この記事をまとめると
■政府はガソリンの元売りや商社に対して卸値引き下げを促す補助政策を決定した■レギュラーガソリンが1リッター170円を超えた場合、5円を限度に超えた分が補助される
■小売店は生き残りに必死でこの施策がどこまで効果を発揮するかに疑問が残る
補助政策の対象となるのはレギュラーガソリンのみ
コロナ禍が改善しはじめ世界経済が再び活発化するなか、原油の生産量や、輸出入量の低下などによって、ガソリン価格が高騰した。これに対し、政府は11月に元売り各社や商社など50社程度に対して、卸値の引き下げを促す補助政策を正式に決めた。
内容は、レギュラーガソリンの小売価格が170円を超えたら、超えた金額分を補助する。
ほかに、レギュラーガソリン対策であるため、プレミアムガソリン(ハイオクガソリン)や軽油に対しては触れられていない。
元売りや商社などへの施策なので、消費者が実感するまでには時間的な遅れが生じる可能性がある。また、そもそも小売店はガソリン販売による売り上げがさがっているなかで、店をどう存続するかに必死であり、卸値が数円下がったとしても、小売価格にどう反映させるかは小売店の判断のはずだ。
補助政策が実施されてもガソリン価格が大きく下がることはない
そもそも地域の違いや、同じ地域でもガソリンスタンドの設置場所によって価格は幅がある。また、この施策はレギュラーガソリンが1リッター当たり170円を超えてはじめて施行されるので、現状、160円台で推移すれば何も行われないことになる。
いずれにしても、170円あたりを上限として、大幅な価格低下は望めないということだ。もし、単に値下げを行うなら、ガソリンに課せられている揮発油税の暫定税率分である49.6円分を外せば、たちまち下がることになる。ちなみに本則税率は24.3円で、これに暫定分が加算されている。
一方、脱二酸化炭素という社会の動きのなかで、ガソリン消費を促す政策がどう影響を及ぼすかも検討する必要があり、暮らしや経済を活性化することと、二酸化炭素排出抑制の両立は、この先も難題として日々降り注ぐことに変わりはない。
そうしたなか、2022年には軽自動車の電気自動車(EV)が、日産自動車と三菱自動車工業からいよいよ発売になる。もちろんその新車価格次第とはなるが、EVなら電気代はガソリン代に比べ格安だ。また、ガソリンスタンドに立ち寄らなくても済む住宅事情の人もいるだろう。これまで以上にエンジン車離れが進む可能性が生まれ、ガソリンスタンド経営はますます厳しさを増すはずだ。
そうした需要と供給の関係でガソリン価格は決まるのであり、この先原油価格が下がることがあったとしても、ガソリンスタンド経営の厳しさは変わらず、したがってガソリン価格の大幅な値下げは難しいのではないか。

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