この記事をまとめると
■日本初のスペシャリティカーとして1970年に登場したトヨタ・セリカ



■北米市場で人気を獲得し、その後は世界ラリー選手権でも活躍して世界的に人気を博した



■豊田章男会長によって復活が明言されたことで次期モデル登場の期待が高まっている



登場してすぐに北米市場で人気を獲得

ラリージャパンの会場で豊田章男会長が復活することを明言したセリカ。現状ではどんなモデルになるのかなどは一切不明(というか未定)ということだが、ここで一度、歴代セリカがどんなモデルだったのか振り返ってみよう。



初代

1970年に登場した初代セリカは日本初のスペシャリティカーともいわれており、エンジン、ミッション、内装を自由に組み合わせることができる「フルチョイスシステム」を導入していた。



ただ、2T-Gと呼ばれるツインカムエンジンは1600GTと呼ばれる最上級グレードにのみ設定され、内外装も専用のものがおごられていた。



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2ドアクーペで登場したセリカだったが、1973年4月にはハッチゲートを備えた3ドアモデルの「リフトバック」が追加され、同時に2リッターエンジン搭載車も設定されている。



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トヨタ・セリカ リフトバック(初代)のフロントまわり



2代目

1977年8月に登場した2代目は、Bピラーレスだった初代からピラー付きのボディとなったが、これは初代が北米でも人気を集めたことからアメリカのデザインスタジオがデザインを手がけたことも影響しているといわれている。



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トヨタ・セリカ(2代目)のフロントまわり



1978年5月にはトヨタ車として初となるサンルーフを設定したほか、翌月には2代目セリカをベースに6気筒エンジンを搭載した「セリカXX」が登場。このモデルは北米地域におけるフェアレディZの対抗馬として投入されたもので、北米では「スープラ」として販売された。



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トヨタ・セリカ(2代目)のフロントまわり



3代目

3代目セリカは1981年7月に登場。当時の流行もあってか丸みを帯びたスタイルからシャープな造形へと生まれ変わり、ヘッドライトはスラントしたノーズに埋め込まれ、点灯時に起き上がるポップアップ式が採用された。



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トヨタ・セリカ(3代目、MC前)の走行写真



1982年9月には1.8リッターツインカムターボエンジンを搭載するGT-T系グレードが追加され、翌月にはGT-TをベースにグループBに参戦するためのホモロゲーションモデルとしてGT-TSが200台限定でリリースされている。



1983年8月のマイナーチェンジではイマイチ評判の上がらなかったポップアップ式ヘッドライトを一般的なリトラクタブル式に改め、ドアミラー化をするなど外観の印象を一新した。



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トヨタ・セリカ(3代目、MC後)のフロントまわり



劇中車だけでなくモータースポーツの世界でも活躍

4代目

1985年8月に登場した4代目モデルからはプラットホームを一新し、前輪駆動レイアウトとなり、先代まで存在していた2ドアクーペを国内では廃止し、3ドアのみのボディラインアップとなった。



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トヨタ・セリカ GT-FOUR(4代目)のフロントまわり



デザインもキャッチコピーに「流面形」と称されたように、流動感のある滑らかなものとなり、先代後期で好評だったリトラクタブルヘッドライトが継続採用された。



エンジンも当然横置きレイアウトとなり、先代に存在していたターボモデルは姿を消し、1.6リッター、1.8リッター、2リッターというラインアップとなっている。



ただ1986年10月には先代のGT-T系の実質的な後継車種となる、「GT-FOUR」が追加される。このGT-FOURは2リッターツインカムターボエンジンにフルタイム4WDを組み合わせたもので、GT-TSと同じくラリーを筆頭とするモータースポーツベース車としても活躍したが、映画「私をスキーに連れてって」の劇用車に採用されたことで、スキーエクスプレスとしても高い人気を誇った。



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トヨタ・セリカ GT-FOUR(4代目)の走行写真



また、先代では限定モデルとして少量販売がなされたコンバーチブルが1987年10月にラインアップに追加されている。



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トヨタ・セリカ コンバーチブル(4代目)のフロントまわり



5代目

1989年9月にリリースされた5代目セリカは、先代の雰囲気を踏襲しつつもニューエアロフォルムと名付けられた有機的なフォルムを纏って登場。ラリーベースのGT-FOURも登場と同時に設定されている。



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トヨタ・セリカ GT-FOUR(5代目)のフロントまわり



基本的なメカニズムは先代を踏襲するが、搭載されるエンジンはすべて2リッターとなり、SOHC、DOHC、DOHCターボと異なる仕様で差別化が図られた。



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トヨタ・セリカ(5代目)のエンジンルーム



モータースポーツベース車としては快適装備を省き、クロスミッションを最初から搭載した「GT-FOURラリー」が存在していたが、1991年9月にはWRCのグループA用のホモロゲーションモデルとして「GT-FOUR RC」が登場し、日本では1800台が限定販売されたほか、コンバーチブルモデルも1990年8月に追加された。



6代目

それまで標準車は5ナンバーサイズを死守してきたセリカだったが、1993年10月に登場した6代目モデルでは通常モデルを含む全車で3ナンバーサイズのボディを採用。ただ、新設計となったシャシーは軽量高剛性となっており、先代モデルよりも軽量化も実現していた。



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トヨタ・セリカ(6代目)のフロントまわり



デザインはグラマラスな丸みを帯びたものとなり、長らく採用され続けてきたリトラクタブルヘッドライトを廃止し、個性的な丸形4灯ヘッドライトを新たに採用している。



あまりに個性的なフロントマスクとなったこともあって、1994年1月には輸出仕様のセリカクーペ(2ドア)のボディにおとなしめなフロントマスクを組み合わせた兄弟車の「カレン」も用意された。



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トヨタ・カレンのフロントまわり



ホットモデルのGT-FOURはやや遅れて1994年2月に登場し、ホモロゲーションモデルのWRC仕様車も同時に2100台限定でリリースされている。



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トヨタ・セリカ GT-FOUR(6代目)のフロントまわり



そして、もうひとつの定番車のコンバーチブルは1994年9月に登場。引き続きソフトトップモデルではあったが、幌の開閉が油圧式から電動式に変更されたのがトピックだった。



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トヨタ・セリカ コンバーチブル(6代目)のフロントまわり



7代目

1999年9月にフルモデルチェンジを果たした7代目セリカは、ライトウエイトスポーツのカローラレビン/スプリンタートレノを内包するモデルとなり、ボディサイズもひとまわりコンパクトとなり、エンジンも2リッターから1.8リッターへとダウンサイジングがなされた。



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トヨタ・セリカ(7代目)のフロントまわり



それに伴って先代まで存在していた4WDターボのGT-FOURもラインアップされず、一部からは残念がる声も上がっていたが、ホットグレードのSS-IIでは1.8リッターながら190馬力を発生する2ZZ-GE型エンジンと、6速MTの組み合わせで、FFライトウェイトスポーツとしては高い性能を有しており、TRDがチューニングを手掛けた「TRD スポーツM」というモデルも設定されていたのだ。



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7代目セリカに設定された「TRD スポーツM」のカタログ写真



このようにスペシャリティカーかつラリーマシンとしても活躍した歴代セリカ。新型はスペシャリティーカー寄りになるのか、ラリーマシン寄りになるのかは気になるところだが、ラリージャパンの会場で明言されたことを考えると後者の可能性も高そうだ。



ただその一方で、MR-S終売以来途絶えているトヨタの普通車クラスのオープンカー復活というのも期待したいところである。

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