もっともレアで伝説になりえるエンジンも存在!

自動車業界は100年に一度の大変革期ということで、完全に電動化に向かっています。環境性能とCO2排出量のバランスでいうとガソリンハイブリッドが現時点でのベストソリューションという見方もありますが、純粋なエンジン車を存分に味わうことができる時間は徐々に短くなっていると感じることが少なくない今日このごろではないでしょうか。



純粋にエンジンを味わうというと、高回転までシュンと回ることを楽しむこと、トルクがモリモリと出てくる様子を味わうこと、ギューンとパワーが出てくるストーリーを感じることなどが挙げられます。

いずれにしても非常にエモーショナルなもので、感覚的・本能的に楽しみを感じる要素といえます。



というわけで、そんなエンジン単独で他にはない味を持っている国産名ユニットをピックアップしてみました。このセレクトに異論はあるかもしれませんが、どれも中古車であれば見つからないことはないエンジンです。機会あれば、是非とも味わって欲しいと思います。



1)マツダ20B

まずは世界でもマツダだけが量産に成功した3ローターのロータリーエンジン(RE)から紹介しましょう。バブル期に開発された大柄な2ドアクーペという超贅沢な商品企画から生まれたユーノス・コスモ、その上級グレードには「20B」と名付けられた3ローターのREが搭載されていました。



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3つの辺で構成されているローターをトロコイド形状のハウジングの中で回転させるREは、そのスムースネスも評価されていますが、コンパクトなサイズとは思えないほど大パワーを出せることが特徴です。ひとつのローターが三角形となっているのですが、それぞれの辺が回転位置によっては燃焼室となるため、1ローター=3気筒と考えることができるからです。



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また4ストロークのレシプロエンジンとエンジン回転数あたりの吸気回数が2倍となっていることもサイズに対してパワーを引き出すことができる理由です。そうした事情を勘案すると、3ローターのREはレシプロエンジンでいえば8~12気筒相当の高級エンジンになるといわれることもあるほどです。



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しかも3ローターのREを乗用車用として量産に成功したのは世界でもマツダだけ。さらに、ユーノス・コスモに搭載された「20B」には大小のターボチャージャーを組み合わせたシーケンシャルツインターボ仕様とすることで、驚くほどのスムースネスを実現したことで、もはや伝説のエンジンとなっています。とはいえ、中古車は流通していますが、コンディションを選べるほどの数もなく、完調の状態を維持するにはそれなりに愛情を注ぐ必要があるなどハードルは高いのですが、だからこそ国産エンジンでもっともレアで伝説になりえるユニットといえるでしょう。



2)日産RB26DETT

レア度でいえば、それほどではありませんが、こちらも一生に一度は味わっておきたい伝説の国産最強ユニットが日産の「RB26DETT」でしょう。もともとはスカイラインGT-Rの専用エンジンとして生まれた、総排気量2568ccの直列6気筒ツインターボです。このエンジンのすごいところを書き出すとキリがありませんが、280馬力規制下において誕生したエンジンながら、ハードウェアの目標値としては500馬力以上に置いていたという点は、1980年代に生まれたエンジンとして特筆すべきポイントでしょう。



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スカイラインGT-Rという大事にされてきたモデルの心臓として育まれたRB26DETTについては、そのキャラクターからチューニングパーツも数多く用意され、チューニング次第では1000馬力に達することも不可能ではありません。また、可変バルタイ機構などをチューニングパーツによって追加することで乗りやすさとパワーを両立しているのもチューニングが盛んなRB26ならではの特徴です。



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RB26DETTを搭載したスカイラインGT-Rの中古車価格は日々高騰中というのが現実ですが、それでもお金さえ用意できれば誰でも入手できるレベルにあるのも事実。年々チャンスが狭まっていますから、RB26エンジンに乗りたいのであれば「思い立ったが吉日」です。



現在では高回転エンジンが生み出せないことも希少さを高めている

3)三菱4G63

RB26DETTと並んで、チューニングの可能性を秘めているのが三菱ランサーエボリューションのパワーユニットとしてお馴染み2リッター 4気筒の「4G63」エンジンでしょう。当初は自然吸気で140馬力程度のスペックという平凡とも思えたエンジンでしたが、その頑丈すぎる鋳鉄ブロックはまさに無限のポテンシャルを秘めていました。



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そのポテンシャルが最初に知られるようになったのはギャランVR-4に搭載されたときでしょう。DOHCヘッドとターボチャージャーを組み合わせた4G63型エンジンは205馬力を発生、ギャランがWRCで活躍する文字どおりの原動力となったのです。



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その後、ランサーエボリューションの心臓部として進化していったのはご存じのとおり。最終的には可変バルタイ機構などを備え、当時の国内自主規制である280馬力に達しました。さらに、排気量アップを前提としたチューニング次第では1000馬力も十分に狙えるほどの潜在能力を持っていることから、史上最強の4気筒エンジンと呼ばれることもあるほど。



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こちらも搭載モデルは中古車市場で価格上昇中ですが、ランサーエボリューション7~9のタイプ(CT9A型)であれば、それなりの数が見つかることからまだまだ入手可能なタイミングとなっています。



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4)ホンダF20C

同じ、2リッター4気筒エンジンでもパワーではなく、高回転までよどみなく回るというキャラクターで時代を変えたのが、ホンダの「F20C」エンジンでしょう。



本田技研工業50周年記念モデルとして誕生した後輪駆動のオープン2シーター「S2000」の専用エンジンとして生まれたF20Cは、ホンダとしては久しぶりの縦置きレイアウトであり、2.0リッターNA(自然吸気)ながら最高出力250馬力という高性能ぶりも注目されましたが、レブリミットが9000rpmというホンダらしい超高回転ユニットに仕上がっていたことでも注目を集めたエンジンでした。



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高回転でパワーを絞り出しつつ、実用性も確保しているのはホンダの独自技術であるVTECのおかげといえますが、では現在において同様の高回転エンジンが生み出せるかといえば答えはノーです。なぜなら、当時と比べて、排気ガス規制、騒音規制とも厳しくなっており、高回転まで許容できるエンジンを“市販”することが難しくなっているからです。



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その意味でも、F20Cは不出世のNAエンジンであり、S2000の走りを楽しむことはまさにエンジンを味わうことでもあるといえるのです。とくにF20Cエンジンを搭載した前期型S2000については、まだまだ中古車市場で見かけますが、走行距離などのコンディション次第ではプレミア価格をつけるようになっています。入手は急いだほうがよさそうです。

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