原告の「三竿グループ」は、1962年に越山康弁護士(故人)らが初めて提起した「定数是正訴訟」の活動を継承し、衆議院議員選挙が行われる都度、「選挙無効訴訟」(公職選挙法204条)を提起してきている。
これに対し、裁判所は一貫して国会の裁量を広く認め、請求を棄却してきた。しかし、判決理由中でしばしば問題点を指摘し、時には「違憲状態」「違法」との表現を用いて警告を行ってきた。そして、それが国会を動かし、是正が行われてきたという実績がある。
今回の衆院選は、2024年10月に行われた前回の衆院選から1年4か月しか経過していないこともあり、その間、定数の是正は行われなかった。
提訴後の記者会見の冒頭、三竿弁護士は、「われわれは選挙を無効にしたいのではなく(※)、このような訴訟を通して、選挙の根拠となっている法律をより良いものにしていくことに主眼がある」と語った。そして、厳密な人口比例に基づく定数配分・区割りを行うことが「民主主義」にとって必要不可欠の前提だと訴えた。
※現行制度上、議員定数不均衡の合憲性を訴訟で争う手段が「選挙無効訴訟」以外に存在しない
「アダムズ方式」による各都道府県への定数配分が違憲と主張
原告の主張は、以下のそれぞれの段階で違憲の問題があるというものである。①47都道府県への定数配分(区画審設置法3条2項参照)
②個別の選挙区ごとの区割り(同3条1項参照)
まず、「①47都道府県への定数配分」については、前回・2024年10月の衆院選から「アダムズ方式」が採用されている。
これは、都道府県の人口数をある数「x」で割って算出される商の小数点以下を切り上げた数を各都道府県に定数として配分したら、その合計が総定数とほぼ同じ数になるような「x」を見出し、それによって各都道府県への配分定数を確定する計算方法をさす(※)。
※出典:高橋和之「立憲主義と日本国憲法 第5版」(有斐閣)P.364
前々回の衆院選(2021年10月)まで採用されていたのは、あらかじめ47都道府県に「1議席」ずつ割り振り、残った議席を都道府県の人口数に比例配分する「1人別枠方式」だった。これに対しては、人口が少ない都道府県ほど有利な配分が行われるとの批判があった。
そして、最高裁は2011年(平成23年)3月23日判決において、従来の「1人別枠方式」を見直す必要性があるとした。これを受けて国会は2012年に法改正により「1人別枠方式」を廃止し、代わって採用されたのが「アダムズ方式」である。
原告は、アダムズ方式には構造的欠陥があり「形を変えた1名別枠配分」であると批判する。
すなわち、アダムズ方式によれば小数点以下の端数は「切り上げ」となる。事実上、端数はほぼ生じ得ないため、結局、すべての都道府県に定数が『+1』ずつ配分されることになる(【図表】参照)。
【図表】都道府県別の定数配分とアダムズ方式の「商」の関係(原告訴状をもとに弁護士JP編集部作成)
原告は、アダムズ方式について、以下の理由により、「憲法が求める人口比例配分とは到底いえない」ものであり、同方式により議員定数を配分する現行の規定は違憲無効であると主張している。
①その採用の動機において、1名別枠配分の現状を維持する目的であったこと
②その検討の過程において、誤った前提認識と不合理な取捨選択に寄ったものであること
③その配分方法において、1名別枠配分を温存するものであること
個別の選挙区の区割りも「人口比例配分に反する」
次に、「②個別の選挙区ごとの区割り」については、区画審設置法3条1項が「各選挙区の人口のうち、その最も多いものを最も少ないもので除して得た数が2以上とならないようにする」としている。現行の区割り基準によると、最小:最大が「1:1.999」であり、その直後に人口異動により「1:2」を超えていた場合でも、次回の国勢調査(2030年)の結果が出る後まで待たなければ是正されない。
この「1:2」を基準とする現行の区割り基準について、原告は「合理的根拠を示した論文や判例は見当たらない」とし、「憲法前文の民主主義、第14条の法の下の平等などが要求する人口比例配分の原則に違反する」と主張する。
また、海外の区割り基準との比較も詳細な資料を示しつつ行っている。
ドイツ連邦議会、イギリス下院議会、フランス国民議会、イタリア下院議会、アメリカ合衆国連邦下院議会の区割りを例に出し、「それらと比較しても、衆議院の選挙区割りの不平等、憲法違反は明らかである」としている。
現行の定数配分・区割りは「民主主義に反する」と主張
三竿弁護士は、提訴の意義について、「議会制民主主義」などの憲法上の原理原則から説明した。
三竿径彦弁護士(2月9日都内/弁護士JP編集部)
三竿弁護士:「国会は、国民一人ひとりの権利を制限し、義務を課する法律を定める立法機関だ。
その法律を決めるには、国会議員が国会で審議し、最終的には投票で多数決を行う。その時に国会議員が投じる一票一票が同じ価値、つまり同じ数の国民を代表していなければ、議会制民主主義は成り立たない。
国会議員の一票が同じ価値というのは、同じ人口から選ばれているということを意味する。
たとえば、ある国会議員は40万人くらいの選挙区から、ある国会議員は100万人くらいの選挙区から選ばれて、多数決をしたときに、国民の意思を的確に反映していることにはならない。
現行法は『(定数配分・区割りの時点で)2倍未満なら許容される』としており、実際に選挙を行う時には2倍を超えている。そういうことで良いのか、という問題がある」
「定数是正は都市部優遇・地方軽視につながる」の声は「誤解」
定数配分の不均衡の問題については、「そうしないと地方の声が軽視される」「国会議員の地域代表的性格も考慮すべき」などとして容認する声も一部に根強い。しかし、三竿弁護士は、そのような考え方には憲法および民主主義の観点から問題があるのに加え、誤解を含んでおり、現に存在する格差の実態を直視すべきであると説明した。
三竿弁護士:「民主主義の見地からは、1人の議員は同じ人口から選ばれなければならない。
そうすると、人口が少なければ代表者の数も少なくなるのは当然のことだ。
また、国会議員はどこから選ばれようと『全国民の代表』(憲法43条1項)だ。
むしろ現状、東京都など人口が多い都市部に住む人を代表する国会議員が少なく、不利益をこうむっているといわざるを得ない。
もし、都市部と地方に切実な格差問題があるのであれば、国会議員の定数配分とは別の方法で解決すべきものだ。
さらに、各都道府県の定数配分の段階での不平等(岡山県:鳥取県=1.6967)よりも、むしろ、同じ都道府県内の選挙区どうしの不平等が拡大しているケースがみられる(※)。
現実には、『都市と地方の不平等』よりもむしろ、『同じ都道府県の中での中心部と県の周辺部の不平等』の問題のほうが、より深刻ということだ」
※京都府(1.97)、茨城県(1.91)、北海道(1.86倍)など(原告側主張より)
原告はこのほか、比例代表選挙区の「小選挙区との重複立候補制度」の違憲・無効も主張している。
重複立候補制度が選挙人の投票による意思に反すること、重複立候補する者が候補者個人としての選挙運動とは別に団体として選挙運動を行うことができ不公平であること、などを主な内容とする。

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