てなずけるとドライブが楽しくなる! 魅惑のクルマが大集合

ひと昔前と比べると、今はどのクルマも完成度が高く、誰がどこでどんな風に乗っても、簡単に快適に乗れるように進化しています。それはとても素晴らしいことなのですが、ちょっと寂しいと感じるのも正直なところ。"一見さんお断り"じゃないですが、何度も練習してようやくスムースに乗りこなせるようになるクルマや、クセが強くて初めての人はビックリしてしまうクルマこそ、オーナーの満足度は右肩上がりになり、面白さが長続きし、乗れば乗るほどそのクルマと自分が一体になれるような感動がある、とも言えるからです。



 ただ、今でも少数派ながら、探せば見つかるのです。初めて乗ると驚いてしまう、乗り手を選ぶようなちょっと人見知りなクルマたち。さっそくご紹介したいと思います。



1)スズキ・アルトワークス

1台目は、日本が誇るスーパーライトウェイトコンパクトスポーツ、スズキ・アルトワークス。80年代~90年代の全日本ラリー選手権で大暴れし、軽自動車初のシリーズチャンピン獲得をはじめ、通算10回もトップの座に君臨した輝かしい経歴の持ち主です。



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2015年末、約15年ぶりに”復活”したのが現行モデルのアルトワークス。現代では驚異的な670kgという超軽量ボディに、特別にチューニングされた最大トルク100N・mのエンジン。ミッションには5速MTとAGS(オートギアシフト)が設定されました。15インチタイヤにKYB製ショックを奢った足まわりは、チラリと見える真っ赤なブレーキキャリパーがやる気満々といった雰囲気です。



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このアルトワークスを、「とはいえ、軽でしょ?」なんて舐めてかかったら、もう大変な目にあうのでご用心。なんたって、シフトを1速に入れてアクセルを踏み込むと同時にクラッチを繋いだその瞬間、ドンッと背中を蹴飛ばされたみたいなロケット加速! しかも一瞬で吹け上がり、2速、3速と矢継ぎ早にシフトアップを強要され、目が回るような忙しさ。カーブでも鼻先が予想以上に軽く向きを変え、ボディも瞬時についていくから、ハンドリングだって気を抜けない修羅場に。



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近年の制御だらけのラクなMTに慣れきった人は、自分の腕がどれほど錆びついてしまったかを思い知らされるかもしれないですよ。



2)フィアット500

2台目は、同じコンパクトでもイタリア生まれのおしゃれなフィアット500。



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見た目がとっても可愛いので、ついつい運転だって誰にでもフレンドリーかと思いがちですが、ところがどっこい。日本車のゴムみたいに伸びるCVTに甘やかされた人たちは、初めて500に乗ると「壊れてる?」と不安になるほど、まったくスムースに乗れないことがあるほどです。日本では通称2ペダルMTとかクラッチレスMTなんて言われていますが、マニュアル車の感覚を残したまま、アクセルとブレーキだけで運転できるようにしたのが、デュアロジックという500のトランスミッション。



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ATモードもありますが、基本はちゃんとエンジンの音を聞きながら、回転数に合わせて手元のシフトレバーを1、2、3、4、5と上げたり下げたりして走るようになっているのです。操作の際には、ちょこっとアクセルペダルをオフにするのが、よりスムースに走らせるコツ。これを知らずに、アクセルをベタ踏みのままシフト操作をすると、アクセルを踏んでいるのに前に進まず、ガックンとショックを受けるような乗り味になります。まさに、マニュアル車の運転がヘタな人と同じ感じです。



エンジンがわずか2気筒のツインエアだというのも、よりクセを強くしているようですね。でも、これをだんだんと上手になめらかに走らせることができるようになると、もう楽しくて仕方がないんです。ほかのミッションじゃ物足りなくなるほどだそうですよ。



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めったに存在しないRRレイアウトの乗り味に驚く可能性も

3)BMW i3

3台目は、完全なピュアEVと、発電用のエンジンを搭載するレンジエクステンダーが選べるBMW i3。大福餅みたいなフォルムや、観音開きのドア、自然由来の素材を多用したインテリアなど、いろいろと個性的なポイントが多い、BMWの意欲作でもありますね。



