東都水産は主力である水産物卸売事業が厳しい環境にある中、医療関連事業や不動産事業を手がける麻生(福岡県飯塚市)の子会社が実施するTOB(株式公開買い付け)を受け入れて、協働関係をより強化することにした。麻生グループは九州地区での事業基盤確保や、新規投資事業への支援などを見込んでいる。
買付価格は1株あたり7500円で、公表前営業日の終値5390円に対して39.15%のプレミアムを加えた。買付予定数は244万8692株で、下限は設定していない。買付期間は2025年2月5日から3月21日までの30営業日。決済の開始日は3月28日。公開買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券、復代理人は三菱UFJeスマート証券。
東都水産はTOBに賛同を表明したが、TOBに応募するかどうかは株主の判断に委ねるとした。麻生東水は応募が84万5998株(所有割合21.27%)以上となった場合には、株主を自社のみとするスクイーズアウト手続きを実施予定で、その場合、東都水産は上場廃止となる。
麻生グループは、東都水産の少数株主から株式の売却の意向を伝えられ、TOBによる追加取得を決めた。東都水産は2024年3月末時点で株式の流通比率が24%で、東証スタンダード市場の上場維持基準を満たしておらず、今後改善ができなかった場合は2026年10月1日に上場廃止となることが決まっている。