午後8時33分頃、ゴールまで約1キロの地点で女優の星野真里氏が走っていたところ、水色のチャリティーTシャツを着た男性がコース内に入り、星野氏の近くまで接近。
その後、サポートランナーやスタッフは星野氏を取り囲んでガードし、男性を現場から連れ出した。星野氏らにケガはなかった。
男性は制止しようとしたスタッフに対して「走ってるだけだよ、公道だよ」「公道、邪魔しちゃだめだよ」などと主張していたという。
この男性はユーチューバーであり、後日、事件について謝罪する動画を自身のチャンネルに投稿している。
ネットでは「単なる迷惑行為」「犯罪者だから捕まえて檻の中に行って欲しい」など批判的なコメントもある一方、「寄付金を着服してたのは事実なので何の問題もない」「乱入は正解」などと男性を擁護する声も多く見られた。
男性の行為に法的な問題はないのか。刑法に詳しい岡本裕明弁護士(ダーウィン法律事務所)は、男性の行為はチャリティーマラソンや『24時間テレビ』の制作・放送業務を妨害するものであり、威力業務妨害罪(刑法234条)などの犯罪にあたる可能性を指摘する。
威力業務妨害罪や軽犯罪法違反が成立するか
威力業務妨害罪(刑法234条)はその名の通り「威力を用いて人の業務を妨害」した場合に成立する犯罪であり、法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金だ。男性は星野氏やスタッフに対して暴力などを振るったわけではない。しかし、公然と姿を現したうえで、プラカードを掲げて奇声を発するという行為も、法的には「威力」にあたる可能性がある。
「騒音や喧騒による威力業務妨害罪の成立が問題となった判例として、板橋高校事件(最高裁平成23年(2011年)7月7日判決)があります。
この事案では、卒業式が始まる直前に、来賓として招かれていた元教師が保護者らに対して国歌斉唱時に着席するように大声で呼びかけ、その場所を喧騒状態にした行為に対して、威力業務妨害罪の成立が認められています」(岡本弁護士)
もっとも、今回の事件では、男性がいたのはマラソンの沿道であり、星野氏も走りながら移動していた。
行為自体が「威力」に該当し得るとしても、警察などの捜査機関が「業務を妨害する危険があったとまではいえない」と判断した場合には、起訴はされず刑罰も科されない。
ただし、威力業務妨害罪が成立しない場合であっても、軽犯罪法における「他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者」(1条31号)に該当して、軽犯罪法違反が成立する可能性もある。法定刑は拘留または科料(※)だ。
※拘留:1日以上30日未満の間、刑事施設で身柄を拘束する刑罰。科料:1000円以上1万円未満の金銭の納付を命じられる刑罰。
「公道だから」は言い訳にならない
冒頭で述べたように、制止しようとしたスタッフに対して男性は「公道を走っているだけだから問題はない」という旨を主張していた。しかし、その言い分は法的には認められない。場所が公道かどうかに関係なく、業務を妨害するような行為が行われたのであれば、その妨害行為が正当化されるわけではないからだ。
公道における業務妨害が問題となった最近の裁判例として、FIA世界ラリー選手権事件(岐阜地裁多治見支部令和7年(2025年)4月17日判決)がある。
「FIA世界ラリー選手権事件では、公道で行われた自動車競技選手権のレースコースに自動車で進入し、発走待機中の競技車両のすぐ前に停車させた行為が問題となりました。
裁判所は、威力業務妨害罪の成立を認めています。
公道であること自体は、業務妨害を正当化する理由にはならないということです」(岡本弁護士)
なお、通常、マラソンなどの催し物が公道で行われる際には、主催者は道路交通法に基づく道路使用許可などを得ており(77条)、警察官等による交通規制(6条)が行われることが多い。
そのため、催し物が行われている間は、誰でも自由にコース内に入れるわけではなくなる。その点からも、男性の「公道だよ」という言い分は通じないのである。
「実刑」は考えにくい
では、本件で威力業務妨害罪に問われる場合、量刑はどの程度になると考えられるか。岡本弁護士は、前述のFIA世界ラリー選手権事件との比較から、仮に有罪となっても、拘禁刑の実刑が科される可能性は低いと説明する。
「FIA世界ラリー選手権事件では、懲役2年6月・執行猶予5年の判決が行われました。執行猶予が付されているとはいえ、比較的重い刑罰です。これは、実際のレースに影響を及ぼした点が重く評価されたと考えられます。
一方、今回のケースでは、男性の乱入により、星野氏の走行が中断されたわけでもありません。そのため、チャリティーマラソンなどの業務への影響は、FIA世界ラリー選手権の事案より限定的だったと考えられます。FIA世界ラリー選手権事件と同等以上の刑罰が科されることは考えにくいでしょう」(岡本弁護士)
乱入者を取り押さえてもいい?
今回のように、マラソンなどの競技の最中に第三者がコース内に入り込んだ場合、主催者側はどのように対応できるのだろうか。岡本弁護士によると、主催者側は道路使用許可を得ていたとしても、警察官のように公道上で第三者の行動を強制的に制限する権限を持つわけではない。基本的には、観客や第三者に対して任意の協力を求めることになる。
もっとも、ランナーへの接触を試みるなど、暴行等の危険性がある場合には、これを未然に防ぐための対応が正当防衛(刑法36条1項)として正当化される可能性がある。
また、そこまでの危険性が認められない場合でも、業務が妨害されるリスクの高い行為を止めるための対応は、正当行為(同35条)と認められるケースがある。
「今回のケースでは、スタッフは男性をいきなり取り押さえるのではなく、複数人で取り囲んでランナーをガードしたうえで、男性をコース外へ誘導しています。
このように、ランナーや番組の進行に危険が及ぶことを防ぐため、必要な範囲で乱入者の行為を止める対応であれば、正当なものとして認められる可能性が高いでしょう」(岡本弁護士)
男性のプラカードが示していたように、『24時間テレビ』をめぐっては過去に寄付金の着服問題が発覚している。男性を擁護する声が多く見られた通り、番組のあり方に疑問を持つ人がいることは事実だ。
しかし、そうした問題を訴える目的であっても、ランナーの近くに入り込んだり、番組の進行を妨げたりする行為が法的に正当化されるわけではないということである。

![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 昼夜兼用立体 ハーブ&ユーカリの香り 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51Q-T7qhTGL._SL500_.jpg)
![[のどぬ~るぬれマスク] 【Amazon.co.jp限定】 【まとめ買い】 就寝立体タイプ 無香料 3セット×4個(おまけ付き)](https://m.media-amazon.com/images/I/51pV-1+GeGL._SL500_.jpg)
![[コロンブス] キレイな状態をキープ 長時間撥水 アメダス 防水・防汚スプレー420mL](https://m.media-amazon.com/images/I/31RInZEF7ZL._SL500_.jpg)







![名探偵コナン 106 絵コンテカードセット付き特装版 ([特装版コミック])](https://m.media-amazon.com/images/I/01MKUOLsA5L._SL500_.gif)