キャビン付きが全体の2割を占めるほど売れているモデルも!

現在OEMを除く本家はダイハツ・ハイゼット、スズキ・キャリイ、ホンダ・アクティの3車種がある軽トラックは、アクティが来年6月に生産終了となる予定となっているのもあり、キャリイとハイゼットが二強である。



ハイゼットとキャリイのバリエーションを見るとハイゼットには80年代から、キャリイにも2018年からそれぞれジャンボ、スーパーキャリイという名前のシート後方に拡大したキャビンを持つ仕様が設定されている。キャビンを拡大した軽トラックは見てのとおり荷台が標準の軽トラックより狭くなるのに加え価格も100万円を超え、軽トラックとしては高いなど、メリットがわかりにくいかもしれない。



しかし、昨年ダイハツ関係者に取材した際には「ハイゼットジャンボはハイゼットの約2割を占めている」との言葉もあり、一定数が売れている。といった背景もあり、マイカーの1台に軽トラックながらRRで4WD、おまけにスーパーチャージャーが付く最後のスバル製サンバーを持っている筆者が「キャビンを拡大した軽トラックが設定されている理由」をマルとバツを挙げながら考えてみよう。



◆「マル」なポイント

1)シートのリクライニング量が増えるので、ドライビングポジションが取りやすくなる

通常の軽トラックはシートのスライド量はともかくとしてリクライニング量は非常に少ないため、体型によってはシックリ感じるベストなドライビングポジションが取れないこともある。それがキャビンを拡大した軽トラックならリクライニング量が増えるので、ほとんどの日本人ならベストなドライビングポジションで運転できるだろう。



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2)仮眠ができるようになる

通常の軽トラックは前述したリクライニング量の少なさにより、仮眠を取るのは絶望的だ。それがキャビンを拡大した軽トラックなら劇的に仮眠がしやすくなる。



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3)2人乗っても荷台に積めない荷物がキャビンに置いて運べるようになる

軽トラックは1人乗りなら荷台に積めないカバンなどの手荷物や上着も助手席に置けば、そう問題なく運べる。しかし人が2人乗ると、手荷物などを車内に置くのはお手上げという、ある意味荷物が運べないクルマでもある。それがキャビンを拡大した軽トラックならシート後方のスペースに小さめのスポーツバッグなら2つ置けるので、比較的大きなものを置かなくとも2人分の手荷物や上着、買い物したものもキャビンに置けるなど、何かと非常に便利だ。



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安さが大切な軽トラックでも「値段」が高くなる!

◆「バツ」なポイント

1)やはり荷台は狭くなる

これは見ての通りだ。しかし、キャビンを拡大した軽トラックはキャリイ、ハイゼットともに荷台下部は通常の軽トラックと同じ長さがあるので、高さのない農機具などを運ぶには問題ない。またサーキットで乗るカートも荷台下部にちょうどバンパーが入るのでこちらも問題なしと、「荷台スペースはこれでOK」というユーザーも一定数いるのも分かる。



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2)価格の高さ

これは部品点数が増えるのに加え、生産台数が少ないことを考えるとやむを得ないだろう。



ここまで挙げたマルとバツを総合すると、バツよりもマルを取る人が一定数はいるのも分かるだけに一定数が売れるので、設定されているのも理解できる。

そう考えると80年代からキャビンを拡大した仕様を設定しているハイゼットの先見性は見事なものである。



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