25年ルール適合車はこれからさらに価値が高くなりそうだ
ここのところ驚くべきスピードで価格が上昇している1990年代のスポーツモデル。底値の時代では100万円以下で狙える個体も少なくなかった日産R32型スカイラインGT-Rも、もはやどんなに安くても当時の新車価格を下回らない状況となっている。
それ以外の90年代スポーツモデルもGT-Rほどではないにせよ、どれも高騰が続いており、新車価格を超えるプライスタグのものも少なくない。
この状況のひとつの要因がいわゆる25年ルールによって生産から25年以上が経過した日本車がアメリカで比較的簡単に登録できるようになったからということが言えるが、今後スポーツモデル以外もこの影響を受ける車種はあるのだろうか?
1)日産パイクカー
80年代~90年代前半にかけて日産がリリースしたパイクカーシリーズのBe-1、パオ、フィガロの3車種。どれもベースは初代マーチであるが、どれもベース車を感じさせない内外装が魅力で日本国内にもファンが多いモデルだ。
これらのパイクカーもすでに25年ルールの適合車となっており、すでに少なくない台数が海を渡っている。もともと日本国内でも希少さもあって高値安定だったが、より高騰する可能性も高そうだ。

「リアルジャパン」を感じられるモデルは海外からの人気も高い
2)90年代ミニバン
ミニバン発祥の地であるアメリカではあるが、日本で独自の進化を遂げたミニバンにも注目が集まっている。とくにミニバンでありながらクロスカントリー車並みの走破性を誇る三菱デリカはコアなユーザーから注目を集めており、すでに海を渡った個体も少なくないようだ。

また、日本らしく小さなボディのなかに信じられないほど広い空間を実現したところも驚きをもって受け入れられており、キャブオーバータイプのトヨタ・ハイエースや日産キャラバンなども今後火がつく可能性はありそうである。
3)VIPセダン
もはや、やや懐かしい響きすらある90年代のVIPセダン、トヨタ・クラウンや日産セドリック/グロリア、日産シーマといったモデルから、果ては日産プレジデントやトヨタ・センチュリーといったショーファードリブンまでがすでに海を渡っている。

もともと日本国内で使用されることを前提として生産されたこれらのモデルは、海の向こうのユーザーからしてみればリアルな日本を感じられる稀有なモデルという受け入れられ方をしている模様。なかでもコアなユーザーは当時のVIPチューンを模したカスタムを施すツワモノも存在しているようだ。

日本ではほぼ底値といってもいいこれらの90年代VIPセダンも、アメリカでは1万ドル以上で売られているため、今後値上がりすることは間違いないだろう。