この記事をまとめると
■2021年12月にトヨタはバッテリーEVのコンセプトカーを10台以上も公開



■2030年には約30車種を用意して350万台をグローバルに販売する予定だという



■一見夢物語にも感じるが世界の市場を見渡せば現実的な話だといえる



トヨタはEVに関する技術を十分にもっていた

2021年12月に、トヨタがバッテリーEV(エンジンを搭載せずにモーターだけで走る電気自動車)の説明会を実施した。



そこで驚かいたのが、ズラリと並んだバッテリーEVのラインアップだ。トヨタは2030年までに約30車種のバッテリーEVを用意して、同じ年には世界で350万台を販売するとしている。



そして北米・欧州・中国市場では、2030年に販売するトヨタ車のすべてをバッテリーEVにするという。



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ちなみにバッテリーEVの350万台という販売規模は、中規模の自動車メーカーと同程度だ。2020年におけるスズキの世界販売台数は245万台であった。トヨタの2020年の世界販売台数は869万台(ダイハツや日野を除く)だから、350万台は40%に相当する。



過去を振り返ると、トヨタは1997年に初代プリウスを発売しており、ハイブリッドはエンジンとモーター駆動を併用して駆動用バッテリーも搭載している。その後には充電可能なプラグインハイブリッド車、燃料電池車も追加してきた。これらはすべてバッテリーEVの要素を含むから、技術力も蓄積されていた。



トヨタのEVコンセプト軍団は「パフォーマンス」じゃなく現実にこれだけ「市販される」のか?



それなのにバッテリーEVを公表しなかったのは、トヨタが170以上の国と地域で商品を販売しているからだろう。170以上となれば、電気自動車を使える電力インフラの整っていない地域も多い。開発者によると「ガソリンの品質すら不十分な地域もある」という。トヨタは1000万台レベルの販売規模を誇るから、さまざまな地域で使われる。



トヨタは世界中でさまざまな環境に適応したクルマを提供

わかりやすいのはニュース映像だろう。

日本、北米、欧州の街中を見ると、さまざまなメーカーのクルマが走っているが、政情不安の伝えられるミャンマーやアフガニスタンでは、トヨタ車比率が圧倒的に多い。事の是非は別にして、絶対に故障してはならない地域では、トヨタ車が多く使われている。



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このトヨタ車の現状を考えると、ホンダのように「2040年までにすべてのクルマを電気自動車か燃料電池車にする」とはいえない。そこで必要に応じてバッテリーEVを投入できるように準備を進めてきた。



ところが最近は「トヨタはバッテリーEVに消極的で、世界の流れに乗り遅れている」という趣旨の報道も増えている。放置するとトヨタのブランドイメージや株価にも影響を与えるので、一気に披露したのだろう。「トヨタを舐めんなよっ!」という感じだ。



披露されたバッテリーEVのラインアップを見ると、bZ4Xを始めとするbZシリーズは現実的だが、ほかは「これが全部市販されるのか?」とも思う。



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しかし2030年、つまり8年後には約30車種のバッテリーEVを用意して、世界で350万台を売ると宣言した以上、現実味も生じる。電気自動車といっても、クルマであることに違いはなく、大量に売るにはスポーツカーやピックアップトラックなどのカテゴリーも必要になるからだ。



エンジンと燃料タンクをモーターとバッテリーに置き換えたところで、我々のクルマの使い方や好みが大幅に変わるわけではない。8年後にバッテリーEVを350万台も売るには、この程度の車種バリエーションは必要なのだろう。

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