この記事をまとめると
■日本と海外ではクルマのオプションに設定されるアイテムが大きく異なっている■日本では定番のカーナビだが海外では盗難被害が多く装着率が高くなかった
■海外の大衆車のインテリアオプション設定は日本のように多彩ではない場合が多い
日本では定番のカーナビも海外では装着率が高くない
新車を購入するとき、ユーザーが楽しみなのがオプション選びだ。
定番だとカーナビやETCといった電機系アイテム、またフロアマットやシートカバーなどのインテリア関連アイテム、そして最近は、車中泊や家族でライトキャンプを楽しむためのカーサイドタープや携行用LEDライトなどなど。オプションカタログの内容はどんどん充実している印象がある。
一方で、海外に目を移してみると、こうしたオプション設定で日本とは事情が違う場合がある。日本と海外を比較する前に、オプションについて基本的な情報をお伝えしておきたい。
それは、オプションには大きく2通りあることだ。ひとつはメーカーの新車最終組立工場の作業ライン(またはサブライン)で装着される、いわゆる「ライン装着品」。もうひとつが、メーカーが新車ディーラーに新車を卸売りしたあと、ディーラー独自の施設やディーラー併設のメンテナンス施設で装着するものがある。
その上で、海外の場合、これまでオプションでの販売数が日本に比べて少なかったのがカーナビだ。理由はさまざまあり、価格が高いこと、治安が悪い国や地域ではカーナビの盗難にあいやすいこと、そして社会習慣として地図は図表化せずに文字で説明することが一般的な国や地域があることが考えられてきた。
そのため、簡易的なカーナビでも通常の利用においては十分に満足できるとして、PND(ポータブル/パーソナル・ナビゲーション・デバイス)が普及した。メーカーでは、アメリカのガーミンとオランダのトム・トムが主流となった。

こうした簡易カーナビに欧米人が慣れていたため、i-Phoneやアンドロイドフォンをカーナビとして使う習慣が増えた。だから、スマホと車載器を連携するアップル・カープレイとグーグル・アンドロイドオートが欧米を中心に普及したのだ。

最近の新車には、マツダやメルセデス・ベンツなどを筆頭にライン装着での標準型ディスプレイが組み込まれているため、オプションでカーナビを買わない人が、海外でもそして日本でも増えているといえるだろう。
海外の自動車用品の手配はアフターマーケット利用が一般的
そのほかでは、やはりフロアマット。日本人は純正品が当たり前のように思っているが、海外ではコスパ重視の人が少なくない。フロアマット以外のインテリア用品についても、高級車の場合、海外ではオプション設定としてカスタマイズするのが一般的だが、大衆車ではそもそもインテリアのオプション設定が日本のように多彩ではない場合が多い。

また、ボディパーツについても、日本ではハイブリッド車でもメーカーオプションの装着率が高い場合があるが、海外では環境対応車に対してそうしたイメージを持つユーザーはかなり限定的に思える。

いずれにしても、海外では自動車用品の多くが、カタログオプションではなくアフターマーケット市場での扱いが主流だといえる。
ところが変わば、オプション事情も大きく変わるのだ。