチェンジを果たした。
今回の新型LXの目玉は、やはりLX史上初というハイブリッドモデルの設定だろう。じつは、レクサスでこれまで電動車が設定されていなかった車種はこのLXのみ。というのも、LXは信頼性、耐久性、悪路走破性が売りのモデル。求められる厳しい要件を満たしたハイブリッドモデルが、今回のマイナーチェンジで満を持して登場したというわけだ。
また、エンジンモデルを含めて、基本素性の向上によりレクサスならではの走りの味「Lexus Driving Signature」がさらなるレベルアップを果たし、安全装備についても同社最新の機能にアップデートされている。
まず気になるのは、やはり新設定されたハイブリッドモデル「LX700h」だろう。フルタイム4WD、Hi/Lo切り替え可能なトランスファー、トルコンATを電動化においても維持すべく、3.5リッターV6ツインターボエンジンと10速ATの間にクラッチを有するモータージェネレーターを配置した、まったく新しいパラレルハイブリッドシステムを採用している。
レクサスのラインアップではじめて"700"を冠したグレード名からも想像がつくように、大排気量ターボエンジンにモーターを組み合わせた走りは力強いことうけあいだ。
また、スターターモーターとオルタネーターが標準装備されているのも、このハイブリッドシステムの特徴だ。トラブル等によりシステムが停止した場合でも、スターターでのエンジン始動と、オルタネータで発電した電力を12V補器バッテリーへ供給することでエンジンのみでの退避走行を可能としており、万が一の際の信頼性も考えられた機構となっている。

悪路走破性という観点では、トランスファーがLoレンジの際でのモーター駆動をレクサスではじめて可能としたほか、マルチテレインセレクトの各モードと組み合わせ、繊細なアクセル操作が要求される場面ではモーターのみでの駆動も可能となるなど、高い走破性とコントロールのしやすさを両立している。
さらに、リヤフロアに鎮座するハイブリッドバッテリーには、上下に分割した防水トレイでパッキングする防水構造を採用。

ハイブリッドだけじゃない! 各種改良に新グレードも登場
ハイブリッドモデルばかりに目がいってしまいそうになるが、全モデルにおいて走りの質が向上していることを忘れてはならない。ラジエター周辺やインパネ内部ステアリング支持部などの剛性アップにより操縦性を大きく向上させたほか、伝統のラダーフレームとボディを結合するマウントクッションを刷新したことで、フレーム車特有の低周波振動がより一層低減された。
足まわりでは、電子制御サスペンションのアクチュエータバルブの構造が見直されており、突き上げ感を抑えたより滑らかな乗り心地を実現させている。

機能面に目を移すと、従来一部デジタルだったメーターが12.3インチのフル液晶メーターを採用。LX伝統の補器バッテリー電圧とエンジン油圧計はそのままに、近代的なルックスを得たとともに画面カスタマイズも充実した。
フロント席乗員の疲労軽減の一助とすべく、エアブラダー(空気袋)方式のリフレッシュシートを採用したのもトピックのひとつ。センターディスプレイから操作することで、全身2コース・部位別3コースの全5コースで身体の疲れを癒してくれる。
また、予防安全装備の「Lexus Safety System+」や運転支援技術「Lexus Teammate」も、最新のバージョンが盛り込まれている。

また、NXやGXといったレクサス他モデルで先行して採用されていた、オフロード・アウトドア色を強めた「OVERTRAIL」グレードが新設定されたこともトピックだ。
エクステリアではブラックアウトされたスピンドルグリルとマットグレー塗装アルミホイールをはじめとして、各パーツがブラック系でまとめられるとともに、専用色「ムーンデザート」を設定。インテリアも専用コーディネイトになる。
走りにかかわる専用装備は、スタック時の脱出性能などが高まる前後ディファレンシャルロック機能と、18インチの専用タイヤホイールとなっている。

価格等の詳細は現時点では未定。2024年末以降、順次各地域で販売とアナウンスされている。