この記事をまとめると
■1980年代初頭にハイソカーと呼ばれるジャンルが誕生



■ハイソカーブームと言われるほどの人気を博した



■ハイソカーとは何だったのかについて解説する



高級車とはまた別モノ!?

1980年代初頭に花開いたのがハイソカーだ。ハイソカーブームと呼ばれて、一時はひとつのジャンルを築いた。ハイソとはハイソサエティの略で、今でいうところのセレブと同じイメージだった。

セレブグルマと呼ぶのが、ハイソカーと同義だ。ただし、その定義は定かでなくて、実際にハイソな人たちが乗っていたかどうかも怪しかったりする。



その皮切りとなったのはやはり1981年に登場したソアラだろう。直6搭載という性能もさることながら、そのクリーンなクーペスタイル。そして当時としては画期的だったデジタルメーターや、ふかふかのモケットシートなど、ゴージャスだったり先進的な雰囲気で人気が出た。ユーザーは年配というよりも、いいところのボンボンが親に買ってもらったか、背伸びしてローン組みまくりの大学生といったところ。女子大生を横に乗せてドライブしているユーザーが多かったが、実際はハイソではなかった。また、その後のデートカーブームに繋がっていくとはいえ、高級車という点ではハイソカーは別の物と言っていい。



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ソアラに続いたのが、スーパーホワイトの白いトヨタのハードトップたちで、クラウンだけでなく、マークII三兄弟(マークII、クレスタ、チェイサー)も人気だったし、ソアラに至ってはあまりの人気で2代目は初代とほとんど変わらないという事態にまでなっていた。



ブームで続々登場したが残念な「不人気」モデルも!

もちろん、そのほかのメーカーも指をくわえて見ていたわけではなく、日産はレパード、ホンダはレジェンドやインスパイア&ビガーは公然と打倒トヨタを掲げていたし、そこそこ売れてブームの一角を担っていた。ただ、マツダに関してはルーチェもクラウンを相当意識していたが、数あるライバルのなかでもとくにパッとせずに終わってしまったのは残念ではある。



本当の「ハイソな人」は乗ってなかった! 80年代にバカ売れした「ハイソカー」って何もの?



そしてもうひとつハイソカーブームがあって、それが同時期の1980年代に流行った、いわゆる車高短&エアロ装着。

街道レーサーと入れ替わるように流行ったもので、さらにその後のVIPカーブームへと繋がった。それまでは違法なものが多かったし、あってもワークスフェンダーやチンスポといったスポーティなイメージを前面に出したものだったが、デザイン性を高めつつホワイトをメインにしてハイソなイメージを演出。もちろん本当にハイソな人はそんなことはしなかったが、スタイルとしては新鮮で新時代感を存分にアピールすることで大きなブームとなった。



1980年というのは自動車にとって暗黒時代から解き放たれた新しい時代。デザインも技術もそれまでにないものになっただけに、それを原動力にしてハイソカーが誕生したと言っていい。

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