「パナソニック」社内公募からスタートアップ共創に切り替え、新規事業創出を加速

パナソニックホールディングス<6752>傘下の総合家電大手のパナソニック(東京都港区)は、新規事業創出のための活動を、これまでの社内公募からオープンイノベーションによるスタートアップ共創型に切り替える。

社内公募はスピード感や変化対応力の面で課題が生じていたため、スタートアップ共創型にすることで、社会変化のスピードに対応できる体制に改めることにした。

政府は2020年に「オープンイノベーション促進税制」を設け、大企業の成長とスタートアップの育成に力を入れており、直近では九州電力<9508>や東芝(東京都港区)などの大企業の間にオープンイノベーションを強化する動きが広まっている。

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CVCの知見と社内公募の蓄積を連携

パナソニックは2024年度に、スタートアップとの共創で新規事業創出に取り組む活動「Panasonic Kurashi Visionary Colab(パナソニックくらしビジョナリーコラボ)」を立ち上げる。

2016年に始めた社内公募型の新規事業創出活動「Game Changer Catapult(GCC)」の蓄積と、2022年設立したCVCファンド「パナソニックくらしビジョナリーファンド」の知見を連携させ、スタートアップとの共創による新規事業の創出に取り組む。

CVCではこれまでに、エネルギーや食品、ライフスタイルなどの分野で出資を行っており、これら領域に強みを持つスタートアップと、GCCの活動によって蓄積された開発力や事業の有効性検証などのノウハウを組み合わせて実現を目指す。

さらに中長期的な事業部門の成長戦略と整合性を持たせることで、事業部門とスタートアップによる協業を促進し、新規事業の規模拡大を加速させる。

これに伴ってGCC推進部を、事業共創推進部に名称変更するとともに、2024年6月19日にはウエッブサイト「Panasonic Kurashi Visionary Colab」を開設する予定。

200人ほどがビジネスアイデアの育成に挑戦

パナソニックは、事業アイデアを募集するビジネスコンテストなどを通じて、新規事業の開拓に取り組んでおり、この8年間で、200人ほどがビジネスアイデアの育成に挑戦した。

ただ、ゼロから事業化を目指し事業規模を拡大するのは不確実性が高く、変化やスピードへの対応に難しい面があった。

「オープンイノベーション促進税制」では、国内の企業がオープンイノベーションを目的にスタートアップ企業の株式を取得した場合、取得額の25%を課税所得から控除できる。

政府はこの制度によって、大企業によるスタートアップ企業のM&Aを後押し、大企業とスタートアップがともに成長することで、日本経済の発展を目指す。

文:M&A Online

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