この記事をまとめると
■日産がオートサロン2025に展示する2台のエクストレイルを公開した



■T33型アンワインドコンセプトとT32型リマスタードコンセプトはいずれも「Chill」がテーマ



■先代T32型リマスタードコンセプトは中古車カスタマイズ第3弾でもある



日産のエクストレイルは「Chill」がテーマのコンセプトカー

新春恒例となっている東のカスタムカーの祭典「東京オートサロン2025」が、2025年1月10日(金)から12日(日)までの3日間、幕張メッセで開催される。



西ホール2~3にブースを構える日産は、最新モデルのカスタムカーを中心に計10車種を展示予定。そのなかから今回は、現行T33型をベースにした「X-TRAIL unwind concept(エクストレイル・アンワインドコンセプト)」と、先代T32型をベースにした「X-TRAIL remastered concept(エクストレイル・リマスタードコンセプト)」の詳細が明らかになったのでお伝えしよう。



日常に疲れがちな現代人にこんなんどう? インドア趣味をアウト...の画像はこちら >>



この2台に共通する開発キーワードは「Chill」(チル)」。本来は「cold」ほどではない冷たさや肌寒さを意味する英語だが、スラングでは「まったりする」という意味合いになる。



T33アンワインドコンセプトにはランチリオ社監修のエスプレッソマシン、T32リマスタードコンセプトにはオーディオテクニカ社監修のアナログレコードプレイヤーなどを搭載。T33はe-POWERのAC100V電源より、T32は「ポータブルバッテリー from LEAF」より給電することにより、本来インドア向きの趣味をあえてアウトドアで「まったり」楽しむことを可能にしている。



日常に疲れがちな現代人にこんなんどう? インドア趣味をアウトドアで楽しむ2台の「Xトレイル」が楽しそう!!【東京オートサロン2025】
先代T32型日産エクストレイル・リマスタードコンセプトのラゲッジ



そして、両車のラゲッジルームに搭載された専用のイルミネーション付きラックは、T32リマスタードコンセプトが「2」、T33アンワインドコンセプトが「5」を描いた形状になっており、両車のデザインを担当した日産自動車グローバルデザイン本部の大野孝宏(おおのたかひろ)さんによれば、「西暦の下2桁をデザインに取り入れたもので、新年のご挨拶を意味している」とのこと。「2と5がまるで、ひとつの形が鏡に映ったように対照形に見せることで、2台がひとつのコンセプトに基づいてことを表現した」のだという。



日常に疲れがちな現代人にこんなんどう? インドア趣味をアウトドアで楽しむ2台の「Xトレイル」が楽しそう!!【東京オートサロン2025】
現行T33型日産エクストレイル・アンワインドコンセプトのラゲッジ



なお、このラックを写真で見た限りでは、バックドア開口部からの張り出しが大きく、「この状態でバックドアを開閉できるのだろうか?」と疑問を抱いたのだが、実車では問題なく開閉できたのを確認している。



両車の企画を担当した日産自動車グローバルアフターセールス コンバージョン&アクセサリー/サービスエンジニアリング事業本部の古川統文(ふるかわもとふみ)さんは、「2段式のラックはありそうでなく、キャラバンのような1BOXであればDIYで作る人がいるものの、SUV向けにはなかなかないので、新たな提案になると思う」とコメント。



実際に走行中にも搭載しようとすれば「耐荷重の確保や音・振動への対策が必要になる」そうだが、暗所で照明がほのかに光る点を含めてモダンなデザインが魅力的なこのラック、市販化をぜひ検討してほしい。



先代T32型は中古車カスタマイズの第3弾

エクステリアには、国内外の日産純正パーツや、JAOSのフェンダーガーニッシュ・ホイール・リフトアップサスペンション、トーヨーのオープンカントリーA/T3を装着しつつ、各所に「流行のマットブラックではなくやや色味をもたせた」(大野さん)専用の凹凸塗装を施工。



日常に疲れがちな現代人にこんなんどう? インドア趣味をアウトドアで楽しむ2台の「Xトレイル」が楽しそう!!【東京オートサロン2025】
現行T33型日産エクストレイル・アンワインドコンセプトのフロントスタイリング



また、T33はエスプレッソをイメージしたダークゴールド、T32は「周囲の自然と調和」(大野さん)するダークグリーン、「いずれも色相は同じで、ダークゴールドの明度を下げていくとダークグリーンになる」カラーを基調とし、「黄金比1:1.619の三角で構成されている波形のストライプを入れた」マットカラーのラッピングを施すことで、低コントラストなカラーデザインを構築している。



日常に疲れがちな現代人にこんなんどう? インドア趣味をアウトドアで楽しむ2台の「Xトレイル」が楽しそう!!【東京オートサロン2025】
先代T32型日産エクストレイル・リマスタードコンセプトのフロントスタイリング



その色味は奇しくもステルス性の高いミリタリーカラーであり、それ故に軍用車やそれをルーツとする本格オフローダーに通ずる力強さを感じさせる。

だが大野さんによれば、「そうした意図はまったくなく、周囲の自然に溶け込むという点で方向性が共通したことで偶然そうなった」のだそうだ。



そして、正弦波(サインカーブ)をモチーフにした曲面基調の明るいウッドで構成される、テラスを載せたトレーラーは、一見すると非現実的な装いだが、じつはそうではない。市販のトレーラーフレームをベースに製作され、重量は日本の普通免許で運転できる750kg以下に抑制。



日常に疲れがちな現代人にこんなんどう? インドア趣味をアウトドアで楽しむ2台の「Xトレイル」が楽しそう!!【東京オートサロン2025】
正弦波をモチーフにしたウッドテラスを載せたトレーラー



さらに、日本のナンバープレートを装着できる枠があり、その上のランプは赤(ブレーキ)や白(リバース)、オレンジ(ウィンカー)にも点灯可能とするなど、意外にもリアルさを外していない設計となっている。



今回出品される2台のエクストレイルはこのように、自動車メーカーのカスタマイズコンセプトカーらしく現実的な設計となっているのが見て取れる。



とくにT32リマスタードコンセプトは、2024年に奈良日産自動車から「CUBE Retro Renovation」(キューブ・レトロリノベーション)として20台限定で発売された「CUBE Refreshed & Retro CONCEPT」(キューブ・リフレッシュド&レトロコンセプト)や、2024年のオートサロンで発表された「MARCH Patissier CONCEPT」(マーチ・パティシエコンセプト)に続く、「中古車カスタマイズ第3弾」に位置付けられているだけに、コンプリートカーまたは各部品単体での市販化を期待せずにはいられない。

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