混雑を避けクルマを迂回させるために設ける道路
大きな国道などには、旧来からある本道(旧道)に並行して、バイパスが建設され、本道の「国道●号」に対し、「国道●号バイパス」という名称の道になることが多い。このバイパスとはどういう意味なのか。
バイパス=「bypass」は英語で、本来は血管に閉塞部が生じたとき、手術によって人工血管や本人の静脈を用いて作る側副路や、ガスや水道の側管、補助管、電気回路の分路、側路、障害物や問題などを回避すること、という意味の単語だった。
つまり、混雑した旧来の道路を避けて、クルマの流れをよくするための新たな道路ということなので、多くのバイパスは本道よりも、道が広く、車線が多く、信号が少なく、より直線的で走りやすい設計になっている。また、山間部などでは、トンネルを多用したりして、よりなだらかな道路にしたり、海辺では海岸線より内側により直線的なバイパスを作ることもある。
バイパス沿いは栄えやすく逆に混雑することも
バイパスは一般道だけでなく、高速道路や有料道路のケースもある。新東名などは、東名高速のバイパスといえるし、名阪国道も名神高速のバイパスとなっている。有料のバイパス、橋などは、建設費の償還が終わると無料になる場合もある。また有料のバイパスでは、現金のみでETCが使えないこともあるので注意が必要だ。
これらのバイパスは、一部が開通している間は、「●●バイパス」と呼ばれているが、全線開通するとバイパス側が新しい本道=現道になり、それまでの本道が旧道として扱われ、国道から県道、市町村道に格下げになることも珍しくない。
そして、バイパスができると、バイパスに沿ってレストランや商業施設、自動車ディーラーなどが新規に開店し、活気のある通りになる一方で、旧道の方はさびれてしまうケースも目立つ。その代わりバイパスの交通量は増えていき、週末や時間帯によっては、流れが悪くなることもしばしば。場合によっては、旧道の方が、裏道として役立つことがあるので面白い。

地域が発展し続けると、旧道、現道(バイパス)に加え、さらなるバイパスが用意されることもあり、一方で山間部などでは、バイパスができたあとの旧道が廃道になることも……。