この記事をまとめると
■クラウンの4モデルのうち「クラウンスポーツ」と「クラウンエステート」について解説



■どちらもSUVであるが、乗車定員の違いなどで差別化する可能性が予想される



■個性を持たせるという意味でPHEVやBEVモデルとして設定される可能性もある



キャラが被っているように見える2台のクラウンの存在意義とは

16代目にして完全に生まれ変わったトヨタ・クラウンの発売がはじまった。事前にアナウンスがあったように、まずは新カテゴリーの「クロスオーバー」からローンチをスタート、ここから1年半をかけて、セダン、スポーツ、エステートという3つのバリエーションを展開していく予定になっている。



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4ドアクーペをリフトアップした新しいスタイルのクロスオーバー、FRプラットフォームを思わせるシルエットのセダンというふたつのバリエーションについては、明確な違いを感じるところだが、スポーツとエステートはいずれも5ドアハッチバックSUVに分類されるスタイル。

たしかにスポーツはショートホイールベース、エステートはロングホイールベースといった違いはあるのかもしれないが、キャラクターが被っているようにも思える。



新型クラウンの「スポーツ」と「エステート」はどっちもSUVにしか見えない! なぜ2車種用意するのか違いを考えてみた



現時点では、クロスオーバー以外の詳細情報は発表されていない新型クラウンだが、はたしてスポーツとエステートは、どのような差別化をしていると考えられるのだろうか。



一般論としてボディサイズの違いから予想できるのは、スポーツは2列シートのSUV、エステートは3列シートのSUVという風に区別しているという可能性だ。



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実際、トヨタでいっても北米ではRAV4とハイランダーといったように、同じアーキテクチャーを使った兄弟車として2列シート車と3列シート車をラインアップするといった商品企画を進めている。クラウンという新ファミリーにおいて同様のバリエーション展開をするというのは自然な話だ。



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「スポーティなハンドリングが楽しめる」のがクラウンスポーツだ

もうひとつ考えられるのは、パワートレインによる差別化だ。



トヨタは2021年12月に、一挙15台ものBEV(電気自動車)を発表したが、そのなかにはどう見てもクラウンスポーツと同じ外観と思える「クロスオーバーEV」も含まれていた。



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つまり、クラウンにおいてスポーツはBEVを基本とするクロスオーバーSUVであり、エステートはハイブリッドを基本とするクロスオーバーSUVという風に立ち位置を変えているという可能性もある。



もっとも、新型クラウンの発表会においてBEVを出すということを明言していないことからすると、スポーツがBEV専用モデルになると判断するのは難しい。トヨタのスタンスから想像すると、スポーツにもハイブリッドを設定すると考えるほうが妥当だろう。



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たとえば、スポーツとエステートのどちらもハイブリッド仕様をベースとしつつ、スポーツにはBEVを設定、エステートにはPHEV(プラグインハイブリッド)を設定するといった風にすれば、クラウンというファミリーの中でキャラクターが被らず、両モデルでユーザーの喰い合いをすることなく伸びていくということが期待できそうだ。



ちなみに、筆者がクラウンの発表会で耳にした情報では、「クラウンスポーツという名前は、スポーティなハンドリングが楽しめることを表現している」という。

仮にスポーツとエステートが同じハイブリッドのパワートレインを積んでいたとしても、"FUN TO DRIVE"の部分において、スポーツが独自性をアピールしてくる可能性もある。



より具体的に妄想すれば、ハンドリングの良さをさらに向上させた「GRクラウンスポーツ」といった展開も考えられる。もし新型クラウンのラインアプのなかで、トヨタが謳う走りの部分を担うモデルとしてキャラ立ちしていくとすれば、それだけでスポーツとエステートは十分に差別化できるかもしれない。

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