価格の幅はかなり広く新車価格を超えるものも!
一時期は免許取り立てのユーザーの入門車的な存在となっていた90年代スポーツカー。しかし、あれから時代は流れ、気づけば市場に存在する個体のほとんどが高値安定となっている。
これは、現在において同じようなテイストの車種がなくなってしまったことや、良質な個体の減少、そしてアメリカでは生産から25年以上が経過した車両について、輸入登録の手続きが大幅に簡略化される、いわゆる“25年ルール”などの影響で、海外への流出も増えているという現状が理由と考えられる。
では、実際のところそれらの国産90年代スポーツモデルは現状、どのくらいの価格帯となっているのだろうか? 現在の中古車市場をチェックしてみた。
1)マツダRX-7(FD型)
現在のところ、最後のロータリーターボエンジンを搭載したピュアスポーツであるRX-7。1991年にデビューした3代目モデルは2002年夏まで生産が続けられた比較的ロングセラーモデルだ。
最後の限定車である「スピリットR」に関してはすでにプレミア価格となっており、600万円台オーバーの個体も珍しくない。また、フルノーマルに近い低走行車も同じく新車価格オーバーとなっている。
その一方で、安い個体は100万円台前半のものもあり、価格の幅はかなり広くなっているが、安いものはいわゆる前期型と呼ばれる1996年1月以前の個体が中心だ。もっとも台数が多い価格帯は200~250万円であり、諸費用なども入れると300万円くらいの予算は確保しておきたい。
コレクターズアイテムとなり大きく値段が下がる可能性は低い
2)日産スカイラインGT-R(R32型)
1989年におよそ16年振りに復活した第2世代GT-Rと呼ばれるR32型スカイラインGT-Rは、グループAで勝利することを至上命題として生まれたまさにレース直系のモデルと言える。
一時期は100万円を下まわる個体もゴロゴロしていたR32GT-Rであるが、気づけば最終型の1994年モデルまですべてが25年ルールの適用範囲内となったことで価格は高騰。現在はもっとも安い個体ですら200万円を下まわらない状況となっている。
高いものでは新車価格を上まわるのはもちろん、1000万円オーバーのものも存在するほどで、ボリュームゾーンは300~400万円と気軽に手を出せる価格ではなくなりつつあるようだ。
3)日産シルビア(S13型)
現在アラフォー世代のクルマ好きであれば、免許取得直後に仲間のなかで1人は乗っている人がいたといっても過言ではないほど、手ごろな入門車というキャラクターだったS13系シルビア。とくに前期型のNAモデルではひとケタ万円で見つけることも容易だったイメージだった。
しかし、あれから時代は流れ、良質な個体がどんどん失われた現在では、そんな価格で見つけることはほぼ不可能といった状態だ。
すでに市場に流れるような比較的程度のよい個体自体が減少気味で、台数の多い価格帯は120~200万円弱と当時の新車価格と大差ないところまで上がってきているようである。
どれも登場から30年近い年月が経過したモデルということもあり、もはやコレクターズアイテムと化しつつある感もあり、今後も大きく値段が下がる可能性は低いだろうから、購入を迷っているのであれば、すぐにでも行動に移した方がよさそうだ。

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