日本もグローバルで有名な車種をタクシーにするべき
フランクフルトショー取材のために、フランクフルトの空港に降り立ちタクシー乗り場へ向かうと待っているのが、メルセデス・ベンツEクラスのタクシー。空港から市内への鉄道アクセスも良いのだが、せっかくということもありベンツタクシーに乗ることにしている。
短い距離だが高速道路に入る。メーターを見ると、今回も130㎞/hあたりで巡航していた。もちろんベンツなので快適そのもの。タクシー専用車両として設計されているので、一般向けのEクラスとは性能が異なるのかもしれないが、「やっぱりベンツだな」と十分感じることができる。タクシーにベンツを使っているというだけでも、なんだか贅沢に感じて、ドイツってすごいなと単純に思ってしまう。メルセデス・ベンツは世界でも有名な高級車ブランドなので、筆者のような思いを持つ世界のひともけっして少なくないはずだ。
日本でもタクシー車両といえば、長い間トヨタ・クラウンがメインであった。初代クラウンの開発にあたっては、“日本のタクシーをクラウンにしたい”との思いもあったと聞いたことがある。そしてクラウンが初代デビューから60年以上も愛されている背景には、タクシーとして使われるなかでの耐久性能や快適性能の向上が脈々と続けられ、これが一般向けのモデルにもフィードバックされてきたことが大きかったと考えている。
ここのところ20年ばかりのタクシーは、クラウン・コンフォートとコンフォートベースのクラウンセダンだったので、直接一般向けのクラウンに何か技術的なフィードバックが行われていたわけではないだろう。ほぼ国内専売となってきたクラウンだが、意外にも世界での知名度が高いので、日本の空港に降り立って、“おっクラウンだ”と思った海外の人もいたに違いない。
そのクラウンに代わり、“日本の顔”になろうとしているのがJPNタクシー。東京では当たり前のように走っているが、東京隣接県のターミナル駅ではまだまだ珍しい存在で、いまでもクラウン系が主流となっている。
JPNタクシーはMPVスタイルを採用するが、使い勝手はクラウン系とあまり変わらない印象も強く、利用者はまだしも、実際にステアリングを握るドライバーのなかでも不満を漏らすひとが多い。観光で“不思議の国ニッポン”を目当てにきたひとにはJPNタクシーも“ネタ”のひとつになりそうだが、クラウンタクシーのように、JPNタクシーの基本コンセプトが次の50年ぐらいの間“日本の顔”となり続けていけるのかは少々頼りない部分も目立つ。
個人的にはドイツのベンツタクシーではないが、グローバルで知名度のある新型カローラセダン、あるいはアメリカや中国を中心にブランドイメージもかなり定着してきたので、新型カローラセダンベースで新たなレクサス車をラインナップし、このモデルをベースとした、“レクサスブランドのタクシー専売車”を開発したほうが、日本の顔としてはふさわしいように思える。

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