パラマウントベッドホールディングスは国内外で進む高齢化や、政府が進める「病院から在宅へ」などへの対応が求められるなか、主力とする医療・介護事業では、売り切りに依存する収益モデルを脱却し、レンタル・リースなど継続的に収益を得られるリカーリングビジネスへの変革を模索。また第三の柱として取り組む健康事業は認知度に課題を抱えており、今後、各事業分野における製品開発やプロモーションの強化、投資拡大などを進めるうえで、短期的な業績変動に左右されず、長期的な成長戦略に集中できる経営環境の整備が必要と考え、非公開化を決断した。
現社長の木村友彦氏が代表を務めるTMKR(東京都江東区)が買付主体となり、MBO(経営陣による買収)の一環としてTOB(株式公開買い付け)を実施する。TOBが成立すれば、パラマウントベッドHDの東証プライム市場への上場は廃止となる。パラマウントベッドHDはTOBに賛同を表明し、株主に応募を推奨している。
買付価格は1株当たり3530円で、公表前営業日の終値2687円に対して31.37%のプレミアムとなる。買収代金は約1384億円。
買付予定数は3921万9847株で、下限は2048万6500株(所有割合36.53%)。応募が下限に満たない場合は買い付けしない。買付期間は2025年9月25日から11月17日までの36営業日を予定。決済の開始日は2025年11月25日。公開買付代理人は大和証券。
創業家の資産管理会社などが保有する約28.61%はTOBに応募しない。TOBの成立後、自己株式取得やTMKRによるパラマウントベッドHDの吸収合併を実施。
パラマウントベッドHDはパラマウントベッドを前身とし1950年に木村寝台工業として設立。1987年にパラマウントベッドに商号を変更し東京店頭市場に登録。1996年には東証一部に上場した。2011年に同社を完全子会社とするパラマウントベッドHDとなり、東証一部に上場、市場区分の見直しにより2022年4月から東証プライム市場に移行した。