レスターは9日、組み込みソフトウエアなどIT製品開発のPCIホールディングスにTOB(株式公開買い付け)を行い、子会社化すると発表した。レスターは資本業務提携するPCIに現在5.83%出資するが、TOBを通じて所有割合を50%超に引き上げる。
PCI株の買付価格は1株につき1210円で、TOB公表前日の終値849円に42.52%のプレミアムを加えた。買付予定数の上限・下限は所有割合44.67%にあたる448万株。買付期間は8月13日~9月20日の28営業日。決済の開始日は9月27日。公開買付代理人はSMBC日興証券。
PCIはTOBに賛同を表明する一方、TOBに応募するかどうかについては株主の判断に委ねることを決めた。
PCI創業者で会長の天野豊美氏と親族の資産管理会社であるY&U(東京都千代田区)が所有する5.64%の株式についてはTOBへの応募が予定されている。
PCIの前身は2005年に設立したM&Sで、ITシステムの開発・運用などを開始。
レスターは2018年にPCIと資本業務提携し、部材調達や営業サポート、技術支援などの協業を進めてきた。ただ、緩やかな資本関係では両社の目指す方向性や利害が一致せず、相互に取引先の延長としての存在にとどまることから、相乗効果の創出に限界があったという。