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知らない人は「EVってつまらないでしょ」などと思いがちですが、じつはこれがかなり乗り手を選ぶクルマでもあるのです。

その大きな理由は、まず駆動方式がRRであること。前後軸の間のフロア下に重いバッテリーを敷き詰めており、低重心ではあるものの、モーターが車体後方に搭載されて後輪を駆動するので、ポルシェとまではいわなくてもフロントが浮き上がりそうに軽く、リヤがどっしりと路面を蹴って進むような感覚は、慣れない人だととくに高速道路などで驚いてしまうかもしれません。



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また、アクセルペダルをオフするだけで、ブレーキ並みの強い減速力が得られるので、はじめのうちは思い通りの場所でなかなか停車できない人も。赤信号の時に、停止線よりだいぶ手前で止まってしまい、アクセルを踏み足していた人もいたほどでした。



そして、世界でひとつしかない、大径なのに自転車並みに細いタイヤ。これも独特の乗り味を作っている要因でしょう。見た目から運転まで、すべてが独創的なi3なのでした。



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4)ルノー・トゥインゴ

4台目は、フランス生まれのコンパクトモデル、ルノー・トゥインゴ。今回ご紹介する中ではクセは弱めかもしれませんが、ただ可愛いだけのコンパクトカーではないこともたしかです。



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というのは、わかる人はまずこの見た目からも、「おお?」と感じ取るのですが、リヤフェンダーが張り出したフォルムや、ストンと落ちるようなショルダーライン。これはまさに、往年の名車であるルノー・サンクへのオマージュ的モチーフです。そして、0.9リッター直3ターボエンジンを荷室下に搭載したRRレイアウト。2ペダルMTとなる6速EDCで操れば、元気いっぱいにグイングインと弾むように駆け出していくのです。



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慣れない人が注意したいのは、カーブや交差点を曲がるとき。思った以上にグワッとハンドルが切れて、大きく曲がってしまうかもしれません。トゥインゴの前輪の切れ角は、なんと49度もあって、最小回転半径は軽自動車並みかそれ以下の4.3mという、スーパー小まわり性能マシンなのです。くるくると面白いように曲がるトゥインゴは、乗れば乗るほど大親友になれそうな1台です。



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5)ロータス・エキシージ

5台目は、クセ者揃いのスポーツカーの中にあっても、とくにクセ強めのロータス・エキシージ。2021年中の生産終了がアナウンスされてしまいましたが、日本ではそのファイナルエディションのうち、エキシージ スポーツ390ファイナルエディションと、スポーツ420ファイナルエディションが導入されています。



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390でもベースとなる350よりパワーアップされていて、最高速は277km/h、0-100km/h加速は3.8秒という凄さ。3.5リッターV6スーパーチャージャーをミッドシップに横置きするMR、というだけでもかなり運転が難しそうなことがわかると思いますが、エキシージはそこらへんの制御満載のヤワなスポーツカーとは違って、ハンドルは激オモ、ペダルだって全力で踏まないとクラッチ切れません、ブレーキ利きません。



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普段、運動不足の人が軽い気持ちで乗ったりしたら、ふくらはぎはツるわ、腕は筋肉痛になるわ、立派な筋トレなのだと悟るはず。こんなにスパルタンなスポーツカーは、今後出てこないかもしれないですよね。乗るなら、今です。
というわけで、最初は「なんだこれ」と驚き、壊れてるのかと懐疑的になったり、拒絶反応を示してしまったり、体力的にムリだと思ってしまうクルマたち。

でも、その1回であきらめるのは早計です。くじけず、少しずつ距離を縮めていった先には、ほかのどんなクルマでも味わえない、楽しく満たされる世界が待っているはず。ちょっと人見知りなだけで、じつは懐の深い、独特の愛嬌を持ったクルマたちばかりです。単なる道具として終わらないクルマに乗ってみたい人にはぴったりなので、勇気を持って近づき、粘り強く仲良くなってみてくださいね。

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