この記事をまとめると
■2020年5月に日産は事業構造改革計画の「NISSAN NEXT」を発表した



■C/Dセグメント、EV、そしてスポーツカーに集中することが明らかにされた



■日本では電動化が重視され、数多くの電動車を販売し、そしてこれからも販売予定



強みに集中してラインアップの最適化を模索する日産

ゴーン問題で揺れに揺れ、その影響で負のスパイラルが続いた日産に対して、日産を愛するユーザーの多くが日産の行く末を案じたことだろう。なにせ、モデルチェンジのサイクルが長く、販売店としてもユーザーを引き留める手段に四苦八苦していた。



そうしたなか、内田新体制になり、2019年度決算に合わせて示されたのが「NISSAN NEXT」だった。

これまでも日産はさまざまな中期経営計画を立ててきたが、「NISSAN NEXT」は事業構造改革計画として、これまでも日産の企業としてのあり方を根本的に変えるような、極めて大きなチャレンジだった。



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そのなかで打ち出した大きな柱が、日産の強みに集中し、事業の質を高めることだ。そのためには、商品ラインアップの効率化などによる事業の最適化と、市場・モデル・技術に対する「選択と集中」を重視する戦略とした。



ユーザーとして気になるのは、新型モデルがどうなるかだろう。



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日産が打ち出した考え方は、ラインアップを最適化して、日本の軽など一部を除いて地域限定モデルを減らすこと。具体的には、2023年度までにグローバルで車種数を、それまでの69から55車種に縮小するとした。セグメントとしては、グローバルで見て小型・中型車であるC/Dセグメント、EV、そしてスポーツカーに集約する。その上で、フランスのルノー、さらに三菱自動車を含めたアライアンス(企業連合)によって、各社の得意な技術分野と市場を明確にするとした。



今後も日産からは本気のクルマたちが登場する

こうした、日産による新しい新車導入の方程式に従って、現在(2022年8月)まで日本市場でも新しいモデルが続々と登場してきた。



日本市場で重要視されたのは、電動化である。



まず、e-POWERでは「ノート」「ノートオーラ」が登場。プラットフォームが刷新されたことで乗り心地やハンドリングは先代ノートとは別物のような上質な出来栄えとなったことは、周知のとおりだ。



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また、EVでは「アリア」に次いで、日本市場専用車として「サクラ」を導入。三菱「eKクロスEV」と共同開発したことで、電動化に加えて軽自動車としての高次元での走りのパフォーマンスを実現している。



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一方で、「フェアレディZ」については、グローバルの販売予想台数で全体の7割から8割がアメリカである。そのため、新車発表の方法などでアメリカ重視の傾向が強かったというのが現実だ。ただし、筆者は先日、北海道の日産テストコースで「フェアレディZ」を思い切り走らせ、また日産技術者と意見交換する中で、「フェアレディZ」を通じた日本ユーザーに対する強い想いを日産がしっかりと持っていることを実感した。



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そして、秋口から本格的な販売が始まる「エクストレイル」だが、グローバルカーという位置付けから、アメリカでは「ローグ」として、いまから2年も前に発売が始まっている。ただし、エクストレイルの開発責任者は「日本向けはe-POWERとe-4ORCEの開発において、アメリカでのNAエンジンでの開発実績が十分に活かされている」と話す。日産が追求する、このクルマとしての最上級版が日本に投入されるということなのだ。



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今後は、最新e-POWERを搭載する次期「セレナ」など、これからも日産の日本市場に対して本気のクルマたちが続々と登場することになるだろう。

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