この記事をまとめると
■コインパーキングはいまや私たちにとって身近な存在



■時折、前払い制のコインパーキングを見かける



■安全なようには思えないが、なぜこのようなシステムを採用するのかについて解説する



支払いは「停めた人任せ」

10分で100円などといった、コインパーキングというのはすっかり日常的なものになっていて、よく使う人も多いのではないだろうか。ある一定の時間で、定額のいわゆる打ち切り料金も浸透して、細かい部分での進化を続けている。



そのなかで、たまに見かけるのが、前払い制というもの。

しかも駐車スペースを見ると、車止めのフラップがなくて、線が引いてあるだけだったりする。さらに砂利という、そのままなところあるほどだ。最近、同じくフラップのないコインパーキングも増えているが、こちらはカメラでナンバーなどを記録しているので、実質はフラップがあるのと同じ。つまり前払い制とは根本的に異なる。



料金踏み倒しの心配はない? 利用者任せの「前払い制」のパーキ...の画像はこちら >>



利用方法は簡単で、支払機(これは設置されている)で支払うだけ。料金体系は24時間で1000円という大ざっぱな場合もあれば、2時間=500円、3時間=700円のように、いくつかあって、自分が停めるであろう時間で料金を支払うというもの。いずれにしても、停めた人任せである。



正直に言ってしまうと、カメラすら付いていないと思われるところもあって、そのまま逃げられる気がするほどのゆるさ。なぜ、このようなシステムのコインパーキングがあるのか、調べてみた。



支払機、フラップ、看板などを揃えると数百万円になる

まずは設置費の問題。地面を舗装して線を引いて、支払機と各駐車枠でのフラップ、そして料金掲示板や看板を付けると、けっこうな費用になる。もちろん規模にもよるが、数百万円にはなってしまう。

ただ、中古が出回っているし、専門業者なら機器は使い回すので、かなり抑えられる場合もあるという。



それでも100円単位の料金体系で、コストを回収するのは大変で、故障やいたずらなどでの修繕費もかかることもあって、すんなり儲けられるものではないという。マンションなどを立てるまでのつなぎということも多く、それだとなおさら。広い場所であればゲート式にしてしまった方がいい。



料金踏み倒しの心配はない? 利用者任せの「前払い制」のパーキングが存在する理由



ちなみに、同じような理屈で、増えている割には実際は儲からないのがコインランドリーで、フランチャイズで展開しているオーナーに聞いたところによると、問題点はコインパーキングと同じだった。しかもこちらは、ある時期から機械が頻繁に壊れて、メンテコストがかなりかかるとのこと。



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話は戻って、コストをかけるぐらいなら、人間の性善説によって、自己申告にしてくれというのが、前払い制。舗装しなければ、看板と支払機だけ。駐車場のオーナーに聞いたところによると、「防犯カメラを付けているからかもしれないけど、意外なほど逃げる人はいない。それもあって、コストはすぐに回収できる」とのこと。また「定期巡回して、ナンバーはチェックしている」という表示を付けるといいとも教えてくれた。



料金踏み倒しの心配はない? 利用者任せの「前払い制」のパーキングが存在する理由



場所によってだろうが、コインパーキングが飽和状態の場所もあったりして、これから増えていく可能性は十分にある。

また、こういう話を聞くと、自分もなんだかやる気になってくるが、とりあえず土地を持っていないとできないので悪しからずだ。

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